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なぁ、俺を見つけてくれよ。

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なぁ、俺を見つけてくれよ。

1 - なぁ、俺を見つけてくれよ。

♥

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2019年10月12日

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もしさ、

私があなたのことを好きって

言ったら

どうする?

山根 美鈴

あははっ、楓可愛い。
日本とフランスのハーフかぁ

山根 美鈴

羨ましい!!

山根 美鈴

その腰まである長い銀髪の髪の毛にー、青色の瞳でしょー?

山根 美鈴

それから、それから!

中川 楓

…ちょっと////

中川 楓

恥ずかしいからもう止めて?

山根 美鈴

…ふふっ、照れてやんの~

山根 美鈴

私、楓と友達になれて嬉しい!!

山根 美鈴

高校も同じところに行けるもんね!!

山根 美鈴

たーのーしーみ!!

中川 楓

…あはは。

山根 美鈴

楓は可愛いんだからもっと自信持っていいんだよ!

山根 美鈴

じゃあ、また明日ね~!

中川 楓

う、うん。

中川 楓

またね。

美鈴は私と反対の方向に帰っていった。

中川 楓

…はぁ。

中川 楓

美鈴が可愛すぎて辛い。

中川 楓 15歳 もうすぐ高校生の

女の子。

と、言いたいけど

中川 楓

ただいま、母さん。

おかえり、楓

さっさと着替えてらっしゃい。

中川 楓

…はい。

中川 楓

…はぁ。

制服を脱いで部屋着に着替えた。

本当にやだな、この生活。

鏡の前に立って、腰まである髪の毛に手をかけた。

バサッ。

鏡に短髪の俺が姿を現す。

そう、

俺は女じゃなくて

男だ。

中川 楓

…いつまで女のコスプレをしないといけないんだろ。

中川 楓

もう、中学生だっていうのに。

ベットに座り、髪の毛をいじる。

こんなウィッグより、俺の地毛の方がもっと光ってて綺麗なのに。

ガチャ!

ちょっと、楓!

中川 楓

…は、はい!

中川 楓

(あ、やばい。)

ちょっと、どうして男になってるのよ!?

私を逆らうきなの!?

中川 楓

ご、ごめんなさい

…ごめんごめんって謝ってばっかりじゃない?

私の言うことをちゃんと聞いてればこんなことにはならないのよっ!

母は声を上げて俺をきつく叱る。

俺はいつも謝ることしか出来ない。

逆らったら、

暴力をふるわれるからだ。

パァァン!!!

中川 楓

…。

ちょっと聞いてるの?楓!!

頬を叩かれたのか…。 でももう、痛みなんて感じない。

中川 楓

ごめんなさい。

中川 楓

ちゃんとやります

中川 楓

もう許して下さい。

そう、謝るしかない。

分かれば良いのよ。

さぁ、さっさと着替えて下に降りてきなさい。

中川 楓

はい、お母さん。

ガチャン。

お母さんは優しい人だった。

お母さんは日本人で

お父さんがフランス人。

その二人から生まれてきた

俺は母には似ず、お父さんに似た。

それが気にくわなかったのだろう

幼稚園の頃、父が亡くなった。

お父さんが死んでから

優しい仮面のお母さんは崩れ落ち、

乱暴な母に変わり果ててしまった。

「あんたを見ると○○(父の名)を思い出しちゃう。」

「日に日に○○に似てくるわね!」

「見てられない。」

「楓。」

「女の子になりなさい。」

楓、そこに皿だしてちょうだい。

中川 楓

はい。

もう、母さんに縛られるのはごめんだ。

高校生になったら

母さんと縁を切って

こんな家、

出てってやる!!

山根 美鈴

楓、おはよー!

山根 美鈴

ついに中学校も卒業かぁ~

中川 楓

ふふっ、そうだね。

山根 美鈴

というか、高校受かってるか心配だよー

中川 楓

大丈夫だよ。

中川 楓

私たちはやることをやってきたんたから

中川 楓

きっと受かってるよ。

俺はニコッと笑った。

山根 美鈴

楓~!!

山根 美鈴

本当に好きー!!

ギュッ。

中川 楓

…!!

美鈴は俺を抱きしめた。

…ドキ。

はぁ、やっぱり俺、

美鈴が好きだなぁ

中川 楓

(でも、今の俺じゃなぁ笑)

中川 楓

(俺は女だから、美鈴には恋愛対象として見てもらえてないだろーな。)

先生

…おーい!!

