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白紙に声を響かせて

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白紙に声を響かせて

10 - 醜く裂け

♥

325

2023年12月02日

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n k

...kr ...ついてきて

nkに囁かれ

指示に従う

n k

……ごめん

強引に腕を引っ張られる

k r

はぁ……?

なにがなんだかわからず

抵抗しなかった

そのまま

nkはロープを拾い

俺と柱が接するように結びつけた

k r

なん……で?

彼は苦笑して声を聞かせた

n k

巻き込みたくないんだ

n k

全部終わったらまた来るから

そう言ってnkは背を向け 遠ざかっていく

独り

こんな状況になって

やっと目が覚めた

今まで見ていた全ての幻を かき消して

残酷な現実が姿を現す

brとshkはもうこの世にはいない人

多分

nkは強い孤独感に襲われていたはず

俺がいたはずなのに

俺は現実逃避していたから

力になれなかった

nkの目的はわからないけど

最終的に俺が守られる立場に なってしまった

虚ろな瞳を瞼で隠し

俺は誰かがここに迎えに来ることを 待つしかできなかった

sm side

n k

…………

音も立たず

軽やかに

nkが再び姿を出す

強ばった顔に

一点だけを見つめる水色の瞳

緊張感を持っているnkとは真逆に

いつもの笑顔を崩し

放心状態のkn

nkは一瞬 微笑を見せた

地を蹴り

駆け

パーカーの内側から

ナイフのようなものを取り出す

部屋に注ぎ込む光が

鋭い金属を輝かせる

n k

え……なん...ッ

背後を取れた

絶好のチャンスだった

knが振り向きさえしなければ

あとはナイフを振りかざすだけ

それだけなのに手が止まる

k n

なに……?

笑っている

というより睨んでいる

そんな顔で

n k

なんで...

n k

泣いてるの?

完全に気を取られてしまった

初めて見る彼の涙に

k n

うるさい……

全身を凍らせるような

低い声

n k

...ごめん

怯えて目を閉じてしまう

いつもだったら

怒鳴られ

暴力を浴びる

なのに今回はなにも されなかったから

ゆっくりと片目ずつ開く

n k

………あれ...?

思わず言葉が漏れてしまう

knは背を向け

足音を立てて部屋を出た

追いかけて

この手で殺めないと いけないというのに

その気が起きなかった

先程までの緊迫感から解放され

今は安心だけがあった

迫ってくる足音

耳がすぐに気づいて目を開く

k r

あ...なかむ……

自然と涙が溢れ出す

k r

ごめんっ ...

k r

俺...なんもできなくて...

nkは驚いた顔をして こちらを見ている

n k

別に...恨んだりとかしてないし

n k

謝らなくていいよ

nkはしゃがんで俺と同じ目線になる

話しながら縄を解いてくれる

n k

俺はkrに...これ以上仲間に
死んでほしくなかった

n k

作戦に巻き込みたくなかった

淡々と語るnk

k r

……作戦って?

n k

knをころす。

殺意に満ちている目

重く

受け止めることができない

n k

krはなにもしなくていい

n k

でも……死ぬのだけはやめて ッ...!

n k

独りになったら...

n k

とうとう俺もおかしくなるから

頼み

というより脅迫に近かった

それに俺は気づいていた

俺を含め、この屋敷にいる人間は とっくの前におかしくなっている

kn自身に

knの友達として過ごす5人

まともな思考をしていない

触れたら今にも崩れそうなほど

すべてが

ぼろぼろ

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