衝撃音のあった工場迄行くと蘭堂と太宰、中原が話していた
中原中也
神は存在するからだよ

中原中也
俺はそれを知ってる

水卜
エ

中原中也
あ

太宰治
((ニヤ

水卜
エ、ア、ナンカゴメン

水卜
そういうお年頃だよね…うん、

水卜
否定はしないぞ☆👍

中原中也
腹立つ勘違いすんな!💢

蘭堂
荒覇吐が存在する事を君は知っているのか

中原中也
あぁ、あんたも見たんだろ?八年前の彼奴を

中原中也
でなきゃあそこまで正確な姿を証言出来るわけねェからな

蘭堂
中也君
ならば君は知っているのか?荒覇吐が今どこに居るのかを

蘭堂
教えてくれ

太宰治
知っているなら教えてあげなよ

中原中也
ん?

水卜
????????????

太宰治
どっちにしろ蘭堂さんはポートマフィアを聞きに晒した咎で処刑されるんだ

水卜
エ、マ?

太宰治
マ

中原中也
ッたく、何奴も此奴も
何であんな奴に会いたがる

中原中也
彼奴にゃ死人を甦らせる力なんかねェ
それどころか人格や意思そのものが存在しねぇんだ

中原中也
台風や地震と同じだ

水卜
悲報 荒覇吐、台風や地震と同類扱いされる

蘭堂
人格等問題ない

中原中也
あ?

蘭堂
大いなる破壊
地を焼き空を染め大気を震わす理解の及ばぬ彼岸のもの

蘭堂
全てを掌握する世界のバグ

水卜
ん?

蘭堂
その力だけで私には十分なのだ
教えてくれ中也君
水卜君

太宰治
ちょっと待って…何故そこで水卜君が____

水卜
人智を超えた存在蘭堂さんを焼いたもの、、目的のモノを探してるわけね

中原中也
そんなに知りたきゃ教えてやる

中原中也
荒覇吐はな…

中原中也
俺だよ

太宰治
なっ…何だって?

水卜
あ、言ってなかったかな…中原が荒覇吐だと言うこと

太宰治
知っていたならなんで報告しない?

水卜
僕も似たようなものだし____太宰君ならとっくに気づいてたんじゃねと思って

蘭堂
薄々そうではないかと思っていた…

中原中也
俺の記憶は人生の途中からしか存在しねェ

中原中也
衝撃で記憶を失ったアンタとは違う

中原中也
八年前のあの日以降にしか人生そのものがねェンだ

中原中也
それ以前は

水卜
闇

水卜
とある異空間の闇の中に存在してた荒覇吐。

水卜
そこに侵入した形跡があってね
なんだと思ったら大爆発が起きるもんだから…w

水卜
調べてみたらあなたの仕業だったと…

水卜
ッははははwwwww

水卜
本当に人間は飽きないやw

中原中也
あんたはどこで俺を見つけた?

中原中也
それを知る為に俺はこの事件を追った

中原中也
さァ、全部吐いてもらおうか

蘭堂
嗚呼…何と運がいい
二つの目的がここに居るなんて

蘭堂
無論教えるとも
君たちにはそれを知る資格がある

太宰治
なぜ重力で防御しない

蘭堂
私の亜空間は弾丸と違い、
物理法則の影響を受けない

蘭堂
更にその空間は通常空間から隔絶された異世界でもある

蘭堂
そして、私が招かぬ限り
入ることは愚かでることもできない

蘭堂
君ならよくわかっているだろう?水卜彼方君
君の下位互換であるこの異能を

水卜
僕を過大評価し過ぎでしょ蘭堂さん…

水卜
蘭堂さんの狙いはあくまでも僕と中原君…
太宰君も巻き込む意味あるのか…?

中原中也
手前ェッ!

蘭堂
今ので死なぬとは流石荒覇吐の化身

蘭堂の異能により眼前まで迫ったがそれ以上進むことが出来ない
蘭堂
中也君
この空間内で君は私に触れることは出来ないが私は自由に君を攻撃できる

中原中也
そのバカに直接触れ異能は無効化される

中原中也
隔離するように亜空間を展開すればこっちにはいい掩体になる

中原中也
それにその女には物理も異能も効かねぇ

蘭堂
確かに彼等の存在は異端

蘭堂
欧州にすら存在せぬ究極の反異能力者

水卜
欧州?

蘭堂
ふっ…しかし…

太宰治
かハッ!

水卜
太宰君!?

水卜
っ

蘭堂
君は確かに物理や異能は効かない
だが実体はある
君が中也君や太宰治君に触れていることは確認している

水卜
めんど…
ここ、酸素濃度低いよね

水卜
僕が気絶するまで軽く見積って十分
持って十五分くらい

水卜
僕は暇が大っ嫌いなんだけど

蘭堂
どうせ君たちは死ぬ運命にある
知りたいことを何でも教えてあげよう

水卜
そう?
じゃあ____

水卜
中原君の荒覇吐の件は兎も角…

水卜
何故僕のバグを知っている?

蘭堂
グリッチ…こう言えばわかる筈だが

水卜
…へぇ、笑

蘭堂
特一級の犯罪組織“グリッチ”
嘗ての交流は記録に残っている

中原中也
手前ェ…

蘭堂
残念だが君は世界の異物だ

中原中也
!

