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…効いてるだろうか?

…心拍は…まだあるか…。

誰かの声がする、 この声きっとあのお兄さんのだ。

どこにいるんだろう、 声は…近いのに…暗くて…

効果を…めて 確実にしなければ…

…ここで必ずし……しな…と… ……ため…

…声がだんだん遠く…なっていく。

……に…ねるといい…

…せめて、 ……な…を………

第69話

『望むのは…』

猫船

…うーん…

猫船

(頭痛い…)

猫船

(身体もちょっとピリピリする…)

猫船

…あッ!?

猫船は起き上がり、 慌てて辺りを見渡した。

猫船

(あれ私、
寝ちゃってた!?)

猫船

(あの施設のお兄さんは…)

猫船

(あれ、ここはどこ?!)

猫船

(また知らない場所に…)

猫船

…あれ、ここって…

猫船

(…私の家の和室だ。)

猫船

(確か私、
施設にいたよね?)

猫船

(それにこの感じ
昔のだ…)

猫船

(確かおばあちゃんが
まだ生きてた時の…)

ギシッ

猫船

ッ!?

猫船

(後ろに誰かいるッ!?)

猫船は慌てて振り返り、 腰にある双剣を取りだし構える。

猫船

……え、

振り返るとそこには 1人の女性が静かに立っており こちらを見ている。

……。

猫船

…お母さん?

猫船

ふんふ~ん♪

疲れてない?

猫船

うん、つかれてない!

猫船

おかあさんと
あるくのたのしい!

そう。

桜の母親 猫船 静美(ねこぶね しずみ)

猫船

おかあさん、
きょうはどこにいくの?

静美

…今からね、
お母さんの親戚に
会いに行くの。

静美

もうすぐつくからね。

猫船

はーい!

静美

こんにちは、
失礼致します。

猫船

おじゃまします~!

…あぁ、遠くから
よく来たね。

静美

お久しぶりです、
ソティラ様。

猫船

ん?

ソティラ

遠い所からここまで
申し訳ないね。

ソティラ

私がそちらへ行けたら
よかったんだけど…

猫船

(おかお、
かくれてて
みえない…。)

この子は君の娘?

静美

えぇ、そうです。

あら〜、可愛い~♡

お嬢ちゃん、お名前は?

猫船

わたし、
さくら!

可愛らしい名前だね。

猫船

おねえちゃんはだれ?

ソティラ

私は
君の遠い親戚に
あたる者。

ソティラ

周りには
ソティラと
呼ばれている。

白鳥の大魔法使い ソティラ

猫船

ソチラ?

ソティラ

ソティラ。

猫船

ソチ…ソテラ?

ソティラ

難しい呼び方だよね。

ソティラ

まぁ、簡単に
おばあちゃんって
呼んでくれていいよ。

静美

それは…

ソティラ

いいよ、私にとっては
孫みたいな感じだからね~。

猫船

おばあちゃん??

ソティラ

うん、おばあちゃん。

猫船

……。

ソティラ

…ん、どうした??

猫船

おねえちゃんだよ??

ソティラ

ん??

猫船

だって、
おばあちゃんって
しわしわしてるでしょ?

猫船

おねえちゃんは
しわしわしてない!

ソティラ

…あー、確かに…

ソティラ

私はそのね…、
見た目があまり
変わらないんだよ。

ソティラ

魔法使いだし…

猫船

まほうつかいっ!?

ソティラ

ほら、君の
お母さんも
こうみえて結構…

猫船

おばあちゃん
まほうつかえるの!?

ソティラ

使えるよ。

猫船

みせてみせてっ!!

猫船

(みたい!)

ソティラ

あぁ、いいよ。

ポワッ

ソティラ

…聖炎(ホリーフレイム)

ボワッ

猫船

うわぁ~、すごい!!

ソティラ

他にも色々できるよ。

ソティラ

何せ、何百年も
私は魔法本を
扱って来たからね。

ソティラ

見なくとも詠唱1つで…

猫船

わたしもつかえるよ!

ソティラ

ん?

