それから魔王はミジカ森に行くまでの間にあった魔物を駆逐して、やっとの思いで森の入り口までたどり着いた
魔王
ぜぇ、ぜぇ。くそぅ、だから女は嫌だったんだよ!元々体力ない我に女の体なんて大変だよ?
魔王
あれだね。お城の廊下を全速力で走ったらバテるぐらい体力無かったわ。でも代わりに身軽さは高かったみたい
魔王
素早さと身軽さの違いがあんまり分かってないけど。多分素早さはこっちが早く行動出来て、身軽さは攻撃を避けやすくなるのかな?
魔王
だとしとら、女はクソやん。素早さはそうでも無いし、身軽さはちょっと高いぐらい。
魔王
後のステータスは全部低かったわ!ステータスの確認方法分かったから良かったけど
魔王
まさか、心の中でステータス見してください。とか言ったらほんとに見れたなんてな……
ウルターニャ 元 魔王
3Lv
HP 36/36
MP 0/0
攻撃力 43
防御力 39
素早さ 25
身軽さ 45
魔王
Lv上がってこのステータス。しかも、技のひとつも覚えてねぇし。で、なんで今この話をしたのかと言うと
魔王
森の入り口の前に多分番人的なポジションにいる魔物がいるんだけど、絶対強いんだよ
魔王
我の身長がどのくらいかは知らないが、少なくとも我の2倍はあるな……。見た目は毛深いオッサンだな
魔王
武器は棍棒だけど、相手の身長と体重考えたら我は1回も攻撃喰らえない。
魔王
我最初にして最大のピンチである。まずはお話出来るかを試そう。この世界の魔物は意外と良い奴だと思ってる
魔王
ど、どーも。わたくしウルターニャと言います。出来たらでいいので、そこをどいて下さいません?
オーク
……………。
魔王
(話しは通じないのか?)
オーク
無理。
魔王
(良かったー。通じたー!てか、え?無理って言った?まさかね。そんな訳……)
オーク
ごめん。無理。
魔王
(………無理とか言いやがったなコイツ。なら仕方ない。死ぬ気でコイツと戦うか)
オーク
あ、待って。俺戦う気は無いんだよ
魔王
はぁ!?なら、そことーしてよ!
オーク
いやね、通してあげたいけど無理なんだよね
魔王
分かった。何が無理なのかを説明して
オーク
俺ね。元々こんなにおっきくなかったんだよ。最近は番人やってたけど、お腹すいてそこらにあった
オーク
キノコを食べたら大きくなってね。身動き取れなくて、番人としての仕事は出来てるけど
オーク
身動き取れないのはちょっと違うじゃん?だから、通したいけど通せないの
魔王
……。え?番人なのに通したいの?
オーク
番人やったから俺はこんなに姿になったんだよ。だから、もし元に戻ったら故郷に帰って、親父の畑を継ぐんだよ
魔王
(めっちゃ良い奴やん。これが魔物ですよ?いやね、人間とは違いますわ。)
魔王
分かった。つまりは治す方法を見つければいい訳ね?
オーク
助けてくれるのかい!?
魔王
そりゃー。私も通りたいし、あんたも魔物とはいえ可哀想じゃん
オーク
ありがとぉぉぉぉぉ!!!俺さ、見た目のせいで人間に怖がられて寂しかったんだよ
魔王
人間ってそんなんだよ。私見みたいのは中々いないと思うよ。じゃあ助けるからちょっと大人しくしてね?
オーク
うん。てか、なんで、武器構えてるの?助けるんじゃ無いの?ねぇ?聞いてるの?
魔王
ちょっとチクってするだけだから
ウルターニャの攻撃!
剣先でつつく!オークに1のダメージ!
オークの体が縮んだ!
魔王
はい。治ったでしょ?
オーク
ほんとだー!ありがとう人間よ何か俺からお礼をさせてくれよ
魔王
いいって、私はこの先に行きたいだけだから
オーク
それでは俺的に気分がモヤモヤするから却下だ!何か俺でも出来るお礼………あ!あったぞ!
魔王
うん。いいって言ってるけど一応聞いてあげる
オーク
俺はオークでな、実は見た目とは裏腹に回復魔法が得意なんだよ!だから君には回復魔法を教えてあげる!
魔王
ほんとか!?別に要らんとか言ったけど回復魔法は今後使うから教えてください!
オーク
いいぞ!回復魔法はな……
ウルターニャは、回復魔法
【ヒール】【ヒーリング】【キュア】
の3つを覚えた!
オーク
ヒールは、小回復で
ヒーリングは中回復
キュアは1人の状態異常を回復だ
魔王
マジありがとう!今後の旅には欠かせない魔法を教えてくれてほんとに感謝しかないよ!!
オーク
俺も元の姿に戻れたし、こんな人間に会えたんだ!俺こそありがとうだよ!
魔王
じゃあ、元気でなオーク。親父さんの畑継いで、美味しい野菜を作ってくれよな
オーク
おう!その時は最初にアンタに食べさせてやるよ!!
ウルターニャは気づくとオークと
友達になった!!
新たな技【魔物呼び】が使えるようになった!!
魔王
さて、戦わないで済んだみたいだ。てかやっぱり、魔物良い奴ばっかだな。
魔王
とにかくこれで、森の中に入れそうだ!