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おひさしぶりです!!! 久しぶりに泣きました🥲🥲 私感動系あまり好きじゃなかったんですけど、まころさんのお陰で好きになれました🩷🩷
1話でこんな感動する話できるの尊敬します!! rnさんとnaさん♡♡♡たやつ許さん!
注意
・死を取り扱っていること。 ・一部ご本人様とはかけ離れた設定があること。 ・二次創作であること。
一話完結のため、長くなります。
本編
大切な人ほど、失った時の悲しみは はかりきれないもので
私にとって、とても大きいものだった。
et.
道路脇に置かれた無数の花々が 卑しいほどに香っている。
「ごめんね」なんて口をついて。
到底、ゆるされる訳もないのに____。
rn.
na.
et.
今思えば、あの日もいつもとなんら変わりない一日だ。
ただ遊びに行く約束をして それから____。
et.
rn.
駅まで着いた時 財布を持っていなかったとこに気がついた。
et.
na.
et.
二人はそれを言い訳に、私についてきてくれようとした。
私も嬉しかったし 「ありがとう」なんて言って受け入れた。
_____________________それが間違いだった。
et.
rn.
左手の親指を立ててグッドマークを作るrn。
それに続けて、naさんも「うんうん」と頷く。
et.
私がどれだけわがままを言っても 文句一つ言わずに付き合ってくれる。
私が私のままでいられる二人の隣が 大好きで仕方なかった。
na.
他愛もない会話をしていると 真正面から人が走ってくる姿が見えた。
慌てた様子で、私たちの横を突っ切っていく……
………と勘違いした。
ぐちゃ。
rn.
すぐ隣から、鈍い音がした。
rnの脇腹から、赤い液体がトクトクと流れて___。
na.
ただただ急いでいるだけの人だと思ったのに。
警戒しなかったのが間違いだった。
rn.
rnのお腹から銀色のナイフが抜き出されて
今度はnaさんに向けて_____________________。
et.
et.
恐怖で喉がつっかえた。
rnを庇う形で座っているnaさんは その恐怖に気がつく様子もなく。
na.
ぐちゅ。
naさんの背中から、血飛沫が上がる。
女性
周囲から悲鳴が聞こえる。 私は声も出すことができないのに。
男
男が軽く舌打ちをして、naさんの身体に ナイフを刺したまま逃げていく。
そこで意識がはっとした。
et.
et.
女性
私を手で押し退けて、叫んだ女性が 二人に駆け寄った。
rnは少し意識が朦朧としているようだ。
naさんは…………。
na.
背中から左胸をナイフが貫通して
_____________________即死だった。
女性
et.
女性
「私だって混乱しているんだ」なんて理由にならない。
スマホのロック画面が鬱陶しい。
et.
焦って他のアプリを押して。
流れてくる音楽がうざったくて。
et.
et.
沈黙のあとに、電話の向こう側が騒がしくなった。
この数秒間で、いち早く他の事務に状況を伝えてくれたのだろう。
et.
et.
ちゃんと喋れていただろうか。 声が震えている。
女性
いつの間にか、周囲に人ごみができていた。
スマホの録画画面を押した音
ヒソヒソと小声で話す人
間近で見ようと、押し寄せてくる人。
et.
そう言いたいのに。
rn.
et.
わずかながらに、息をしている。 か細い声で私を呼んでいる。
et.
rn.
et.
rn.
明らかに何かを伝えてくれているのに 途切れ途切れで聞き取れない。
rn.
et.
ぴー ぴー
サイレンの音が聞こえる。
段々と近づいてくる。
……でも、なんでだろう。
et.
rnはもう、助からない気がした。
結果的に、二人は助からなかった。
もう目を覚ますことはないし、一緒にカフェに行くこともない。
_____________________私が殺した。
私が二人を殺した。
et.
naさんのお母さんには、よくお世話になった。
rnと一緒にお泊まりして、美味しいご飯を出してくれた。
もう、この人が自分の娘の為にご飯を作ることはなくなった。
et.
naさんのお母さんは深々と頭を下げる。
ちがう
違うんです。
"私が"二人を殺した。
et.
私があの時、忘れ物なんかしていなければ。
二人は今も……生きていてくれたんだ。
et.
ぴっ
et.
et.
本当に、馬鹿馬鹿しい。
クズの"すっきり"のためだけに naさんとrnは殺されたの?
ていうか、なんで私生きてんの?
私も死ななきゃ、二人が救われないでしょ。
………ねぇ。
et.
et.
ごめん、お母さん。
ちょっとどころじゃないぐらい、遅くなるかもね。
海が青い。
et.
