新side
彩華に告白した翌日 俺が登校すると、彼女の机の周りには 女子二人組が仁王立ちをして、彼女を睨んでいた。
どうやらどちらかの彼氏が 浮気をして、その相手が 彩華だと疑っているらしかった。
とうとう彩華は胸ぐらを掴まれ、 頬をぶたれた。
居ても立っても居られなくなり、 俺は立ち上がって彼女たちに近づいた。
新
ねぇ、その話の証拠は?
モブ子
あ、赤阪くん?
モブ美
しょ、証拠?
新
彩華が手を出したって
証拠だよ、そんなに
自信満々で何もない、
なんてことはないよね
証拠だよ、そんなに
自信満々で何もない、
なんてことはないよね
自分でも怖いくらい 恐ろしい笑みを浮かべた。
モブ子
ね、ねぇ
アンタの勘違いだったんじゃない?
島木がアンタの彼氏に手を出したなんてさ
アンタの勘違いだったんじゃない?
島木がアンタの彼氏に手を出したなんてさ
モブ美
そ、そうかも💦
モブ子
他に行こう!
女子たちは何か言いたげな顔をしながら、その場を去っていった。
ふと彩華を見ると、ポタポタと 涙を流していた。
新
ハイっ、水飲んで、
少し落ち着くと思うよ
少し落ち着くと思うよ
彩華
あ、ありがとう
新
本当に大丈夫?
彩華
大丈夫
大丈夫そうには とてもじゃないけど、見えない。
新
あのさ、俺の前では弱いとこ
見せて、泣きたい時は泣いて
笑いたい時は笑ってさ
見せて、泣きたい時は泣いて
笑いたい時は笑ってさ
彩華
ありがとう
そう言うと、彩華はそっぽを 向いた。
彩華
お水、いくらだった?
新
いいよ、気にしないで!
だって、俺ら友達でしょ
だって、俺ら友達でしょ
少し気取ってウィンク をした。
彩華
ふふ
新
(その時、彼女は
初めて俺に笑顔を見せてくれた。)
初めて俺に笑顔を見せてくれた。)
新
(でも、すぐにまたそっぽを
向いて、無表情に戻った。)
向いて、無表情に戻った。)
彼女の彩華の心 のバリアがほんの少しだけ 溶けたように思えた。