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極強魔法使いとただの人間

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極強魔法使いとただの人間

1 - 理不尽な鈴の家族たち

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2023年05月01日

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白雪 鈴

…ただいま

帰りたくもない家に帰る鈴(スズ)。

白雪 沙羅

きゃははっ、もう、萌音(モネ)、やめてよぉ〜

白雪 鈴

……

七海 萌音

いやっ、沙羅(サラ)が面白いんだよぉ!意味不!やばみ!!!

妹の部屋からは友達を入れているのかうるさい声が聞こえる。

白雪 鈴

(全く、今日も今日とて言えない。だって言ったらどうなるか分からないんだもの。)

鈴の家庭は尋常ではない。 鈴以外の家族はみな「魔法界」での1番上の階級にいる。 だがしかし鈴は人間界から何故かコロりと来た魔法もなにも使えないただの人間なのだ。そして鈴は、この家庭に拾われた。

白雪 鈴

まあ、拾ってくれるだけ有難いのかなぁ。

白雪 鈴

……お母様?

白雪 結衣

帰ったのね。

白雪 鈴

はい。ただいま帰りました。
…ところで沙羅様は、お友達の萌音様を連れているのですか?

今更ながら何故妹に様付けしないといけないのかと鈴は思う。 まぁ、それも階級が全然違うから仕方ないのだけれど

白雪 結衣

は?見て分からない?

白雪 沙羅

ままぁ〜、オレンジジュース頂戴〜

白雪 結衣

あっ、沙羅ちゃん。いいわよ、そこからとっていってね

白雪 沙羅

ありがとうまま!大好きー!

白雪 結衣

ふふっ、私も大好きよ、沙羅ちゃんの事。

その後沙羅はにっこりと笑い、再び階段を上っていく。

白雪 鈴

……

白雪 結衣

はぁ…。貴方も少しは魔法のことについて勉強したらどうなの?

している。鈴はそこら辺の魔法使いよりも魔法について勉強をしている。

白雪 鈴

っ…!していますっ!!

つい大声を張り上げてしまう鈴。

白雪 結衣

うるさい!

ボワッ!!!

白雪 鈴

きゃっ、熱い…!

突然鈴の体に50℃くらいの炎が巻き付く。 これは母、結衣(ユイ)の魔法だ。 彼女はこれはお仕置程度にしか思っていないと思うが、人間である鈴には分からない。 熱すぎる。

白雪 鈴

おっ、お母様…!

白雪 結衣

暫くそのままでいなさい。

なんという苦痛。 暫くそのままでいろ。 鈴は耐えられるのだろうか? 妖怪でも魔法使いでもなんでもない鈴に。50℃の炎に。

白雪 雫

ちょっ、お母さん?!辞めてよ!

鈴、沙羅の姉の雫(シズク)がそう言うと同時に、突然辺りが金色に光り、その後直ぐにおさまった。

白雪 結衣

雫ちゃん…?なんでその子を助けるの?その子は悪いことをしたのよ。

白雪 雫

何が悪い事なの?あたしずっと見てたけど、聞いただけじゃない。それが悪いことって、なんなの?沙羅の時は喜んで答えるくせに…!もうちょっと鈴の事も大切にしてあげてよ!

なんと優しい姉なのだろうか。 果たしてこんな姉が世界中にいるのかと鈴は思う。

白雪 鈴

お姉様…!

白雪 結衣

雫ちゃんに近づくな!

白雪 鈴

っ!

再び鈴の体が炎で包まれる。

白雪 結衣

雫ちゃんに触れていいのはあんた除いての家族だけよ。

その言葉がどれだけ鈴を傷つけただろう。 結衣はなにも気づかない。

白雪 雫

あぁもう、お母さん!

また雫の光で辺りが包まれる。 だが今回は光がおさまった後、結衣が倒れていたのだ。

白雪 鈴

えっ…えぇ、?

さすがの鈴も状況をよく飲み込めない。

白雪 雫

ごめんね鈴。大丈夫?痛かったでしょう。すぐに手当してあげるから、こっちに来なさい。

白雪 鈴

えっ…あ、はい…

お姉様は謝らなくていい、謝るべきなのはあの母親だと鈴は思うも、雫も結衣の娘だ。ある程度は好きでいるはずだ。鈴とは状況が違う。なのでこれを言ってしまえば雫は傷つくかもしれないと鈴は思い、言葉を喉にしまう。

白雪 雫

入って。

白雪 鈴

こっ、ここがお姉様の部屋…初めて来ました…

鈴は初めて入る姉の部屋のボーイッシュさに少し戸惑いを覚える。

白雪 雫

ん?あぁ、確かそうだったわね。沙羅とかお母さんはしょっちょう入れてたからこんがらがっちゃったわ…いや、入れてたと言うより勝手に入ってきてたんだけど。

大丈夫か妹と母は。と鈴は思ってしまう。

白雪 雫

これが救急箱よ。ちょっと待ってね…あたし、攻撃魔法は学校でも1位なんだけど、回復魔法はちょっとね…失敗するかもしれないから、救急箱でやらせてもらうわね。

白雪 鈴

ありがとうございます…

きっとあの母だったらそのまま未完全の回復魔法を放つだろう。 いやそもそも鈴を助けようとはしないはずだが。

白雪 沙羅

ここが雫姉ちゃんの部屋よ!

七海 萌音

わーっ!男の子みたいなお部屋だねー!

鈴&雫

っ!!!

白雪 雫

ちょっ…2人とも何してるの?勝手にあたしの部屋に入らないでくれる?

雫は手で救急箱を隠すように後ろへ回す。

白雪 沙羅

えぇ〜?ちょっとくらいいいじゃん、雫姉ちゃん。今さらと萌音ちゃんでルームツアーしてるから!

七海 萌音

沙羅の家、豪邸すぎませんか雫さん!!

白雪 雫

あたしと鈴の家でもあるんだけど…まぁ、そうだね…

雫は早くどいて欲しいなと2人に訴えかけるような目を向けるが、逆効果だった。

白雪 沙羅

えぇ〜!雫姉ちゃんったらさら達にもう少しここにいて欲しいの?いいよ〜!かわいいね、雫姉ちゃんも!

七海 萌音

かわいい〜!

まさかの2人は雫の部屋の床に正座したのだ。

白雪 鈴

ちょ…あの、沙羅様、萌音様。お願いですので、お姉様のお部屋からお退き頂けませんか?

まぁ私が言っても何の役にも立たないだろうと思いつつも鈴は言う。 少しでも姉の役に立ちたいから。

白雪 沙羅

はぁ〜?底辺がなに偉そうにさら達に指図しちゃってんのよ。気色悪い。萌音ちゃん、やっぱり行こう。

七海 萌音

えっ、うん!わかった!

沙羅と萌音は響くと思っていなかった鈴の言葉に雫の部屋を後にした。

白雪 鈴

えっ…まさか本当に行ってくれるなんて…

鈴自身も驚きだ。 今まで何を言ってもあの妹の心には響かなかったと言うのに。

白雪 雫

珍しいわねぇ、あの沙羅が。
もしかしたらなにか企んでるのかもよ。気をつけな。

雫はそう言って鈴の怪我の手当を始めたー

続く

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