肌寒くなってきた夏の終わり
いつも貴方を思い出す
二度と会えないってわかっているから
こんなに愛おしく
私の心を捕えて離さない
優也
俺たちってピッタリ足らないところを埋め合える奇跡の相手に出逢えた。
本当に幸せだよね。

美奈
うん。優也と出会ってない時どーやって生きてたのか思い出せない。

優也
付き合って3年になるね。

美奈
ふふっ、どーしたの?

優也
美奈と過ごす毎日が本当に幸せで。
これから先もずっとよろしくね。

美奈
プロポーズみたいね。

優也
結婚したいよ。

美奈
うん。知ってる。

美奈
でもごめんね。

優也
そんな困った顔しないでよ。

美奈
優也。ありがとう。

美奈
ちょっと疲れたから目を閉じるね。

優也
うん。ゆっくり休んで。

美奈は余命1ヶ月だ。
日に日に、細くなっていく四肢。
血の気のない真っ白の肌。
眠る時間が増えた。
無力な自分を責める。
美奈
ねぇ優也。

優也
どうしたの?

美奈
私の分まで生きて、私の分まで幸せになって。

優也
なに。やめろよ。

美奈
私は居なくなるけどね。

美奈
結婚して子育てしたかったな。

美奈
就職して社会の一員になって働きたかった。

美奈
普通の幸せをたくさん感じたかった。

美奈
優也に託していいかな?

優也
美奈が居ない世界で幸せなんて感じられない。俺には、そんな!無理だよ。
っう!生きて欲しい!お願いだよ!!

美奈
優也に魔法をかけてあげる。

美奈
私のお葬式が終わったら、心が軽くなる魔法。

優也
馬鹿言うな!俺は、くるし

美奈
苦しんでいたいなんて言わないで!
私は優也の笑顔をきっと見てる。
私の月命日には少しだけ思い出して空に向けて笑顔を見せてね。

美奈
優也。ありがとう。今までほんとに。
優也のおかげで幸せだったよ。。。

優也
みなぁ。美奈!美奈ぁ!!

あれから7年も経ったんだね。
僕は就職をし結婚して子供も居る。
美奈が望んだ未来を。
今日も子供と空を見上げる。
優也
お空の天使に今日も挨拶をしようか!

みらい
うん!天使さん!今日もみらいは1日笑顔で頑張ります。見守っていてね!

優也
よく出来ました!みらい。じゃあ幼稚園まで競争しようか?

みらい
うん!パパ大好き!よーいどんっ!
