もしさ、
私があなたのことを好きって
言ったら
どうする?
山根 美鈴
山根 美鈴
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
美鈴は私と反対の方向に帰っていった。
中川 楓
中川 楓
中川 楓 15歳 もうすぐ高校生の
女の子。
と、言いたいけど
中川 楓
母
母
中川 楓
中川 楓
制服を脱いで部屋着に着替えた。
本当にやだな、この生活。
鏡の前に立って、腰まである髪の毛に手をかけた。
バサッ。
鏡に短髪の俺が姿を現す。
そう、
俺は女じゃなくて
男だ。
中川 楓
中川 楓
ベットに座り、髪の毛をいじる。
こんなウィッグより、俺の地毛の方がもっと光ってて綺麗なのに。
ガチャ!
母
中川 楓
中川 楓
母
母
中川 楓
母
母
母は声を上げて俺をきつく叱る。
俺はいつも謝ることしか出来ない。
逆らったら、
暴力をふるわれるからだ。
パァァン!!!
中川 楓
母
頬を叩かれたのか…。 でももう、痛みなんて感じない。
中川 楓
中川 楓
中川 楓
そう、謝るしかない。
母
母
中川 楓
ガチャン。
お母さんは優しい人だった。
お母さんは日本人で
お父さんがフランス人。
その二人から生まれてきた
俺は母には似ず、お父さんに似た。
それが気にくわなかったのだろう
幼稚園の頃、父が亡くなった。
お父さんが死んでから
優しい仮面のお母さんは崩れ落ち、
乱暴な母に変わり果ててしまった。
「あんたを見ると○○(父の名)を思い出しちゃう。」
「日に日に○○に似てくるわね!」
「見てられない。」
「楓。」
「女の子になりなさい。」
母
中川 楓
もう、母さんに縛られるのはごめんだ。
高校生になったら
母さんと縁を切って
こんな家、
出てってやる!!
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
中川 楓
俺はニコッと笑った。
山根 美鈴
山根 美鈴
ギュッ。
中川 楓
美鈴は俺を抱きしめた。
…ドキ。
はぁ、やっぱり俺、
美鈴が好きだなぁ
中川 楓
中川 楓
先生
先生
…3年前
俺はこの学校に引っ越してきた。
中川 楓
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
中川 楓
クラスメイト
クラスメイト
中川 楓
クラスメイト2
ドンッ!!
山根 美鈴
クラスメイト2
クラスメイト2
山根 美鈴
クラスメイト2
クラスメイト2
クラスメイト2
クラスメイト
中川 楓
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
クラスメイト
中川 楓
クラスメイト
クラスメイト
中川 楓
中川 楓
俺はその後、美鈴を助けたんだっけ?
最初はめっちゃ頭下げられて
何度も何度もありがとうって泣いてくれたんだよな。
そんな美鈴が可愛くて
どこへ行くのも一緒だった。
離れたことなんてなかった。
俺は美鈴に感謝してる。
けどさ、
本当は俺、男って言ったら
美鈴はどうする?
山根 美鈴
俺たちは屋上に来ていた。
山根 美鈴
美鈴は悲しく笑った。
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
美鈴は俺に背中を向けた。
無性に美鈴の背中に抱きつきたくなった。
けど、そんな資格俺にはない。
俺は母に従うことしか出来ない
男だから
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
もう少しだけ待ってくれないか?
母と話をつけてくる。
それが終わったら
君に伝えなくてはならない。
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
君に伝えなければいけないことがある。
本当の私は
男だということを。
中川 楓
母
母
母
俺はウィッグを外して、男物の服を着て、堂々と母の前に立った。
母
中川 楓
母
母
中川 楓
中川 楓
また母さんが俺に手をあげようとした。
パシッ。
母
俺はそれを手で受け止めて、 母に初めてビンタした。
中川 楓
中川 楓
中川 楓
母
母
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
母
中川 楓
母
母
母
母
母
母
母
母
母
お母さんは崩れ落ちて、泣いた。
母
母
分かってくれればそれで良かった
どうやら俺は
お母さんに
愛されたかっただけだったのかもしれない。
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
俺は次の日、
男の姿で家を出た。
美鈴にはビックリされるだろうけど
これが、俺だから。
これが
本当の
俺だから。
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
美鈴は首をかしげた。
山根 美鈴
美鈴はその場を立ち去ろうとした
パシッ
楓の手を掴んだ。
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
美鈴は口を手でおさえて 涙を流した。
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
山根 美鈴
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
中川 楓
山根 美鈴
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
中川 楓
俺は美鈴を抱きしめた。
今なら抱きしめられる
もう、一人じゃないよ
俺は男として生きていく。
山根 美鈴
たったひとつのきっかけで
運命を変えてしまう事がある
山根 美鈴
美鈴は涙を流しながらニコッと笑う。
中川 楓
俺も心がほどけたのか瞳から涙が溢れた。
山根 美鈴
中川 楓
俺は美鈴にキスを落とす。
ひとつずつ愛を確かめながら。
こんなにも世界は綺麗で
明日も続いていく日々の中で
美鈴と出会わせてくれた
俺の人生を変えてくれた。
たったひとつのきっかけ。
ありがとう、美鈴。
なぁ、
もし俺が
お前のこと
好きって
言ったら
君は
あの笑顔で
俺を何度も縛り付けていた紐を
ふりほどいてくれるでしょう?
そして
俺の手を
引っ張って
前へ連れてってくれるんだろう?
君が笑ったら
俺もつられて笑ってしまう。
ほら、
君といると
こんなにも世界が
輝いて見えるんだよ。
ーENDー
コメント
14件
めっちゃ好き