静美

桜、シー…

猫船

あ、シー…

猫船

(ひとにいっちゃ
だめだった。)

ソティラ

相談はその事かな?

静美

はい…。

静美

今は夫が魔法で
感知されないように
してくれてますが…

ソティラ

桜ちゃん、
手貸して。

猫船

うん。

猫船

(なにしてるんだろう?)

ソティラ

…確かに魔法で
隠さないと狙われ
やすいだろう。

ソティラ

桜ちゃんの魔法
見せてくれない?

ソティラ

おばあちゃん、
見たいな~。

猫船

えっと…
おかあさんやっていい?

静美

いいよ、
でもゆっくりだし…

猫船

えい!

ポワッ

チャリリリッ!!

ソティラ

ッ!

猫船

わわっ!

猫船

(つよくだしすぎた!)

猫船

(うわっ、からだに
からまっちゃ…!)

ドタンッ!

静美

あらら…また…

猫船

わぁ〜、おかあさん
うごけないぃ~!!

猫船

たすけてぇ~~!!

ソティラ

…ハハハッ、
使うのは慣れてないか。

その日から おばあちゃんと 住む事になった。

理由は分からないけど、 魔法を上手く扱えないから おばあちゃんと1週間 練習する事になった。

…どうでしょうか?

ソティラ

あー、なるほど。

ソティラ

聞きたいんだが、
君の家の敷地に最近、
池を土で埋めたか?

はい、しました。

ソティラ

その池、一匹の精霊の
住処だったみたいだ。

ソティラ

住む所が勝手に土に
埋まってしまって
かなり怒っている。

ソティラ

このままでは
畑荒らしだけでは
すまないだろう。

ソティラ

池を戻すか…もしくは
別の住処を作るかだね。

ソティラ

とりあえず、
謝まるのが先だね。

猫船

……。

おばあちゃんの家には 時々、知らない人が 訪れる。

着物を着た人や 耳の長い人、変わった髪の人…

そうしてみます、
ありがとうございました。

ソティラ

あぁ、また連絡をくれ。

バタン…

猫船

……。

ソティラ

…ん、遊ぶ?

猫船

おばあちゃんの
おしごとは
うらないするひと?

ソティラ

人助けの仕事だね。

猫船

ひとたすけ?

ソティラ

困っている人を
助ける事だよ。

ソティラ

魔法使いは特別に
神から力を与えられた
強い存在だ。

ソティラ

力があるから、
困っている者を助け、
幸せを支えたい。

ソティラ

まぁ、全ての者を
とは難しいがな…

猫船

私もおばあちゃん
みたいになれる?

ソティラ

なれるよ。

ソティラ

まぁ、多くの魔法を
使いたいならあれを
一通り読まないとね。

ソティラ

30年ぐらいで…

猫船

もじばっかりのほん
つまんない~。

ソティラ

ハハッ、だろうね~。

猫船

おるすばん、やだぁ~~!!

猫船

おかあさんといく~~!!

静美

…駄目よ、
今日はここにいて。

猫船

やぁ〜だぁ~~~!!

猫船

おかあさんと
いっしょがいい~~!

猫船

はなれるのやだぁ~~~~!!

ソティラ

……。

静美

…ソティラ様、
桜をお願いします。

ソティラ

…分かった。

猫船

わぁぁぁんっ!!

親戚の集まりがあって 私はおばあちゃん家に 留守番させられた。

一緒に行きたいと言っても その日は了承してくれなかった。

猫船

…おかあさん、まだ?

ソティラ

…もうすこしさ。

猫船

わたしもいきたかった…。

ソティラ

桜まだ小さいからね。

ソティラ

行ったとて、
お話ばかりで
つまんないと感じる。

猫船

むぅっ…

猫船

(おかあさんとなら
つまんなくないもん。)

ソティラ

…ごめんよ。

猫船

ん?

ソティラ

君の意見を無視して
勝手な事をした。

ソティラ

一緒にいきたかった
だろう。

猫船

うん、いきたかった…。

ソティラ

……。

猫船

(…おばあちゃん、
いつもよりげんきない。)

猫船

(どうしてだろう?)

