テラーノベル
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ある日、トルテさんに誘われて トルテのお家で宅飲みをすることになった
俺は向かい側に座るシードの方をずっと見ていた
皆には内緒だけど、俺はシードのことを密かに恋愛として好きになっていた
シードはいつも通り笑ってて いつも通り皆を盛り上げていたけど…
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シードの喉が微かに跳ねた
いつもはあんなに軽快に回る口が、一瞬だけ止まって 呼吸が、浅くなった
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すぐにいつもの調子で笑ってみせたけど、俺にはわかってしまった
あの笑顔が、どれだけ無理をして作られたものか…
シードはりぃちょくんのことを見ている…
それは、ただのメンバーとしてじゃない
俺がシードに向けているのと同じ…
いや、それよりもずっと深くて 重い視線を…
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独り言は、夜の自室に虚しく響いた
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ポロン
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弐十くん、最近あいつの話しかしないなって思って
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静かな部屋に、自分の心音がうるさく響く
画面の中の編集ソフトが、滲んで見えた
…否定できなかった
"そんなことないって笑"
って笑って返すべきなのに
胸の奥がギュッっとなって 言葉が張り付いて離れない
数日後
俺は配信の企画で使う物を買い込み、重い袋を抱えて歩く帰り道
街が燃えるようなオレンジ色に染まる時間帯
ふと前を見ると、長く伸びる二つの影が 一つに重なりそうなくらい 近くを歩いていた
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声をかけようとした指先が、袋の持ち手に食い込む
夕日に照らされた二人の距離があまりにも近かったから
街灯が灯る直前の、一番綺麗な夕景の中
言葉は聞こえないけれど、二人の間に流れる空気だけが、俺の視界を痛いほど突き刺した…
静かで、穏やかで揺るぎない
シードが向ける、あの柔らかい眼差し
あんな風に愛しそうに目を細めるのは、俺の前でも、カメラの前でもない
……りぃちょくんの前だけなんだ……
――あぁ、やっぱり……
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弐十くん、最近あいつの話しかしないなって思って
あーそうだよ その通り
俺は… 例え気づいていても…
どうしても シードのことが好きなんだ…
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そう呟くと、俺は2人に気づかれないように別の道へと歩いていった…
…袋の中の荷物が、さっきよりもずっと重く感じられた…
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街が燃えるようなオレンジ色に染まる、夕暮れ時
隣を歩くシードちゃんは、俺よりほんの少しだけ背が高くて
ふとした時に視線を上げると、夕日に縁取られた彼の綺麗な横顔がすぐそこにある
シードちゃんを、どうにかして俺だけの場所に繋ぎ止めておきたい
そんな独占欲が、胸の奥で静かに熱を帯びていた
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足を止めたシードちゃんの瞳に、俺の顔が映る…
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少しだけ高い位置から、俺を見つめ返すシードちゃん
驚いたように瞬きをした後、彼はいつもの、困ったような愛おしそうな笑顔を浮かべた
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その一言で、俺らは "共犯者" になった
あれから数日が経った
今日は俺の雑談配信の日
画面の向こうには何千人ものリスナー
いつも通り、明るい声をマイクに乗せる
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リスナーさん
リスナーさん
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その時、マイクが拾ったのは、背後から近づく足音と、シードのあまりにも無防備な声だった
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一瞬の沈黙
俺の動きが止まる
コメント欄が、かつてない速さで滝のように流れ出す
リスナーさん
リスナーさん
リスナーさん
リスナーさん
リスナーさん
幸い、実写配信では無かったから シードちゃんの顔バレは防げたけど…
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咄嗟に出た嘘
リスナーさん
リスナーさん
リスナーさん
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画面の向こうで盛り上がるリスナー達
本当は、今日来た訳じゃない
あの日からずっと、俺のそばに居る
この "お泊まり" という言葉は俺が必死に築いた防波堤だった
……だけど、その防波堤は一瞬で崩れ去る
配信終了後
discord内
静まり返った部屋に、discordから冷えきった声が響いた
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皆の方をチラリと見てみると
画面越しに固まっている弐十ちゃん
キルちゃんの鋭い視線
上手く笑えていないように見えたせんせーの顔
無言のニキニキ
それぞれの思いがこちら側にひしひしと伝わってきた
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俺は少しだけ迷って、短く肯定した
隠さない
でも詳しくも言わない
その一言が、全てを語っていた
シードちゃんは何も言わない
ただ隣にいる
それだけで十分だった
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確信的になっちゃった
いや、薄々気づいていたけれど…
ここまで見せつけられるなんて 思ってなかったから…
あの時の…シードの目…
りぃちょくんを見てる時の目…
柔らかくて、独占欲が滲んでいて、世界に二人しかいないような、あの温度…
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同居している という事実よりも
その "温度差" が なによりも俺の心を削っていく
俺が手を伸ばしても 届くことがない距離…
こんな思いをするぐらいなら…
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おかえりなさいませー!
書いてる側だけど 続きが気になってきました笑
次回もお楽しみに〜
コメント
2件
良き! 続きはまかせろ!