康二、俺の分まで生きてな。
この一言と、一粒の涙を残して、蓮は暗い海に落ちていった。
本当の絶望は、突然やってくる。
蓮に浮気されたこと、蓮に愛してもらえないと思ったこと、
でも、それよりも、もっと辛いものがあった。
蓮がこの世からいなくなること。
それが、俺にとっての本当の絶望だ。
蓮がこの世から消える。そうなったとすれば
俺の生きる希望は、ない
康二
俺は、何度も泣いた。
助けたい。けど、それが逆に逆効果になってしまったら…?
そんな考えが頭をよぎり、足がすくんでしまう。
こんな自分が嫌いだ。
蓮、蓮、と何度も何度も叫んだ。
でも、蓮は顔を見せない。
そんな、そんな、
蓮が俺の代わりに死ぬなんて、そんなの、
康二
康二
康二
動け、動け、でも、全然足が動かない。
蓮はどこにいるんだろう、俺が飛び込んで助けられたら。
なのに、気弱な考えと岩と海の高さから、怖くて足がすくむ。
くそ、くそっ、
なんで、俺のせいなのに、なんで蓮が代わりにならなきゃいけないんだ。
こんなの、こんなの、
康二
康二
康二
あぁ、俺がちゃんとしてれば
あぁ、なんで、なんでだよ、
すると、海面に蓮の足らしきものが浮かんできた。
康二
俺は、助かったんだ、と思った。
でも、違った。
それは、足ではなく、靴だけだった。
康二
康二
康二
蓮、嘘だろ、嘘だって、言ってくれよ
戻って、来てよ
康二
康二
このまま、助けなければ、れんは、
俺は、そのほうが怖くなって、暗くて冷たい海へ飛び込んだ。
蓮、どこだ、
ずっと探していると、蓮が来ていた白いシャツのようなものが見えた。
康二
康二
そこまで潜り、シャツをつかむ。
すると、蓮の体が浮かび上がってきた。
あとは、引き上げるだけだ。
でも、水で服が濡れて想像以上に重かった。
康二
康二
なんとか、蓮を岸に引き上げることができた。
康二
男性
男性
康二
男性
康二
蓮、そう呼ぼうとしたとき、俺は青ざめた。
蓮はとても青白い顔をしていて、体も冷たかった。
無我夢中で心臓マッサージを行った。
蓮の口から大量の水があふれ出てくるも、意識は戻らなかった。
神様、嘘だよな
嘘だと、言ってくれよ
蓮を、死なせないでくれ、
嘘だって、冗談だって、蓮、
いつもみたいに、「ドッキリ!」って、あの笑顔で言ってくれよ
蓮、死なないでよ、お願いだから。
神様、どうか、どうか、
蓮を、助けて___
そして、蓮は、救急車で運ばれた。
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コメント
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うわぁぁめめを助けてください…😭続き楽しみにしてます!
めめを助けてください🙏神様😭🖤 続き楽しみピーマンであります.ᐟ.ᐟ.ᐟ