猫船

(さくらがわがまま
いうから?)

猫船

(えっと…)

猫船

で、でもっ、
わたしへいきだよ!

猫船

わたし、はやく
おおきくなる!

猫船

おおきくなったら、
しゅうかいにいけるでしょ?

猫船

それで、おかあさんと
いっしょにいく!

猫船

おばあちゃんもいっしょに
いこうね!

ソティラ

……。

おばあちゃんと一緒に お母さんが帰ってくるのを 待ってた。

夜中になっても 寝ないでずっと待ってた。

でも、帰ってきた お母さんは遺体だった。

お母さんは向かった集会所の 火災事故に巻き込まれて… 亡くなった。

猫船

…どうして
ここにいるの?

猫船

お母さんは
死んじゃったでしょ?

…ごめんね、
寂しかった?

猫船

…うん、
寂しかったんだよ。

猫船

あの日、
お母さんが帰ってくるの
ずっと待ってたのに…

……。

猫船

お母さんの顔、
見たのはあれが
最後だったんだ。

猫船

酷い状態だから
見たら駄目だって
言われてね、

……。

猫船

あの時、
泣いて我儘言わないで
見送れば良かった。

猫船

…行ってらっしゃいを
ちゃんと言えば
よかったって…

猫船

いや、行くのを必死に
止めれば良かったのかな?

猫船

行かなければ、
お母さんは死ななかった
よね?

……。

猫船

…おばあちゃんも
そっちにいるの?

えぇ、いるわ。

猫船

…私ね、おばあちゃんの
死に顔もね、
見れなかったの。

猫船

私に報せが来た時には
葬式が済んで既に
火葬されてて…

猫船

おばあちゃんの顔、
最後に見たかったのに…

そう。

猫船

(いいな…)

猫船

(…私もそっちに
行きたいよ…。)

猫船

(…きっと、楽しいよね。)

猫船

(お母さん達いるから
ひとりじゃないし…
寂しくない…)

猫船

(一緒に行けば、
もう辛い思いもしない…)

こっちに来たら、 いいんじゃない?

無理して頑張ったって 辛いだけでしょ?

猫船

(…そうだね。)

猫船

(頑張る必要なんて
もうないよね?)

猫船

お母さん、
私も一緒に…

猫船

……。

猫船

…一緒に…。

猫船

……。

猫船

(…すぐ終わるのかな、
怖い…でも…)

猫船

ふぅ…

ガチャンッ

猫船

ッ!?

2年前の夜中の 2時ぐらいかな。

扉の音がして、 慌てて振り向くと 夜桜と目が合った。

夜桜

…なぜ起きてる?

猫船

え、えっと…
ひ、紐の丈夫さの点検!!

猫船

何かあった時に
ちゃんと使えるの
かなって…えへへ…

夜桜

……。

猫船

(…誤魔化せたかな?)

猫船

…え…ちょっと待って!?

あの時は凄い驚いた。 手首当たりから結構な血が 出てたから…

猫船

ど、どうしたのっ、
ちち血が出てるよっ!?!?

夜桜

…はぁ…

ガシッ!

猫船

…びょ、病院っ!!

夜桜

これぐらいどうって事は…

猫船

駄目だよっ
凄い出てるから!!

夜桜

行かん。

猫船

駄目っ、行こう!

夜桜

絶対行かん!

夜桜

おいっ、手を引っ張るな!

猫船

行くの~~~~!!

夜桜

行かんっ、離せ!!

病院に連れていくの 大変だった。

私より力強いから 引っ張ってもびくとも 動かないし、話を聞かないし…

夜桜

いい加減しろっ!!

ドンッ!

猫船

ガタンッ!

夜桜

ッ!

猫船

痛た…

猫船

(頭打った…)

ポタッ…

猫船

(あ、血…)

夜桜と引っ張り合いを してたら、引っ張っられた時に 飛んじゃって…

物にぶつかって 私も軽く頭を切っちゃったんだ。

それでようやく 夜桜が行く気にやって 病院に行けたんだ。

猫船

…病院遅くまで
やってて良かったね。

夜桜

…はぁ…

猫船

静かで
大丈夫だったでしょ?

