高校2年生になって1週間程だった頃委員会についての話し合いが行われた
元々本が好きというのもあり僕は迷わず図書委員に立候補した
委員は僕含め2人もう1人は同じクラスの七瀬 二葉(ななせ ふたば)という女子生徒だった
七瀬 二葉
杉野君?こんばんは七瀬です。クラスのグループから追加しちゃいました
杉野 亘
こんばんは。杉野です。図書委員の七瀬さんですよね?
七瀬 二葉
そうです。図書委員の七瀬です笑明日の委員会のことで聞きたいことがあって・・・
杉野 亘
どうしました?
七瀬 二葉
明日昼休み図書委員の仕事がさっそくあるじゃないですか。何時からだったか忘れちゃって、杉野君今日貰ったあの紙持ってる?
杉野 亘
確か1時半に図書室集合だったと思います
七瀬 二葉
1時半ね!おっけ!ありがとう!また明日ね😊
杉野 亘
はい、ではまた明日。
七瀬 二葉
おやすみ😊
杉野 亘
おやすみなさい
次の日昼食を終え廊下で壁にもたりかかりながら七瀬さんが来るのを待っていた
10分ほど経っただろうか。艶かなショートな黒髪をなびかせながら慌ててこちらに走ってくる七瀬さん
小柄で僕より小さい彼女の容姿はとても整っており可愛いという言葉が似合う人だった
七瀬 二葉
ごめん、お待たせ
顔の前で両手を合わせて申し訳なさそうに謝る彼女
杉野 亘
いえ、大丈夫です。まだ時間ありますので
七瀬 二葉
よかった
窓の小窓から吹き込む温かい春風を感じながら僕らは肩を並べて歩いた
杉野 亘
七瀬さんはなぜ図書委員に?
七瀬 二葉
んー、なんとなくかな?
彼女は照れたように笑っていた。本が好きとかそーいうのじゃないのか。なんか変わった人だな
杉野 亘
なんとなく・・・ですか
七瀬 二葉
杉野君は?なんで図書委員になったの?
杉野 亘
本が好きだからですね
七瀬 二葉
やっぱり!なんかそんな感じするもん!本が好きそうっていうか、メガネかけてるし
僕が掛けている黒縁メガネを指さして笑う七瀬さん
杉野 亘
メガネは関係ないと思うのですが
七瀬 二葉
細かいことはいいから早く行こ遅れちゃうよ!
杉野 亘
ちょっ、ちょっと
七瀬さんは僕の手を握りしめて走り出した。うるさいほどに高鳴る心臓
僕の少し先を走る七瀬さんの顔は眩しいくらいに輝いていた。
春の匂いを感じた