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昔から僕の家には誰かがいる
不思議な事にこの前引っ越したのにまたその引っ越し先にそいつはいた
何でいるのかはわからない
でも何故か怖いなどといった感情を抱く事はなく
こちらには危害は及ぼさないし
むしろ家族のような感覚だった
しかも僕はそいつとむちゃくちゃ気が合うんだ
顔立ちも、趣味も、あらゆる事が僕に似ている
僕はそいつが大好きだった
でも母親は僕がそいつと仲良くしてるのをあまりよく思っていないらしい
タチの悪いことに、僕がそいつと喋ってる時に限って話しかけてくる
そして遠回しにやめて欲しそうにしている
正直言ってやめて欲しいのはこっちの方だ
確かにうちにいることはおかしい事だけど、別に危害も加えて来る様子もないしむしろ一緒にいて楽しい
僕は僕たちの空間を邪魔する母親を心底嫌いだ
・・・数日経ったある日・・・
僕は朝起きていつもの様にそいつの元へ行った
でもそいつのいた通路は消えていた
疑問に思った僕は不安になり母親に何故か聞くと
母親は「あの子はもういないの」と言った
その瞬間、僕はあいつと会わせないようにした母親に対し、とてつもない憎しみが湧いて来た
・・・
・・・
気づくと僕は正気を失っていたらしい
暴れ回り家具が散乱している
人間本気で怒るとわからないもんだ
自分で言うのも何だが、僕は温厚な性格でここまでなったのは初めてだ
とりあえず頭を冷そう、と洗面所に向かった
そしたら、洗面所にそいつはいたんだ
でも何か様子がおかしい
と言うより異様だ
そいつはまるで返り血を浴びたかの様に血まみれで
片手には血の付いた包丁を持っていた
僕は初めてそいつに恐怖を感じた
だが襲って来る様子はない
ただ硬直している僕をじっと見ている
恐怖でどうにかなりそうだった
硬直が解けた瞬間、僕は家を猛スピードで飛び出して近所の交番に助けを求めた
しかし
僕が交番の自動ドアの前に立った時
そいつはすでに交番の中にいた
そりゃあ警察官も驚いた顔をしていたよ
そしてまたガラス扉越しにそいつは僕の事をじっと見てる
僕よりも先に交番に着くなんてね、正直奴を見た時は心臓が飛び出るかとおもったよ
でももう安心だ。
こっちには心強い警察官がいるんだから
解答に続く…
【解答】
これは主人公と謎の人物についての物語、ではなく 主人公は鏡に映った自分を自分と認識しておらず自分ではない「そいつ」と言った認識をしています そして文中にあった「そいつのいた通路は消えていた」と言う文章の部分は本当に通路があったわけではなく、主人公は鏡をそいつのいる通路だと思い込んでおり、母親がそこに置いてある鏡を取り除いてしまったからです そして主人公は母親に憎しみを抱き記憶が飛ぶほどに正気を失って 洗面所に行くと血まみれになったそいつがいた。 つまり主人公は正気を失っている間に母親を包丁で殺害したと言う事です。 その後はその姿で交番に…