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𝑠𝑡𝑎𝑟𝑡

Ama.

……ねー?

子麦粉

どうしたの?

Ama.

瘴気ってどこから出てるの?

Kanata

こむくんの部屋から

Ama.

え?

まさとし。

んー、瘴気って元を辿れば魔力だから、出てくるもんは出てくる

まさとし。

瘴気は魔力の一種の形って思ってれば大丈夫、俺らも常に魔力が溜まってるわけだから、たまに消費しないとだし

Ama.

もしかしてさっき爆発音が聞こえたのって?

Kanata

僕ですね

子麦粉

僕も爆発で消費したいんだけどね、部屋にいると意識しなくても瘴気になっちゃうから

Ama.

なんか物騒な会話だなぁ…

子麦粉

まぁ全部事実だし

※爆発音は作品外で鳴りました

Kanata

あ、あとこむくん、てかみんななんですけど

Kanata

あの子達から情報が来ましたよ、2人とのこと

子麦粉

腕のいい魔法使いもいるもんだねぇ

Ama.

?????

まさとし。

あー、ここら辺の森の案内人みたいな奴ら

まさとし。

にしてもそんな軽減強くして魔力は大丈夫なのかねぇ

子麦粉

さぁ?

Ama.

はぁ…

子麦粉

じゃあ僕ちょっと出て様子見てくるねー

まさとし。

俺もいい加減門番してくるわ

カツ、カツ…

Ama.

………

Kanata

………

Ama.

(………え?)

Kanata

……………………

Ama.

(俺なんかしたかなぁ、めっちゃ見られる)

Kanata

ちょっとだけ、思い出話してもいいですか

Ama.

え?

Kanata

なんか、僕の中でちょっとモヤモヤしてるので、

Kanata

少し話させてください

Ama.

あぁ、好きにしていいよ

Kanata

ありがとうございます

Kanata

じゃあ、ちょっと付き合ってくださいね

小さい頃から、ずうっと母親の背を見てました

僕の母親は祖父から受け継いだ村の長でしたから、周りからの信頼もとてもありました

ずっと母親の背を見て生きるのだろうと、そう思ってました

母親

カナタは将来、素敵な長様になるわね

Kanata(幼少)

おかあさんみたいになれる?

母親

うん、なれるよ

Kanata(幼少)

じゃあ、ぼくがんばるね!

母親

そうね、頑張らないとね

母親

カナタはいい子だから、なんでも頑張れちゃうもんね

Kanata(幼少)

えへへ

Kanata(幼少)

ぼく、おかあさんみたいな長になるからね!

母親

そう、じゃあ私が1番見守ってあげないとね

Kanata(幼少)

うん!

そうやって、時間が過ぎていって、

母親から僕に、長の席が譲られる日だった

これからあの集落に語り継がれるであろう、最も瘴気の濃い時

瘴気の襲来だった

獣人族

なんだこの黒い霧⁉

獣人族

作物が枯れ始めたぞ!

獣人族

いきが…くるし…

Kanata

なにこれ…?

ドサッ

母親

こんなの前例も無いわ…

獣人族

…なんで、お前達は、影響を受けて

Kanata

獣人族

…お前達がやったのか?

Kanata

違う!僕達も何が起きてるのか

獣人族

じゃあなんでお前達は影響を受けて無いんだよ!

Kanata

それだって分からないよ!

獣人族

嘘つけ!

獣人族

お前達について来た俺達がバカだった!信じて疑わなかったのがダメだった!

獣人族

裏切り者!出ていけ!

パシッ

母親

カナタ?

タッタッタッタッ

獣人族

逃げた!逃げたぞ!

獣人族

やっぱりそうだ!図星だったんだ!

別に頭がパンクしたとかでは無かった

ただああいう批判の声が

獣人族

皆ごろしにしようとしたんだ!

まだ大人じゃない僕に突き刺さっただけ

逃げた先はもっと濃くて、それでも僕は普通に立ってた

ただお母さんはダメだったみたい

僕達はそこまでは似てなかった

ドサッ

Kanata

あ、

母親

…ごめんね、カナタ

Kanata

なんでお母さんが謝るの!

Kanata

今から、今から戻ろう?

Kanata

今から、あの森に戻れば、

母親

そしたら、カナタだって危険じゃない、

母親

カナタが、見守っていて、

Kanata

………

ぽたっ、ぼたっ

母親

カナタが泣いてどうするの

母親

ああ…

母親

カナタ、良い長様になれたのになぁ、この霧のせいかしら

母親

ねぇカナタ、聞いて

母親

海、ずっと昔に行ったの覚えてる?

Kanata

…うん

母親

そこにね、お城があったでしょ

Kanata

うん

母親

そこに、カナタと一緒に暮らしてくれる人がきっといるから、

母親

だからね、カナタは1人じゃないよ、大丈夫

Kanata

……うん

母親

だからね、カナタ

母親

私の分も、しあわせにね

だから、この城に来た

ただ広い森を、記憶を頼りに進んだ

ギィ…

子麦粉

……え?

まさとし。

お前、

まさとし。

魔族すら生存困難なとこどうやって歩いて来た?

Kanata

…効かないから

Kanata

行く当てもないから歩いた

子麦粉

まさとし。

いや効かないからって不十分すぎるだろ、お前何者だよ

子麦粉

まぁま、いいじゃん

まさとし。

え、でも

子麦粉

最悪僕がやっちゃえばいいしさ、ね

子麦粉

置いといてあげよ

まさとし。

…わーったよ

子麦粉

よろしくね、獣人族くん

Kanata

そうやって、今のあまさんみたいな感じで、どんどん成り行きに釣られていたんですよね

Kanata

あー、僕何が言いたかったんだろ、

Kanata

すみません、長々と付き合わせt

ギュ

Kanata

…?

Kanata

急に手握るってちょっとキモいd

Ama.

頑張ったね

Kanata

Ama.

今だって、話して震えて、

Ama.

それでも、その時乗り越えて、

Ama.

偉いよ、頑張ったんだね

《カタンッ》

まさとし。

『ちょ、大丈夫か?』

Kanata

『…………』

子麦粉

『…まぁそりゃそうだよね』

まさとし。

『子麦粉?』

『ギュ』

Kanata

『………』

子麦粉

『君はさ、もう十分すぎるぐらい頑張ったの』

子麦粉

『今はストッパーが外れてよく分かんないだけで、ちゃんと分かる時だって来るよ』

子麦粉

『だから、ちゃんと僕達を頼って』

Kanata

『、』

子麦粉

『辛いなら僕達に辛いって言って、苦しいなら僕達に苦しいって言って』

子麦粉

『それだけでいいの、それだけで』

子麦粉

『頑張ったね』

Ama.

頑張ったね、かなたくん

Kanata

………、

こんな欲求もう無いって思ってたのに、

フルフル、

あの時からもう出てこないと思ってた

そうだ、僕ずっと、

ぶわっ

誰かに認めてもらいたかったんだ

Kanata

あえ…あ…

Ama.

いいよ、泣きたい時に泣いちゃいな

Ama.

涙は流してなんぼなんだよ

Kanata

…ぅ、ぁ、

Kanata

ぁぁぁぁぁぁ…ぁぁ…

Kanata

うあぁ…

Ama.

うん、偉い

Ama.

ホントによく頑張ったね

そうだ、それだけじゃない

ちょっとだけ、重なるんだ

恩人<こむくん>と

ずっと認めて欲しかった!!

ば〜い

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