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夕方
面会時間が終わる
百鬼大我
猫咲波久礼
並木度薫
一ノ瀬四季
並木度薫
一ノ瀬四季
久しぶりに穏やかだった病室
みんなが帰っていく
ドアが閉まる
その瞬間
四季の笑顔が少しだけ薄れた
一ノ瀬四季
静かだ
さっきまであんなに騒がしかったのに
静かすぎる
ベッドへ腰掛ける
窓の外を見る
もう夜だった
ブルルッ
スマホが震える
隊長
四季は数秒見つめる
そして
でない
画面を伏せる
ブルルッ
また鳴る
ブルルッ
また
ブルルッ
また
一ノ瀬四季
四季は動かない
だが
着信は止まらない
10件
15件
20件
まるで
出るまで終わらないといわんばかりに
そして
30件目
四季は諦めた
通話ボタンを押す
一ノ瀬四季
隊長
隊長の声
いつもどうり
いや
いつも以上に機嫌が良さそうだった
隊長
四季の動きが止まる
一ノ瀬四季
隊長
隊長が笑う
隊長
一ノ瀬四季
隊長
四季は少し違和感を覚える
隊長がこんなことを言うのは珍しい
だが
次の瞬間
その違和感は正解だったときずく
隊長
隊長
一ノ瀬四季
隊長
胸が嫌な音を立てた
一ノ瀬四季
隊長
一ノ瀬四季
隊長
四季の指先が微かに震える
隊長
通話が切れた
四季はスマホを見つめる
何も言わない
何も
言わない
だが
さっきまで楽しかった記憶が
少しずつ色を失っていく
トランプ
笑い声
大我の悲鳴
全部
頭の中で隊長の声に上書きされる
隊長
一ノ瀬四季
誰にも聞こえない声
自分に言い聞かせるような声
一ノ瀬四季
そう言う
だが
心の奥では
少しだけ
本当に少しだけ
そう思えなくなっていた
翌日
朝
病室のドアが空く
並木度薫
薫だ
後ろには紫苑たちもいる
だが
病室に入った瞬間
全員の足が止まった
四季は笑っている
いつもどうり
だが
ベッドの横のテーブル
そこには
隊長からの不在着信
72件
画面いっぱいに並んでいた
そして
数字を見た瞬間
普段笑っている薫の表情から笑みが消えた
並木度薫
誰も続きを言えない
四季だけが
一ノ瀬四季
そう笑った
その笑顔が
今までで1番痛々しかった
コメント
3件
くたばれや隊長
一気読みさせていただきました❕✨ 四季くんの今までで一番痛々しい笑顔を想像するともう、、😭 続きが楽しみです❕😌
第14話読んだよ……。面会後の静けさと、鳴り止まない着信の対比がすごく効いてた。隊長の「お前がいれば防げたかも」って言葉、四季が違うって否定しようとするのに心の奥で揺れる感じ、めちゃくちゃ胸に刺さるわ。ラストの72件の不在着信と、薫の笑顔が消えるところ、あれだけで状況が全部伝わってくるのが上手い。この笑顔が痛々しいって描写、まじでその通りだと思った。続きが気になる…!