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気が付けば、あおいは自宅のドアの前にいた。
鍵を開けて、靴を脱ぎ捨てて、そのまま自室に駆け込む。
あおい
鞄をベッドに放り捨て、制服も着替えず、あおいは頭の形にへこんだ枕を殴った。
あおい
あおい
あおい
とぼとぼと歩いていたのは幻(まぼろし)かと思うほど、あおいは激しく苛立(いらだ)っていた。 枕(まくら)を殴りつけては、顔を埋めて唸(うな)る様は、野生動物のようでもある。
この様子からもわかる通り、 あおいは反省などしていない。
進路指導室での惨(みじ)めな様子は、こうすれば許してもらえるだろう、という浅はかな考えの発露(はつろ)。 山口先生の前でしおらしく泣いていたのも、その場しのぎ。
自分が惨めな様子の黄実花を見て、満足していたのだから、きっと自分だって許されるはず。そう思っての事だった。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
望岡きなこ?
ユーザー
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あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
しかし……
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
ユーザー
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ユーザー
ユーザー
ユーザー
あおい
あおい
ユーザー
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あおい
ユーザー
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
ユーザー
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あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
ユーザー
ユーザー
ユーザー
あおい
あおい
あおい
あおい
その後もあおいは、あれこれ理由をつけてはアカウントを作り直していた。
あちこちのサイトで、何度も、何度も。
しかし誰も、あおいの新たな門出を、祝福する者はいなかった。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおいは震える指で、望岡きなこのXYZのアカウントを開く。
虚(うつ)ろな目でその画面を見つめるあおいの目の先には、一枚の画像が載(の)っていた。
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
開いた画像は、これまで見てきた作品のどれよりも、華々しい色使いのイラストだった。
色とりどりの花で飾り付けられた布の上には、『Thanks a million!』と筆記体で書かれた白いカードが置かれている。
そしてそのカードの上には、2つのピースサインの影が映り込んでいる。 望岡きなこの『中の人』とも言うべき、黄実花と黄与花を意識しているのだろう。
奥歯を噛み締めるあおいの前で、スポン、と新しい投稿が現れる。
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
望岡きなこ
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
負 け た
直感的にそう思う程、望岡きなこ――黄実花と黄与花の未来は、光に満ち溢れていた。
進路も決まり、クリエイターとして社会で認められ、必要とされる2人。
一方、あおいは誰からも遠巻(とおま)きにされ、将来どころか現在の風向きすら分からない。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
だが、なりすましの代償(だいしょう)は、あおいの身体そのものにも及んでいたのである。
あおい
あおい
あおい
あおいは望岡きなこのなりすましに熱中するあまり、自分の創作活動を疎(おろそ)かにしていた。
技術は筋肉とおなじ、使わなくては衰(おとろ)える。 それが約1ヶ月も続いたのだから、あおいの体が線の引き方すら忘れるのは当然の事。
あおい
あおい
人の名前で楽に承認欲求を満たそうとした代償は、 『本来の実力を失い、創作そのものができなくなる』こと。
それは見方によれば、金以上に価値あるものの損失と言えよう。
黄実花
黄与花
2人の声が聞こえたような気がして、あおいは――
あおい
あおい
あおい
笑うばかりであった。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおいは笑う。狂ったように笑う。
その頬には、一筋の涙が静かに伝っていた。
果たしてそれが、約束を果たせない苦しみから来る物なのか、罪悪感の現れなのかは――
呵(わら)う 本人だけが知る。