夜桜

…まぁな。

猫船

(竜宮先生は夜も
働いてるのかな?)

猫船

(夜なら静かだから
診療所通えるかも…)

夜桜

…すまない。

猫船

え?

夜桜

怪我するとは
思わなかった…。

猫船

(あぁ、さっきの事。)

猫船

軽く掠った
だけだから
全然大丈夫!

夜桜

……。

猫船

…えっと…腕のは
前からやったの?

猫船

お医者さんが
最近のもあるって…
言ってた。

夜桜

…そうだな。

猫船

何でやったの?

夜桜

…細長いくて
カチカチって音
する道具。

猫船

あっ、カッター!?

猫船

(なくなったの
全然気づかなかった…)

猫船

と、とにかく
もうしちゃ駄目だよ?

猫船

家ついたら、
そのカッターは
私に渡してね!

夜桜

……。

猫船

(カッター見つからない
場所に隠しておこう。)

猫船

(他の刃物も
隠しておいた方が
いいかな?)

夜桜

…お前、死にたいのか?

猫船

え?

夜桜

縄の点検と言ってたが、
あれだろ…吊るやつ…

猫船

(…ばれちゃった。)

夜桜

理由はなんだ?

猫船

……。

猫船

…おばあちゃん、
亡くなったんだ。

夜桜

ん?

猫船

だいぶ前に、
ソティラって
名前の人に会いに
行ったでしょ?

猫船

1週間前に
衰弱死で亡くなったん
だって…

猫船

今日、おばあちゃんの
知り合いの人から
手紙が届いてたんだ。

夜桜

…あいつが、か?

猫船

葬式とかは…
その人に頼んだで
済ませたみたい…

猫船

…おばあちゃんは
死に顔見られたく
なかっからって…

猫船

私は…最後に
見たかったのに…

夜桜

……。

猫船

…どうしたらいいか
分からなくなったんだ…

猫船

それに、思い出すと
寂しいし…胸が
苦しくてしんどいの…

猫船

…一生こんな
思いするなら、
死んだ方が楽に
なるのかなって…

猫船

それに、お母さんにも
おばあちゃんにも会えるから…

夜桜

…会えた所で
喜ぶと思うか?

猫船

え?

夜桜

お前が悲しむように
あいつも
悲しむじゃないか?

夜桜

あいつもお前を
今まで大切に
してたんだろう。

猫船

……。

猫船

(…確かに
そうかもしれない。)

猫船

(でも、それでも
一人は寂しいよ。)

夜桜

散々人の自殺を
止める癖に自分は
いいんだな。

猫船

うっ

猫船

(考えると確かに…)

猫船

(…でも、夜桜さんが
死んじゃうの嫌だもん。)

夜桜

…だが、少し
分かった気もする。

猫船

(分かった?)

夜桜

…俺はお前に
死んでほしくない
と思ってる。

猫船

え?

他人に無関心だったから 言われた時は驚いた。

猫船

えっと、夜桜が?

夜桜

まぁ、言っても
響かんだろう。

夜桜

俺がそうだからな。

夜桜

…ならば、
こうする。

夜桜

お前がこれから先、
生きるなら、

夜桜

その間、
俺も一緒に生きる。

猫船

ッ!

夜桜

ただ、死ぬのを
やめる訳ではないからな。

夜桜

一旦、
保留にするだけだ。

猫船

保留…

夜桜

…お前が死んだ後は
関係ないだろう。

猫船

そうだけど、
やっぱり最後まで
生きててほしいよ。

夜桜

…無理な話だ。

夜桜

だが、もし約束を
果たしたなら…
可能性はある。

猫船

約束って…

夜桜

忘れたならいい。

夜桜

とにかく、
俺はそうするからな。

夜桜

お前が死んだ後、
俺も死ぬ…以上だ。

その時の言葉は本当で 以降はする事はなくなった。

出会った時は食事や 処方された薬を一切口に しなかったけど、

それもちゃんと食べたり、 飲んだり規則正しい生活を するようになった。

今では家事はほとんど 夜桜がやってる。

私達が生きてるのは お互いに生かす為だった。

でも、今はどうかな?

