翔陽くんは俺のもんや

それから俺とサムと翔陽くんで練習することが増えた

3人の時はサムにブロック飛んでもらって速いブロード練習

俺と翔陽くん2人の時は普通の速攻を合わせる練習

サムと翔陽くんだけの時はレシーブやパスなど基本の練習

そうやって翔陽くんと過ごす時間が増えてった

ある日、サムが日直で早朝練に参加出来やんくて2人で練習しとった

練習終わりに翔陽くんが言いずらそうな顔をして話しかけてきた

おどおどしながら話しかけてくるので

不思議に思って首傾げた

それと同時にドキッとした

俺、なんかしてしまったんやろか…

サムのこと好き…？

おどおどしながら申し訳なさそうに…

それでも言わなあかんこと

上手く息が出来へん

どうやって息吐いたっけ

どうやって息吸ったっけ

呼吸がどんどん浅くなる

血の気がどんどん引いていく

音がどんどん遠なる

怖くて胸がｷｭｯてなる

いやや、 これ以上なんも言わんといて

まって！言わんといて！！

自分でもびっくりするぐらいでかい声が出た

戸惑う翔陽くんに 今度は絞り出したかのような声で言う

変な気持ちが溢れ出てくる

止まらん気持ちが声に出てまう

サムやなくていいやん

俺やったらあかん？

サムやないとあかん？

顔も声もほぼ同じやのに……

困惑してる表情で俺に翔陽くんが問いかける

……え？兄ちゃん？？？

……ってことは

あれは俺の勘違い……？？

…………。

うわっ！！ はっっっず！！！！！

俺、翔陽くんがサムのこと好きや言うと思って！

わざわざ翔陽くんの話遮って 女々しいこと思って言って……

……？ん？

待って！！やばい！

サムにあないな事言ったのに結局 俺も翔陽くんのこと好きとか！！

そう思って翔陽くんの方を見る

困った顔しながら首を横に傾げとった

普通にいける！！ えぐい可愛い！

そんなこんなで俺と翔陽くんは 教室に行くの遅れて遅刻になった

結局、俺が翔陽くんのこと好きって事 サムにバレて

サムに散々言ったこと根に持たれてたんか

仕返しでめっちゃ嫌味言われた