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春 千 夜
夢 叶
春 千 夜
どこから取りだしたのか 救急箱を隣に置き
私の腕に消毒を掛ける
夢 叶
春 千 夜
夢 叶
どうも馬鹿らしい会話も
笑えるはずなのに 笑えなくなる
春 千 夜
夢 叶
夢 叶
夢 叶
そうやって 言葉を漏らした
夢 叶
夢 叶
春 千 夜
ぽつりと話し出した私に
黙って俯く上司
夢 叶
夢 叶
そんな貴方になら 言ってしまっていいかも
なんて考えて 語り始める
夢 叶
夢 叶
そう それは
花垣 夢花が 死んだ後の事
数年前
花垣家を出た後 私は
センパイを 頼りきる訳にも行かず
独りで温かみに欠ける 東京の夜を
彷徨う生活を続けていた
そんな日の事だった
夢 叶
その日 初めて触った
夢 叶
人の命を 容易く奪える代物に
夢 叶
夢 叶
関係ないとはいえ 一度拾った物
どうするべきか 悩んでいたその時
夢 叶
見回りでもしていたのか
どこからともなく 警察が現れた
夢 叶
一瞬 話すべきかと思った
でも
夢 叶
一縷の希望は 砂上の楼閣にすぎない
そんな事 ずっと前から知ってたから
夢 叶
警察の静止する声も 振り捨てて
私は夜の街を 駆け抜けた
無我夢中で走った先は
どうにも眩いネオン街
夢 叶
集る人々に むせるほど匂う香水
煌々と光る看板に 沢山の声
夢 叶
酔ってしまいそうな街に 吐き気を覚えつつ
どうにか人混みを 抜け出した
華やかな街を抜け しばらく歩くと
静かな佇まいの 神社があった
夢 叶
夢 叶
会いたい
そう口にしてしまえば きっと
後戻りしか 出来なくなる
夢 叶
本当に 馬鹿みたいな気分だ
君の手を取っておいて 今更悩んでる
夢 叶
冬じゃあるまい
吐き出したため息が 白くなる訳もなく
夏の残り香のする 暑さの中
バン ッ
夢 叶
そんな残暑も 切り裂くように
それは 音を立てた
好奇心と探究心が 何故か心を覆って
私を音のなった方へ おびき寄せた
夢 叶
音の出処は 神社の裏の廃工場らしい
息を殺して忍び足で ゆっくりと中に入ると
そこには
夢 叶
赤い水溜まりの上に 転がるヒトと
それを蹴り飛ばす 銃を持った男
夢 叶
銃
銃?
じゃあさっきのは銃声?
夢 叶
糸の切れた マリオネットのように
ピクリとも動かない そのヒト
死んでるんだ
ヒトが 私の目の前で
夢 叶
その事を 理解すると同時に
私の声帯から 声にならない悲鳴が漏れた
そう言って その男が振り向く
その右手に 拳銃を持って
夢 叶
逃げ出したいのに 足が竦んで動かない
叫びたいのに 声が震えて言葉が出ない
そう言うや否や 私に銃口を向ける男に
恐怖してなのか 涙が頬を撫で
ぶち 、と
音を立てて ナニカが途切れた
青を 黒く塗りつぶすように
視界が真っ暗になって
ばんっ
と
そう 音がした
夢 叶
夢 叶
はっと 正気に戻った時
私の手には 拾った拳銃があった
夢 叶
夢 叶
不思議に思うのも 束の間
目の前に広がる 赤い水溜まりが
二つに増えている事に 気が付いた
夢 叶
死んでる
私に銃口を向けた その男が
夢 叶
一体誰が?
夢 叶
一度は鮮明になった景色が
また 黒く染まるような
そんな気分だった
それからの事は あまり覚えていない
どうやって あの場を去ったのかとか
どうやって 正気に戻ったのかとか
記憶の断片から 抜け落ちたようだった
幸か不幸か
その事件の犯人が 私であると
そうバレる事はなかった
夢 叶
夢 叶
そう 私には才能があった
人を殺す才能が
夢 叶
夢 叶
そうやって 裏の仕事を取って
夢 叶
そうやってこなして お金を貰う
夢 叶
夢 叶
それが “ 日常 ”
夢 叶
夢 叶
夢 叶
馬鹿
その二文字は 私にピッタリだ
夢 叶
夢 叶
夢 叶
春 千 夜
黙り込む上司に 背を向ける
春 千 夜
夢 叶
そんな私にも お構い無しに
春 千 夜
そんな事を 呟いた
♡ 2000
コメント
22件
何この作品最高じゃん ガチ泣いたんだけど!! 空色さんガチ推せます つづき頑張ってくださいいつでもどこでも応援できます
え、?泣いた、泣いた、マジ泣いた。泣かない人は人類じゃないまであるよこれ?
フォロー失礼します、泣きますよ?こんなん泣かない人居ます?