飛遊 舞衣
『──ってことがあって……』

飛遊 舞衣
『ごめんね、一応片付けてきたよ。』

如月 幸斗
それ、父親放っておいていいやつなのか?

飛遊 舞衣
『わ、分かんないけど……』

飛遊 舞衣
『危険なものも特にないし大丈夫じゃないかな……?』

天塚 紬
とりあえず無事そうでよかった。

天塚 紬
んね!!!

如月 幸斗
はぁ……。

日宮城 神楽
てかてか、皆知ってた?

日宮城 神楽
RAINY_GLOWってバンドが新曲でランキング首位を独占してるとかいう話!

如月 幸斗
急に話変わるな……。

飛遊 舞衣
『あ、その話知ってるよ!』

飛遊 舞衣
『MIRAGEが競い合ってるんだってね!』

如月 幸斗
……それどこ情報だ?

飛遊 舞衣
『んー、覚えてない!』

飛遊 舞衣
『でも、何かのネットの記事で見たような……
見なかったような……。』

如月 幸斗
また随分と曖昧な……。

如月 幸斗
ま、ライバルが減るだけありがたいだろ。

天塚 紬
アタシ達がそのRAINY_GLOWと戦うかもしれないって可能性もあるんだけどね?

如月 幸斗
安心しろ、その時はぶっ潰す

飛遊 舞衣
『わお……。』

日宮城 神楽
それでこそゆきちゃん!

飛遊 舞衣
『確かにゆきちゃんらしいと言えばらしいけども……。』

昼ご飯を食べ終わりスマホをいじっている神楽。
何かを見つけたのか、突然あ、と声を出す。
日宮城 神楽
sky-highも結構大変みたいだね?

天塚 紬
わぁ……。

如月 幸斗
めっちゃ似てるな。

飛遊 舞衣
『でも、sky-highがそんなことするのかな……?』

如月 幸斗
ま、自分達のことなんだからあいつらが何とかするだろ。

天塚 紬
sky-highの作詞作曲……天月 芦愛さんと
白峰 ユウさんだっけ?

天塚 紬
あの2人が1番大変そうだね。

飛遊 舞衣
『ね……。』

如月 幸斗
バンド活動にはトラブルがつきものだからな。

如月 幸斗
それにあいつらも、これくらいで折れるほど弱い奴らじゃないだろ。

飛遊 舞衣
『解決するといいね。』

最近のバンドに関するニュースをチェックしながら、
そんな会話を交わす4人。
舞衣の父親の件はあれど、
平和な時間を過ごしていた──はずだった。
???
うおぉー!!!

???
こんな所にいたのかWonder・Undergroundー!

???
あれでも1人居ないな……まぁいいや。

飛遊 舞衣
『?』

飛遊 舞衣
『Wonder・Undergroundがどうしたんですかー?』

???
うわっいる!!

如月 幸斗
……誰?

天塚 紬
君はクラスメイトの……!

天塚 紬
クラスメイト、の……

天塚 紬
……誰だっけ?

???
いや忘れてんのかよ!!

???
ま、まぁいい……。
別にショックとかそんなんじゃないけどな。

斎藤
俺は斎藤だ。

斎藤
そう天塚、お前のクラスの!

如月 幸斗
(やかましい奴ばっかになったな……。)

如月 幸斗
……ってかそんなことはいいんだよ。

如月 幸斗
要件を言え。

斎藤
はい……。

斎藤
……お前達、Wonder・Undergroundにとあるイベントに出てほしいんだ。

斎藤
それは対バン方式のライブでな。

斎藤
本当は俺のバンドが出る予定だったんだが、
諸事情で出られなくなった。

日宮城 神楽
ライブ!

日宮城 神楽
しかも対バン方式の!!

如月 幸斗
落ち着け

如月 幸斗
……でも、本当にいいのか?

斎藤
何が?

如月 幸斗
俺達が出たら圧勝しちゃうぞ?

斎藤
あぁ!! 頼む!!
お前達がいいんだ!!

斎藤
これ日程だ! じゃあなー!

橋本は、イベントのフライヤーを1枚だけ置くと、
そのまま屋上を去っていった。
如月 幸斗
……嵐みたいな奴だったな

日宮城 神楽
何か変わってる人だったね。

如月 幸斗
お前も似たようなもんだろ。

日宮城 神楽
え、あの人俺ちゃんと似てる?

天塚 紬
うーん……。

飛遊 舞衣
『ノーコメント……。』

日宮城 神楽
え、そんなに似てる??

如月 幸斗
ま、それは置いておくとして……
対バン方式のイベントか。久しぶりだな。

飛遊 舞衣
『最近はあんまり出てなかったもんね、
対バン方式のライブとか。』

日宮城 神楽
てか、さっきのあの子バンドしてるの!?

日宮城 神楽
バンド名聞いときゃよかったー!

如月 幸斗
どうせ大したことねぇだろ。

日宮城 神楽
そんなこと言わずにさぁー!

日宮城 神楽
少なくとも俺ちゃんは気になるよ?

天塚 紬
うーん……。

天塚 紬
アタシ、同い年でバンド組んでるところなら、メンバー覚えてるつもりなんだけど……。

天塚 紬
新しく組んだばっかりなのかな?
今度バンド名聞いてみよっかな〜。

如月 幸斗
……あいつ、斎藤だったか。

如月 幸斗
随分変わった奴だな。

日宮城 神楽
変わってないとバンドやっていけないんじゃない?

飛遊 舞衣
『まぁ、バンドマンとか変わってる人多いもんね〜。』

如月 幸斗
軽音部の部員以外でもバンドやってる奴って思ったより多いんだな。

日宮城 神楽
憧れの対象ってこと?

日宮城 神楽
確かに誰でも1度はこういうの憧れるよねー!

飛遊 舞衣
『憧れの対象、でも蓋を開けると練習練習練習たまにライブ……。』

天塚 紬
アタシは好きだよ?
Wonder・Undergroundで居るの!

紬はにこにこと笑みを浮かべながらそう言う。
なぜか、その視線は幸斗に向いていた。
如月 幸斗
……え、何? 俺?

天塚 紬
だってメンバー集めたの幸斗だし〜。

天塚 紬
2人はどうなの?

飛遊 舞衣
『私も、Wonder・Undergroundが好きだよ!』

日宮城 神楽
俺ちゃんも〜!

如月 幸斗
……あっそ。

飛遊 舞衣
『それで、ゆきちゃんはどうなの?』

如月 幸斗
どうって……何が?

飛遊 舞衣
『Wonder・Undergroundが好きかどうかって話だよ〜!』

如月 幸斗
……別に、嫌いなんて言ってないだろ。

日宮城 神楽
あ、ゆきちゃんがデレた!

天塚 紬
わ〜わ〜!

如月 幸斗
……うるさい。

日宮城 神楽
ツンデレだぁー!

飛遊 舞衣
『え、生で聞きたかった……』

如月 幸斗
ここに俺の味方は居ないのか?
