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・イギリス×ポルトガルのお話です(左右関係無)

......なんか、寂しいな。

............

......帰りたくないんですか?

............

すみませんね、変に問い詰めてしまって。

............

一人にしないで......

............

死んでみますか?

ポルトガル

ぅ......

......夢オチかよ、くだらねぇ......

そう思いつつ、のっそりと体を起こす。

どうやら、公園のベンチで眠ってしまっていたらしい。

どうりで体が痛いわけだ。

周りを見渡す。ずいぶん前に日が暮れてしまっていたのだろう。

闇色の帳が降りていた。

ポルトガル

............

こんなにも、帰りたくないと思ったことはない。

先程の夢のこともあるが、それ以前のことだ。

俺は彼奴らから逃げてきた。

......泊めてくれそうな宛もない。

ポルトガル

野宿か......

まぁ、それは仕方がないとして、問題は金だ。

どうやら俺は、小銭も持たずに出てきてしまったらしい。

詰みだ。

ポルトガル

終わった......

ま、この際どうでもいいや。このまま死んで、腐敗したゾンビになったりしてな。

ふと、空を見上げてみる。

曇っていて、星なんか一つも見えない。

ポルトガル

......なんか、寂しいな。

馬鹿な話だ。自分から逃げてきたくせに、離れてしまえば寂しいだなんて。

本当に......馬鹿だな。

????

何をしているんですか?この人は。

イギリス

ちょっと、起きてください。風邪引きますよ?

ポルトガル

ふぇ......?

ポルトガル

え゛、イギリス!?

声をかけると、ポルトガルさんは簡単に起きました。

イギリス

ほら、寝ぼけてないで、さっさと家に帰ってください。

ポルトガル

......ガキ扱いすんなよ......

と言いつつも、ポルトガルさんは全く動く気配がありません。

イギリス

......帰りたくないんですか?

ポルトガルさんは少し顔を背けて、小さく頷きました。

イギリス

ガキじゃないですか。

話を聞きたいので、とりあえず隣に座りました。

ポルトガル

え?

イギリス

え?

二人して、間抜けな声を出します。

ポルトガル

なんで座るんだ?

イギリス

話を聞くためですけど......

ポルトガル

話すつもりないぞ?

イギリス

話を聞くまで帰りませんよ。

ポルトガルさんは、あからさまなため息を吐きました。

ポルトガル

はあぁぁぁぁ......

イギリス

失礼ですねぇ......

イギリス

そんなに私が嫌ですか?

すると、ポルトガルさんは顔をしかめてしまいました。

なにか不味いことを言ってしまったのでしょうか......

ポルトガル

いや......むしろ......

ポルトガルさんは、少し間をおいて言いました。

ポルトガル

お前みたいな皮肉屋の方が、話しやすいわ。

イギリス

しっっっっつれいな方ですねぇ......

ポルトガルさんは、少しずつ話してくれました。

ここに来る前のことを、あまり覚えていないこと。

嫌な夢をみたこと。

起きたら、辺りはすっかり暗くなっていて、

なんだか帰りたくなくて、そのまま二度寝してしまったこと。

そこに、私が来たこと。

......皆から逃げてきたこと。

でも、どうして皆から逃げてきたかは、教えてくれませんでした。

どうしてかを訊いても、うまく濁されてしまいます。

じゃあ、夢のことなら教えてくれるでしょうか。

イギリス

それで、どんな夢をみたのですか?

ポルトガル

え?

不意を突かれたのか、ポルトガルさんは少しの間、固まってしまいました。

ポルトガル

え......夢の内容なんて......普通、覚えてなくね......?