やっぱり私は臆病者だ。
二人みたいに、自分の腹を刺して死ねばいいのに。
わざわざ電車を降りてここまで来たんだ。
et.
もう疲れたんだ。
naさんとrnがいない未来を想像したら
そこは、私の居場所なのかって。
et.
私がいなくなったら、心配するだろうな。
お金もたくさんかかるし 意地でも見つけようとしてくれるだろうな。
連日連夜、眠れなくなってしまうだろうな。
et.
でもそれだけ、愛してくれてありがとう。
これが私の覚悟だ。
海の音が心地よかった。
この場所で死ねたら、どれだけ幸せなんだろう。
et.
夏なのに、すごく冷たかった。
……いや、夏だから冷たく感じるのか。
どんどん海に浸っていく。
膝まで海水が押し上げてきた時 少しだけの葛藤がめぐる。
et.
「死にたくない」と、思ってしまった。
「死なせてほしい」と同時に思った。
……もう、覚悟決めたんだろ。
……これでさよならだ。一回海に飛び込んで仕舞えば 全て終わるんだ。
et.
勢いよく駆け抜けた。
水圧に押しつぶされそうだったけど それでも走った。
et.
海水が胸あたりまで来ている。
あとは倒れ込むだけ。
et.
et.
膝をかくんと曲げて、海水と顔がゼロ距離に縮まった。
_____________________その時。
向こう側から、見覚えのある人が駆け寄ってきた。
ぐいっ
et.
私の腕を引っ張り上げて 鬼のような形相でこちらを見る。
et.
et.
私を救いあげたのは、naさんのお母さんと同様 いつもお世話になっていたrnのお母さんだった。
ぐっと私の手を握りしめ、海岸に誘導する。
et.
et.
海面が足元まで下がったと同時に rnのお母さんは動きを止めた。
et.
ばちんっ
et.
不意に、頬を手のひらで打たれた。
急なことで、状況を理解するのに時間がかかる。
et.
図星だった。
仕方がないだろう、実際に私が…。
et.
カッとなって大声をあげる。
rnのお母さんは、悲しそうに微笑んだ。
et.
et.
遠くの美空を眺めながら、そう言われた。
ぐっと手に力が籠っていて、震える声で。
悲痛な叫びが聞こえる。
et.
et.
「それはどう言う意味で?」を柔らかいニュアンスで聞いてみる。
rnのお母さんはふんわり微笑んだ。
et.
到底、私とrnが重なって見えるとは思えない。
外見は愚か、性格だって似ても似つかないのに。
rn.
いつも自信がなさそうで、下を向いてばかり。
先生
rn.
三者面談でも、いいお話を聞くことはなかった。
そんなrnが、いつからか人が変わったように笑って 明るくなった。
rn.
その時、はじめてrnが"お友達"の話をしてくれた。
rn.
"naさん"と"etちゃん。
6年生になって、その二人と仲良くなったらしい。
それからはもう、その二人のお友達のお話ばっかりで。
rn.
よく笑うし
よく話すし
下を向かなくなった。
et.
なにもできたことなんかしてない。
でも確かに、rnのお母さんは心の底から その事実が嬉しかったんだろう。
et.
声色が変わって、少し緊張感が走る。
et.
_______それは、確かにそうだけど。
_______それも、全部わかってるけど…。
et.
それはもちろん、生きたいに決まってる。
気づきたくなかった。
気づかないようにしてた。
et.
答えを出す…………。
最初からわかっていたじゃないか。
海に駆け込んだ時も、私の心臓は今までにないほど 鼓動してた。
死ぬ間際に自分に歯止めがかかったのも
溺れ死ぬ苦しさが怖かったから。
et.
本当に、言ってしまっていいのだろうか。
私は_____________________。
et.
生きたかったんだ。
et.
解放されたような気がした。
鍵をかけたのは自分なのに。
結局は、そう言って欲しかったんだ。
「生きていい」って証明して欲しかった。
et.
et.
et.
家に帰って聞いた母の声が、いつもより温かい。
rn、いまならわかるよ。
あの時rnは
et.
rn.
rn.
「etちゃん」
「気に病まないで」
rn.
『生きて』
そう、言ってくれたんだよね。
et.
今でも二人のことを思い出せば 死にたいって衝動に陥ってしまう。
でもね
rnが「生きて」って言ってくれたから
naさんの温かさを思い出すから
et.
「頑張ろう」って思えます。
消えたい私の心臓が
今日も
明日も
これからも
ずっと絶えず、鼓動している。
『消えたい私の心臓が。』
end