先生

出席番号順に廊下に並べ~

…3年前

俺はこの学校に引っ越してきた。

中川 楓

(はぁ、いつまで女装されられんだろ。)

クラスメイト

楓ちゃんって言うんだ?

クラスメイト

ハーフ?

クラスメイト

可愛い!!

中川 楓

…あ、フランスと日本のハーフです

クラスメイト

そーなんだ!!
可愛い!!

クラスメイト

よろしくね!

中川 楓

うん、よろしく

クラスメイト2

ちょっと邪魔よ!!!

ドンッ!!

山根 美鈴

…きゃ。

クラスメイト2

きゃっ、だってぇ~

クラスメイト2

きもっ!!笑笑

山根 美鈴

…。

クラスメイト2

ちょっと可愛いからってでしゃばりすぎなのよ。

クラスメイト2

スカートだって皆と少し短いんじゃなーい?

クラスメイト2

ほんと腹立つ。

クラスメイト

あーあ、またやってるよ。

中川 楓

ねぇ、あの子って?

クラスメイト

あっ、そっか、楓ちゃんは知らないよね。

クラスメイト

あの子いじめられてるのよ。

クラスメイト

可愛いのにね。

クラスメイト

前にいじめられてる子助けて、今度はあの子が標的になっちゃったの

中川 楓

どーしてあの子、誰も助けないの?

クラスメイト

いじめてる方がお父さんがどっかの企業の社長さんでここの校長と仲がいいのよ。

クラスメイト

だから、誰も逆らえない。

中川 楓

…ふーん。

中川 楓

そっか、ありがとう。

俺はその後、美鈴を助けたんだっけ?

最初はめっちゃ頭下げられて

何度も何度もありがとうって泣いてくれたんだよな。

そんな美鈴が可愛くて

どこへ行くのも一緒だった。

離れたことなんてなかった。

俺は美鈴に感謝してる。

けどさ、

本当は俺、男って言ったら

美鈴はどうする?

山根 美鈴

…楽しかった、中学校。

俺たちは屋上に来ていた。

山根 美鈴

高校も楽しいところだといいなぁ

美鈴は悲しく笑った。

山根 美鈴

…あのね、

山根 美鈴

私、楓に話したいことがあるの。

中川 楓

…何?

山根 美鈴

…ちょっとキモいって思ったら

山根 美鈴

私のこと、嫌いになってくれていいからね。

中川 楓

…嫌いになんてならないよ。

中川 楓

美鈴は親友だもん。

山根 美鈴

…親友じゃ嫌って言ったら?

中川 楓

…え。

山根 美鈴

私、楓が好き。

中川 楓

…何言ってんの?

中川 楓

私も好きだよ。

山根 美鈴

…違うの!!!

山根 美鈴

…友達としてじゃない!!

山根 美鈴

恋愛対象として、楓が好きなの。

中川 楓

…え

山根 美鈴

ほら、気持ち悪いでしょ?

山根 美鈴

…忘れて、いいよ。

美鈴は俺に背中を向けた。

無性に美鈴の背中に抱きつきたくなった。

けど、そんな資格俺にはない。

俺は母に従うことしか出来ない

男だから

中川 楓

ありがとう、美鈴。

中川 楓

君の気持ちに必ず答える。

山根 美鈴

…え?

もう少しだけ待ってくれないか?

母と話をつけてくる。

それが終わったら

君に伝えなくてはならない。

中川 楓

…話してくれてありがとう

中川 楓

少しだけ待って。

中川 楓

俺もずっと美鈴に秘密にしていたことがあるんだ。

中川 楓

今は話せないけど

中川 楓

明後日。

中川 楓

必ず話す。

中川 楓

だから、明後日

中川 楓

私とデートしよう。

山根 美鈴

…うん!!!

君に伝えなければいけないことがある。

本当の私は

男だということを。

中川 楓

ただいま、お母さん。

おかえ…り

って楓!!!?

どうしたのよ、その格好!!

俺はウィッグを外して、男物の服を着て、堂々と母の前に立った。

今すぐ、着替えて来なさい!!

中川 楓

それは無理だよ、お母さん。

口の聞き方がなってないわよっ!!

着替えて来なさいって言ってるの。

中川 楓

耳、聞こえなかったの?

中川 楓

無理って言ってるだろ。

また母さんが俺に手をあげようとした。

パシッ。

なっ…

俺はそれを手で受け止めて、 母に初めてビンタした。

中川 楓

…いい加減にしろよっ!!!!

中川 楓

目を覚ませよ、お母さん!