明らかに動揺しています。

まぁ、無理に聞き出そうなんて思いません。

ただわかったのは、訊かれたらまずい内容だったこと。

とりあえずそれがわかったので、もういいです。

イギリス

わかりました。

イギリス

話してくれてありがとうございます。

イギリス

すみませんね、変に問い詰めてしまって。

後は、彼が話したいと思ってくれるまで待ちましょう。

ポルトガル

え?あ......おう......。

この時のポルトガルさんが、どこか名残惜しそうに見えたのも、きっと気のせいです。

イギリスは、それ以上なにも訊かずに行ってしまった。

ポルトガル

......言えばよかったのかな。

もっと俺の話を聞いてほしい。 どこか遠くに、一緒に逃げてほしい。 俺の嫌いな奴を、みんな殺してほしい。 助けてほしい。

助けてほしい......

助けて......

たすけて......

ポルトガル

なぁ......おい、俺さ、嫌いなんだよね。

この世界に存在する光も、 誰もが息を呑むような景色も、 馬鹿みたいに笑ってる彼奴らも、 気づいたら足元を見てしまうのも、 手の届くところにあるのに手を伸ばさないのも、 全部察してほしいと思ってしまうのも、 全部、 全部。

ポルトガル

本当は、全部覚えてるんだよ。

忘れたい。

忘れたい

忘れたい......

ポルトガル

一人にしないで......

本当に、あいつの言った通り、ガキじゃないか。

ポルトガル

イギリス......

なんで、なんであいつなんだろう。

インターホンが鳴りました。

そこには、ポルトガルさんが立っていました。

慌てて玄関に行きドアを開けると、ポルトガルさんは少し俯きがちに言いました。

ポルトガル

俺さ、考えたんだ。

イギリス

え?あ、はい。

何をだろうとは思いましたが、明らかにおかしな点がポルトガルさんにはいくつもあり、どうしてもそちらに目がいってしまいます。

イギリス

えっと、ポルトガルさん......

ポルトガル

イギリス。

私の言葉を制すように、ポルトガルさんは言いました。

ポルトガル

俺ってさ、ゴミかな。

さっきからポルトガルさんが何を言っているのか、全くわかりません。

イギリス

え、いや......

ポルトガル

ならさ、お前もゴミかな。

ポルトガル

......わからないよ。

ポルトガル

みんな、ゴミじゃなくて、ただの良い奴なのかな。

ポルトガル

俺が、俺だけが、ゴミなのかな。

一方的に話すポルトガルさんは、泣きそうな顔をしていました。

ポルトガル

ゴミならさ、嘘ついてもいいかな。

ポルトガル

ゴミならさ、死んだって誰も悲しまないよな。

イギリス

それは......違いますっ!

咄嗟に、否定の言葉が出た。

ポルトガル

......ゴミならさ、嘘だってつけるよな。

なにかを、失った気がした。

何か、とても、大切なもの。

そして、あぁ、やっぱりな、とも思った。

ポルトガルさんは、もう、なにも信じられないのだ。信じたくないのだ。

なら......

死んでみますか?

どこか遠くに、誰も来ないところに。

ゴミは、ゴミなりに、快適なゴミ箱へ。

地味に長々としたお話になってしまいました。

イメージと違ったりしたら本当に申し訳ありません......

⚜️ウミユリ⚜️さん、リクエストありがとうございました!

この作品はいかがでしたか?

27

コメント

7

ユーザー

なんでウェブは❤️十回しか押せないのでしょう? とにかくめちゃめちゃめちゃめちゃ好きです!!! 完全に話ぶりが自分の解釈と一致しすぎてて嬉しかったです!口調違うと結構凹みますし!嬉しい!! 最後どうなったかを比喩表現でしか書かないの美しすぎる! そもそも皆って誰なのかなぁと想像してました…陽気なお隣さん? 2人にとってはハッピーエンドかもしれないけど周りから見たらただの失踪事件になっちゃうのが悲しいですね… ついでに夢の部分が全部そのあと出てきていて、正夢だったのか…それとも公園自体が夢だったのか… 入ったゴミ箱が暖かいといいなぁ…と祈るばかりです🗑️

ユーザー

更新お疲れ様です!『最後のゴミはゴミなりに、快適なゴミ箱へ』のところ好きです!

ユーザー

すごくいいです✨️やっぱり天才ですね!!!

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