続き
前回に引き続きいるこside
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莉紗
いるま
あれから、俺らは結構デパートで買い歩いた。
今の荷物が10とすると、
その10分の6くらい俺が持っている。
ふと、莉紗が前を歩きながら言った。
莉紗
莉紗
いるま
そう言うと、莉紗は自分のパーカーのポケットから財布を取りだし、
1番近い自販機へと向かった。
すち
すちが寂しそうに呟く。
いるま
いるま
正直、あんな奴が良い奴だなんて思いたくない。
初めましての奴にガン飛ばして。
挙句の果てにはこさめの事泣かせて、
そんなやつの、何が良い奴だ。
ただ上辺だけ愛して、他は捨てるつもりなんだろうな、
莉紗
いるま
いるま
さっきまで居なかったのに、もう背後に居るのに少しだけ恐怖を感じた。
莉紗
いるま
心臓に悪ぃな、
きっと、小学校はそうやって生きてきたんだろうな。
莉紗
莉紗
いるま
莉紗
莉紗
いるま
莉紗が俺に甘めのコーヒーを投げると、買い物で買った荷物を半分持つ。
ふと、ある疑問が浮かび、口を開く。
いるま
莉紗
莉紗
返事はしたものの、止まってくれる気配すらしなかった。
そんなのお構い無しに俺は口を開く。
いるま
いるま
俺は立ち止まって言った。
俺の言葉を聞いた莉紗も立ち止まった。
冷たい風が、妙な胸騒ぎを感じさせた。
莉紗
莉紗は俺に問いかけた。
でも、振り向くことは無かった。
いるま
いるま
俺らの為に服を選んでくれた。
仲の悪かったこさめの為にも色々動いてくれた。
たった一日過ごしただけなのに、
俺らの為にと沢山買ってくれた。
なんでそんなに...
莉紗
莉紗はデパートで買った飴を銜えながら、不器用に返事をする。
俺は荷物を持つ手を強め、話を続けた。
いるま
いるま
いるま
いるま
こいつに話してくうちに、今まで親から受けてきた事を思い出す。
自然と目尻が暑くなった気がした。
視界が滲んで、何も見えなくなって......
いるま
はっとなって顔を上げると、ポケットに手を突っ込んでいる莉紗がこっちを振り向いていた。
改めて姿勢をこちらに向け、無情な目で見つめてきて、こう言った。
莉紗
莉紗
いるま
気付くと視界が見やすくなっていた。
見えたのは、不機嫌そうに俺を睨んでいる莉紗だった。
莉紗
莉紗
莉紗
さっきまで落ち着いていた莉紗が、
声を荒らげて俺を睨み付けていた。
莉紗は俺を睨みつけたまま、話を続けた。
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
莉紗
いるま
俺は言葉が詰まった。
今まで苗字が変わって、家の奴と仲良くしたことがあまりなかったから。
信じられたのが、最初の5回と8回目くらいの時だけだった。
その時は、俺らが徐々に仲良くなっていったのがきっかけで、今があった。
でも、同じことを繰り返して言っている事に......
......気がつくとこれまでにないくらい視界がぼやけていた。
生暖かい雫が、冬の寒さにより冷やされ、俺の服に落ちてくる。
止まることは無かった。
訳の分からないまま泣いていると、微かに温もりを感じた。
莉紗
いるま
気がつくと、莉紗は自分が持っていた荷物をその場に置き、
勇気を与えるように俺の頭を撫でながら、抱きしめられていた。
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