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3週間もすると私の怪我は完治し、それに伴って舞踏会に招待された
イヴ
(はぁ…憂鬱だ…)
舞踏会は一見華やかに見えるが、実際は噂話やお互いを蹴り落とし合うような粗探しばかりだ
それにきっちりとした格好も私は苦手だ
イヴ
(ドレスを着なくていいのが唯一の救いかな……)
レインズ
やあ、イヴ
イヴ
………
イヴ
これは…レインズ卿
レインズ
相変わらず元気そうでよかったよ
レインズ
毒を受けたっていう噂が嘘みたいだ
イヴ
ははは…
イヴ
ご心配感謝致します
レインズ・ローブ この国でも5本の指に入る公爵家の次男だ
…そしてリリィの婚約者
この男は女を取っかえ引っ変えしている噂と何か危ないものに関わっている噂があり、私はあまり好きでは無い
レインズ
ククク…
イヴ
(ああ、不快だ…不快な顔と笑い声…)
イヴ
(何故こんなやつがリリィの…)
レインズ
それより、君は一生独身でいるつもりかい？
レインズ
1人、紹介したい男がいるんだが…
レインズ
どうだ？
ニヤニヤとしながら人を見下すようにそう言ってきた彼に笑顔を見せ
イヴ
結構です
イヴ
私は生涯、この宮廷と国を守ることを誓っていますから
レインズ
へぇー
レインズ
そりゃ、立派なこった
レインズ
ククク…
リリィ
イヴ！！
名前を呼ばれ振り返ると彼女が少し怒ったような顔をしながら歩いてきた
イヴ
皇女殿下に挨拶申し上げます
リリィ
む……
リリィ
…それより、貴女もう身体はいいの？
イヴ
はい、大丈夫ですよ
リリィ
…そう…
レインズ
リリィ
リリィ
………何よ
レインズ
酷いじゃないか〜婚約者の僕を放って先にイヴに話しかけるなんて
リリィ
……ふん
リリィ
私は貴方の事婚約者なんて認めてないわ
レインズ
ククク…
レインズ
可愛いねぇ
レインズ
まるで気高い猫みたいで惹かれてしまうねぇ…
リリィ
っ！
彼がリリィに手を伸ばしたのを腕で払いリリィの肩を優しく掴んだ
イヴ
殿下、あちらに美味しそうなデザートがありましたよ
イヴ
食べませんか？
リリィ
！…い…イヴ…
リリィ
…ｺﾞﾎﾝｯ…え…ええ
リリィ
頂くわ…
レインズ
……ﾁｯ
レインズ
ナイト気取りの雑魚が…
リリィ
！な…
イヴ
すみませんね
イヴ
陛下から直々に殿下を守るように言われているんです
イヴ
殿下が嫌がるなら例え貴方でも…
イヴ
私は容赦しませんよ
レインズ
……ふん…
レインズ
……いつまで虚勢を張っていられるかな
イヴ
…では失礼します
軽く背中を押しながらその場を離れた
リリィ
……はぁ…
イヴ
大丈夫ですか？
リリィ
ええ…
リリィ
ありがとう…
イヴ
いえいえ
イヴ
殿下があの方を好んでいないのは知っていますから
リリィ
………
リリィ
私…結婚なんてしたくない…
イヴ
………
イヴ
(何故陛下はあの方と婚約を結ばせたんだろう…)
イヴ
(娘が好きな陛下はリリィが嫌がる事なんてしないのに…)
イヴ
(何か裏がある…？)
リリィ
…？イヴ…？
イヴ
(それにさっきレインズが言っていた言葉が引っかかるな…)
リリィ
…ねぇ、イヴ
イヴ
(ちょっと調べてみるか…)
リリィ
……イヴ！！！
イヴ
！はい！！
考え込んでいると彼女は私の上着を引っ張って少し怒ったような表情をしていた
イヴ
す…すみません…
リリィ
…また変なことしようとしてんじゃないわよね
イヴ
！……
イヴ
しませんよ
リリィ
……
リリィ
お願いだから…
リリィ
貴女だけは…
リリィ
死なないで
リリィ
危険なこと、しないで
イヴ
……
イヴ
はい
イヴ
……
イヴ
(ごめんなさい、それは出来ません)
全ては、貴女を守るためだから
貴女が生きられるなら私はきっと喜んで命を差し出しますよ
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