それに 夜桜猫、青影君、闇桜、 診療所の先生達…

優しい人達に出会って、 楽しい日々を過ごしてる。

夜桜はどうかは 分からないけど、

私は別に 頑張って生きていない、 自然と生きている。

お母さんとおばあちゃんが いた頃のように…

猫船

(そう、楽しいんだ。)

猫船

(頑張らなくても
今の私は辛くない。)

桜?

猫船

…私も一緒に
お母さん達の所へ
って思ったんだ。

猫船

おばあちゃんが
死んだ時、
寂しかったから…

猫船

幸せな日々を
思い出す度に辛くて…
苦しかったから…

……。

猫船

でも、今は
まだ一緒に行けないや。

猫船

私ね、夜桜に
約束した事があるんだ。

猫船

ずっとうなされて、
苦しんでたから
助けたいって思って、

猫船

『楽しくて、
笑顔になれる日々を
作ってあげる。』って…

猫船

(昔の約束を
果たしたい。)

猫船

(これは破りたくない
気持ちだからじゃない。)

猫船

(夜桜と
約束した以上に今は…)

猫船

私は一緒に生きたい。

猫船

楽しい事も辛いことも
乗り越えて、

猫船

これから先、
人生が終わるまで
夜桜と、皆と生きたい。

…それが桜の答え?

猫船

うん。

……。

…それなら…

バキンッ!

猫船

ッ!

猫船

(…あれ、場所が…)

突如和室の景色が割れて消え、 白い光の空間が広がる。

猫船

(…どうなってるの?)

それなら…良かったわ。

猫船

お母さん、ここって…

猫船

ッ!

猫船は静美の方を見て驚く。

目の前の彼女の身体が 下から次第に 薄くなっていた。

…お別れみたいね。

猫船

お別れ?

あっちへ行くのよ。

また会えるか
分からないけれど…

猫船

……。

猫船

(…そっか、
またお別れか。)

桜が幸せに
生きててくれて
良かったわ。

お母さん、
それだけが心残り
だったから…

猫船

…お母さん、

静美は少し 寂しげに微笑む。

じゃあ…

猫船

お母さん、
ありがとうっ!

ッ!

猫船

お母さんと
一緒にいて幸せだった!

猫船

…私っ、お母さんの
分まで生きるからね!

桜…

猫船

後ね、おばあちゃんに
伝えておいてほしい!

猫船

私を育ててくれて
ありがとう!

猫船

私、おばあちゃんに
負けないくらい
立派な魔法使いに
なるって!

…それは楽しみね。

静美は嬉しそうに ニッコリ微笑む。

…でも、私から伝える
必要はないわ。

猫船

え?

トンッ

猫船

ッ!?

頭の上に何かが乗り、 撫でるような感覚がする。

ソティラ

…私の出番は
なかったみたいだね。

猫船

お、おばあちゃんっ!?

猫船

(いたんだっ!?)

ソティラ

最後まで近くで
見れなくてすまないな。

ソティラ

…君の様子、
上で見守ってるよ。

ソティラは猫船から離れ、 静美の方の隣で立つ。

ソティラ

じゃあ、行ってくるよ。

静美

元気でね。

猫船

(…これがどこか
分からないけど、
幻かもしれないけど…)

猫船

(それでも、いいや。)

猫船

うん、
行ってらっしゃい!

猫船はいつもの 元気な笑顔を見せ手を振る。

それを見て 微笑えみながら 手を振る静美とソティラ。

そして、二人は 静かに消えていった。

猫船

(やっと、ちゃんと
お見送りできた。)

猫船

(…私はどうしたら
元の場所に戻れるかな?)

…ザザッ…

猫船

ッ!

おい、…………か?

猫船

(…あっちで声がする。)

…ど……た?

下は…づいたか?

猫船

(この声、
あのお兄さんの…)

猫船

…よし、行こう!

ダッ!

猫船は決意を固め、 声のする方へと走って向かった。

夜猫依頼事務所~厄災の魔女~

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