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決定的な敗北を知った翌日。
ベッドの上には、壊れた人形のようにピクリとも動かないあおいがいた。
あおい
机の上はバリバリに破かれたスケッチブックと、シャープペンシルの折れた跡、消しカスが小山を作っている。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
睡魔から来る怠(だる)い脱力感の中、あおいの思考は未だ、失った物に囚われていた。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
スマホを放り投げたあおいは、スクールバッグの中身を床へとぶちまける。
ガシャガシャと音を立てて、教科書も文房具も、全てがゴミ箱の中に消えていく。
中にはあの時2人で買ったリップグロスも混じっていたが、興奮しているあおいは気付かない。
あおい
あおい
そうして、扉を開けた時だった。
あおい
あおい母
あおい母
あおい
あおい
あおい母
あおい母
あおい
あおい
あおい母
あおい母
あおい
あおい母
その目は、有無を言わさぬ迫力があった。
どれだけ怒鳴ろうが、殴ろうが、この母親はあおいの声など聞かないだろう。
あおい
あおいは初めて、母の怒鳴り声を耳にすることなく、彼女の言葉に従った。
そうして連れられた場所に、あおいはいよいよ言葉を失った。
あおい
あおい
施設の人
あおいが連れられたのは、とある施設だった。
施設の人
あおい
施設の人
施設の人
あおい
あおい
施設の人
施設の人
あおい
あおい母
あおい母
あおい母
あおい
あおい母
施設の人
あおい母
あおい母
あおい母
施設の人
施設の人
施設の人
あおい母
施設の人
施設の人
こいつら、何言ってんの?
あおいは理解出来なかった。
母親に車で連れ出されたと思ったら、どことも分からない田舎町の、山に近い場所にある施設に連れて来られた。そこまではいい。
連れてこられた、その事実だけは理解できる。 ただ、急にここで暮らせと言われて、更生だとかなんだとかで、よく分からない事をされようとしているのは、理解出来なかった。
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい
あおい母
あおい母
あおい
あおい母
あおい
あおい
施設の人
施設の人
施設の人
あおい
あおい
施設の人
あおい
あおい母
あおい母
あおい母
あおい母
あおい母
あおい
あおい
あおい
あおい母
あおい
あおい母
あおい母
あおい母
あおい母
施設の人
あおい
あおい母
あおい母
あおい
あおい
あおい
施設へは抵抗むなしく連れて来られ、母親も去ってしまう。 大人の男性の力に勝てる訳もなく、あおいは腕の中でもがく事しか出来ない。
あおい
こうしてあおいは、着の身着のまま、施設での暮らしを余儀なくされたのである。
他者の栄光を掠(かす)め取ろうと、都合のいい物事しか見聞きしなかったあおい。
その末に待っていたのは、悪意も称賛も無い環境の中で、嫌でも自分と向き合う日々であった。
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
あおい不在のインターネット上には、相変わらず『望岡きなこのなりすまし』として、彼女アカウントが話題にされる事も時折見られた。
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
ユーザー
アカウントの全てが削除された今も、こうしてあおいの悪行は語られているのだ。
多くのユーザーから忌み嫌われた、という事実は、少なくとも数十年は存在し続けるだろう。
そして人々は語るのだ。 人の努力や成果を、名前ごと喰らおうとする『ナマズ』が出ないように、望岡きなこのなりすましをしたあおいの事を。
こうして、存在すら許してはならない、邪悪(じゃあく)な者として、あおいの存在はネットの海へと刻み込まれた。
鮮烈(せんれつ)に、そして惨酷(ざんこく)に。
Bad Catfish [完]
今回の表紙は、木立ひより様より、フリー素材をお借りして作成しています。
https://www.pixiv.net/artworks/107941121#big_8
完結までお付き合いくださり、 ありがとうございました。