蘭堂
君は殺せない
世界が君を拒んでいるから

水卜
お喋りなお口だ事…縫い合わせてやろうかしら

蘭堂
その減らず口は服従させた時にでも矯正しよう

蘭堂
太宰君
君の掴んだ情報を首領が知れば私に刺客を差し向けるだろう

蘭堂
済まないが君も中也君と共に死んでくれ

太宰治
面白いじゃないか

太宰治
ねぇ

中原中也
ん?、

太宰治
コイツら倒そう
一緒に

中原中也
あ?

中原中也
手前は死にたいんじゃねェのか?

太宰治
少しだけポートマフィアの仕事に興味が湧いてきた

太宰治
表の世界では死は日常から遠ざけられている

太宰治
でもマフィアの世界では死は日常の延長線上であり一部だ
僕はそっちの方が正しいんじゃないかと思う

太宰治
何故なら“死ぬ”は“生きる”の反対じゃなくて
“生きる”に組み込まれた機能の一部に過ぎないからだ

太宰治
死を間近で観察しなくては生きることの全体像は掴めない

中原中也
詰まり
自殺願望の手前ェが生きたくなった…

中原中也
って事か?

太宰治
試してみる価値はある
そう思っただけさ

太宰治
水卜君はなにか出来そう?

水卜
残念な事に時間がかかっちゃうね

水卜
この空間、君たちのものとは違い色んな法則がぐちゃぐちゃに絡み合ってる

水卜
解くは一つ一つ綺麗に解いてかなきゃならない

先代
無用じゃな

先代
子供は死ぬ時間じゃ

太宰治
そうかい

中原中也
くっ…

水卜
空間を伸ばしたりするのも可能か

太宰治
そういう事だ
分かるよね?

中原中也
俺に指図するんじゃねェ

水卜
全く…面倒事は増やさないでよね

水卜
(似しても…マジでこの空間内の酸素が減ってる)

水卜
(そこ迄問題は無いが___)

水卜
一寸ばかり苦しくなってきたかも

水卜
仕"事"が"ッッ!

蘭堂
何?

蘭堂
自らの体を高重力化して密度を増し衝撃を受けきったのか

中原中也
なァ…

中原中也
何で俺が両手を封じて戦ってたか教えてやろうか

中原中也
何時か負けそうな時が来りゃあ、そうすりゃあちっとは愛着が湧くと思ったんだ

中原中也
この俺って人間にな

水卜
…良いなぁ…((

蘭堂
素晴らしい!
君を取り込めば好みに感じる寒さも吹き飛ぶか

太宰治
来い中也!

中原中也
手前ェが動くんだよクソ太宰

太宰治
ふっ!

先代
終いじゃ小僧

中原中也
おい!

水卜
あと少しあと少し…

蘭堂
ふっ…

ギブスをつけていた右手には鉄製の腕輪のようなものが入っていた
先代
何!?

太宰治
中也ァ!

中原中也
来い太宰!

蘭堂
させるか!

蘭堂
馬鹿な!

中原中也
くっ…

太宰治
っ

水卜
来たッ!

水卜
バグッッ!

中原中也
終わりだ旦那

中原中也
重力からは逃げられねェ

先代
ぐぐぐッ…

太宰治
蘭堂さんの亜空間が消えれば当然貴方も消える

太宰治
だけどぉ…

水卜
やっちゃえ…

太宰治
一発くらい受けとってよ
僕からのお礼

水卜
げほっ…息できなくて死ぬかと思ったぁ゛…

中原中也
手前ェは手品師かクソ太宰

太宰治
あのね中也、なんの意味もなくギブスなんて付けるわけないでしょ

太宰治
全部話してくれるよね蘭堂さん

蘭堂
八年前のあの日
私は相棒である諜報員と共にこの地に潜入していた

太宰治
相棒?

蘭堂
軍が秘密施設に封印しているという高エネルギー生命体を奪取する為だ

蘭堂
だがその生命体を手に入れたあの時、相棒が私と祖国を裏切った

蘭堂
私と彼はその生命体を奪い合い
その挙句この国の軍に見つかり追い詰められた

蘭堂
その方いを突破するためにも私は奪った生命体…詰まり中也君を私が操る異能生命体とすべくその封印を解いたのだ

蘭堂
その瞬間あの施設を記録ごと吹き飛ばし、同時に私も記憶を失った

水卜
訂正、失ったんじゃない

水卜
私が消したんだよ

蘭堂
そうか…

蘭堂
私の名は蘭堂では無い
私の所持していた帽子のスペルをみたこの国の者が誤読して名付けたのだ

太宰治
相棒はどうしたの?

蘭堂
私がこの手で殺した

蘭堂
中也君
君は荒覇吐そのものではなく

蘭堂
荒覇吐を制御する為の入れ物として選ばれた人間なのだろう

蘭堂
荒神としてではなく一人の人間として強い

中原中也
そりゃどうも

蘭堂
君の中に何が住んでいようと君は既に君だ

蘭堂
それで良いのではないか?

蘭堂
水卜君も君は何であろうと君であれ
他者に何を言われても君自身だ

蘭堂
全ての人間…全ての人生は結局自分が何者か知らないままに生きるのだから
不思議だ

蘭堂
少しも…寒くない
