イスラエル
……アメリカさん、またあのクソどもが俺の名前使ってなんかやってるみたいなんですけど
ソファに足を投げ出して座るイスラエルは、スマホをアメリカに見せる。
その画面には、中東某国が彼を批判するニュース。
アメリカ
イランか?サウジアラビアか?どっちでもいいけど……ほんと学習しねぇな、
アメリカはイスラエルの横に腰を下ろし、わざとらしく笑ってみせた。
アメリカ
こいつら、"この俺"とお前が一緒にいるって、まだわかってねぇのか
イスラエル
わかるわけない、アイツら脳味噌砂漠だし
アメリカ
口悪いなぁ、相変わらず
くすくす笑うアメリカ。
でも、目だけは笑ってない。ずっとイスラエルを見ている。
アメリカ
てかお前さ、最近ちょっと他の国と仲良くしすぎじゃね?
イスラエル
は?してない
アメリカ
ほんとに?
アメリカはぐっと距離を詰めて、イスラエルの顎を掴む。
その手は、見た目よりずっと力強い。
アメリカ
俺以外の奴に頼るなよ。俺が全部、やってやってんだからさ
イスラエル
……そんなこと言ったって、こっちだって命懸けなんですよ。誰でもいいから手を取らなきゃ——
アメリカ
“誰でも”はダメだって言ってんだよ
アメリカの声が低くなった。
怒ってるというより、独り占めしたくて仕方ないような……そんな声。
アメリカ
お前が誰を見てるか、俺はちゃんと見てるからな。裏切ったら、マジで——
耳元に息をかけるように、ささやく。
アメリカ
——壊すぞ。その国も、お前も
イスラエルは目を逸らせなかった。
怖い。でも、熱い。自分にしか向けられないこの執着が、たまらなく心地いい。
イスラエル
……わかってるよ、アメリカさん
アメリカ
よろしい
そのまま強引にキスをされて、イスラエルは言葉を失った。