中川 楓

…俺、もう縛られるのは嫌なんだよ

…私は縛ってなんか…

ただ楓のために

中川 楓

は?

中川 楓

俺のため?

中川 楓

何が俺のためだよ!?

中川 楓

俺の好きなことをさせてもらえない、何が俺のためだよ!?

中川 楓

自分のためだろーが!!

中川 楓

お父さんを愛してるのは知ってるよ。

中川 楓

けどさ、俺がお父さんに似てるからって、俺をお父さんの目で見ないでくれ

中川 楓

もううんざりなんだよ

中川 楓

俺は楓だ

中川 楓

お父さんじゃない。

中川 楓

俺を見て、お母さん。

…。

中川 楓

…もし、これでも俺を嫌うならこの家、出ていくから。

…待って。

楓。ごめんなさい

…私、どうかしてたみたい。

そうよね、あなたは○○じゃない。

…楓なのよね?

…今まで私、何してたんだろ

何をしたかったのかしら。

こんなにも楓を縛っていたなんて

最低な母親よ…

お母さんは崩れ落ちて、泣いた。

ごめんね、楓…

ごめんね!!!

分かってくれればそれで良かった

どうやら俺は

お母さんに

愛されたかっただけだったのかもしれない。

中川 楓

夜遅くにごめんね。
明後日って言ったけどやっぱり、明日デート出来ないかな?

山根 美鈴

大丈夫だよ~😍😍
楽しみ~!!

山根 美鈴

じゃあ、いつもの公園の時計前集合ね?

中川 楓

うん、分かった👍

俺は次の日、

男の姿で家を出た。

美鈴にはビックリされるだろうけど

これが、俺だから。

これが

本当の

俺だから。

中川 楓

…ごめん、お待たせ!!

山根 美鈴

待ってた…よ?

山根 美鈴

あれ、楓?

美鈴は首をかしげた。

山根 美鈴

すいません、人違いでした///

美鈴はその場を立ち去ろうとした

パシッ

楓の手を掴んだ。

中川 楓

待って、美鈴。

中川 楓

今までごめん。

山根 美鈴

…え?

中川 楓

本当は男だったんだ。

山根 美鈴

…え?

中川 楓

ちょっとお母さんに縛られててどうしても女の子にならないといけなかったんだけど

中川 楓

もう大丈夫だから。

山根 美鈴

…嘘。

美鈴は口を手でおさえて 涙を流した。

山根 美鈴

どうして、言ってくれなかったの!?

山根 美鈴

相談にのったのに!!

中川 楓

…嫌われるかと思った。

中川 楓

この手をすりぬけられそうで

中川 楓

怖かった。

山根 美鈴

…そんなわけないじゃない。

山根 美鈴

ごめんね、今まで辛かったよね?

中川 楓

いや、美鈴がいてくれたたけで俺は嬉しかったよ。

山根 美鈴

…!!

中川 楓

あのさ、俺

中川 楓

美鈴が好きだよ

中川 楓

…。

山根 美鈴

友達として、でしょう?

中川 楓

…ううん、恋愛対象としてだよ。

中川 楓

ずっと好きだったんだよ

中川 楓

でも女だったからこの思いを伝えることも、出来なくて

中川 楓

そしたら美鈴がさ、女相手に好きって言ってくれたから

中川 楓

俺のなかでも区切りがついた。

中川 楓

大好きだよ、美鈴。

俺は美鈴を抱きしめた。

今なら抱きしめられる

もう、一人じゃないよ

俺は男として生きていく。

山根 美鈴

…私も大好きー//

たったひとつのきっかけで

運命を変えてしまう事がある

山根 美鈴

楓、綺麗…。

美鈴は涙を流しながらニコッと笑う。

中川 楓

…ありがとう。

俺も心がほどけたのか瞳から涙が溢れた。

山根 美鈴

もう、ずっと離れない。

中川 楓

…俺も。

俺は美鈴にキスを落とす。

ひとつずつ愛を確かめながら。

こんなにも世界は綺麗で

明日も続いていく日々の中で

美鈴と出会わせてくれた

俺の人生を変えてくれた。

たったひとつのきっかけ。

ありがとう、美鈴。

なぁ、

もし俺が

お前のこと

好きって

言ったら

君は

あの笑顔で

俺を何度も縛り付けていた紐を

ふりほどいてくれるでしょう?

そして

俺の手を

引っ張って

前へ連れてってくれるんだろう?

君が笑ったら

俺もつられて笑ってしまう。

ほら、

君といると

こんなにも世界が

輝いて見えるんだよ。

ーENDー

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