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輪廻転生
主に仏教やヒンドゥー教の教えに 基づくもので
簡単にいえば
"人は死んだ後も魂が生まれ変わって 別の命として生き続ける"
という考え方らしい
天乃 絵斗
天乃 絵斗
本当にそうだろうか?
祠で願ったあの時に浮かんだ"輪廻転生"という言葉は根拠もなく、俺の中で「可能だ」と言ってくる
天乃 絵斗
俺は迷いながらも自害をすることは出来るが猿山はどうだろうか?
彼は今、幸せの絶好調だから自害する理由もないし話したところで転生できる証拠も何もない
天乃 絵斗
天乃 絵斗
我慢できるはずがない。 彼が誰かに取られたままなんて無理だ
それならどうする?
殺して仕舞えばいいのではないか?
そんなのわかっている。考えなくても初めから頭に浮かんでいたのだから
天乃 絵斗
俺に残っている選択肢は多くはないからこそ慎重に物事を選ばなければならない
仕事の疲れと先ほどのことで頭が重い
休まなければと思った俺はソファーに寝転び目を閉じた
三ヶ月後
結局今でも彼を殺す決意など微塵も固まらず、時間だけが無駄にすぎていく
無駄にすぎていった時間の中で、俺は彼の家で遊ぶ約束を取りつけ今はその家へ続く道を歩いている
天乃 絵斗
その経緯すら曖昧だが、幸いにも日付と時間だけは正確に覚えている
天乃 絵斗
固まったとしても俺は本当に彼の生活を壊す覚悟なんてあるのだろうか?
そんな悩みを抱えながら彼の家の名前たどり着いた
天乃 絵斗
彼の家に着いてまず目に入った表札の猿山を見てほっと安堵のため息が出た
彼が婿入りしていたら帰っていただろうと胸の内で呟きインターフォンを押した
猿山 らだ男
インターフォンが鳴り終わるよりも早く待っていたかのように玄関の扉が開き、猿山が俺を中へと招ねいている
しかし俺は、その光景が妻が夫を迎えるように見えてしばらく立ち尽くしてしまった
猿山 らだ男
猿山 らだ男
すると可愛らしいことに、急に立ち止まった俺を心配して猿山が歩み寄ってきてくれたではないか!!!
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
言うつもりのなかった本音が口から出てしまったので、半ば無理やりに話を終わらせ彼の家に上がった
案内されたリビングはとても綺麗に整理されており、家具も新品だった
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
猿山 らだ男
猿山は酒を取ると言ってキッチンへ向かい、リビングには俺ひとりが残されたので大人しく彼の帰りを待つ
猿山 らだ男
天乃 絵斗
数分後戻ってきた彼は缶ビールを数本抱えその一本を俺に渡し、残りを机の上に並べた
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
天乃 絵斗
それから俺たちは酒を飲みつつ、テレビゲームでくだらない話をしながら遊んだ
ゲームをしながら飲んでいたが尿意には勝てず彼にトイレの場所を聞いて用を足した
リビングに戻る途中、行きでは気づかなかった棚の写真立てが自然と視線を引く
天乃 絵斗
写真には猿山と妻が笑顔で寄り添い幸せそうだった
パリンっ
天乃 絵斗
それを見なかったことにしてリビングへ向かおうと振り返ると、そこに猿山の姿が立っている
歩み寄ってくる彼の表情に少しの戸惑いと心配の色が浮かんでいた
猿山 らだ男
天乃 絵斗
猿山 らだ男
悲しそうに割れた写真立てを眺め、俺の腕を掴んで何も言わずリビングへと向かった