今回すこし長めです
読むのに時間がかかってしまうかもしれないので、時間があるときに読んでください
それでは本編へ行ってらっしゃい!
それからボクと君の2人で
色んな場所を歩いて回った
少し歩き回って、ボクは 君が行きたいと言っていた場所に居た
そこは星明かりですごく明るくて、 駅のような場所だった
君は、何かを考えているように 黙ったままだ
カーン、カーン…
すると突然、遠くから鐘の音が聞こえて 君は小さく呟いた
ボクは咄嗟に君の袖を掴んだ
そんなボクを見て、君は困ったように 微笑んだ
そんな事って……
貴方は、ボクに何も話さずに この世界から消えてしまった
ボクが悲しむところを見たくないからっていう理由で、何も言わないまま いなくなってしまった
きっと、君はずっと前から 自分がいなくなることに気がついていたんだ
知ってて、ボクには話さなかった
ボクはそれが悲しくて悲しくて
何日も部屋に籠って、布団の中で1日を終える日々を過ごしていた
そんな時、夢に君が出てきて すごく嬉しかったんだ
今ボクが見ているのは明晰夢
明晰夢は、自分で夢だと自覚しているから、夢を自分の好きなようにできると 何処かで聞いた
だから君と会話が出来たし、君とこんな経験が出来た
さっき君が寝た時に、立場が入れ替わって始めとまったく同じ状況になったのも
『ずっとこの夢が続いていたい』っていうボクの願望のせいなのかもしれない
ずっとずっと、この綺麗な場所で 君と過ごしていたいって思っていた
それなのに…
ボクは気づいたら涙を流していた
あまりにも沢山溢れてくるものだから、ボクは下を向いてしまった
力強く、だけど震えている君の声に、思わず顔を上げた
目の前には、目に涙を溜めた君が見えた
終点も決められてなくて、夜空の中を渡っていく列車は、きっと君しか乗らない
ボクは涙で目の前が見えなくて、その場にうずくまった
せめて君だけでも、笑顔でいてほしくて
それなのに、結果的に君も泣かせてしまって
2人とも、もう涙でボロボロになっちゃってる
そう言って、君はボクの涙を 袖で拭ってくれた
嗚呼、そうか
ボクが覚えていられないのなら、君が覚えていれば良い
それからボクは、自分の目に溜まった涙を拭った
だから待っててー…
それから貴方は、ボクの手を離して 列車に乗った
貴方のおかげで泣き止む事が出来たから ボクは笑顔で貴方を送り出せた
それからボクは、列車が見えなくなるまで手を振り続けて
夢から覚めた
スマホの画面をつけると、ロック画面は2:00の文字が浮かんだ
確か寝たのが 13:00くらいだったから…
何だか不思議な夢を見たような気がするのに、何にも思い出せない
でも…
視界が歪み始めたと思ったら、突然ボクの頬を、涙が伝っていった
何か悲しいことがあった訳じゃ無いのに 涙がポロポロと出てきて治らない
『寂しくなったら、俺のこと思い出してね』
『頑張って、そっちに行くから』
聞いたことがない言葉が、突然流れ込んだ
ただ、誰が言ったのかだけは分かった
…そっか、もしかしたら夢でボクに会いにきてくれたのかな
星空でできた列車の線路は、どこまでも続いてゆく
どこに行くのかは俺も知らない
ただ、『また生まれ変わって、大切な人を探す』
その時まで、俺はずっと 1人きりでこの列車に乗り続ける事は分かる
あいつ、大丈夫かなぁ
俺の後を追って…なんてことはしないでほしいけど
ふと窓に目をやると、見えたのはたくさんの星の中に、一際大きく輝く『白色』の星
それはまるで『大丈夫だ』と言うように キラキラと輝いていた
あいつはきっと現実でちゃんと幸せになる
沢山幸せを貰ってから、こっちに来る
俺じゃなくたって、あいつを笑顔にできる人はいるんだ
今まで俺が支えてきた分、きっとそいつらが支えてくれる
そう俺が呟くと、二つの彗星が尾を引いて流れて行く
今なら、あの時言いそびれてしまったことも言えるかもしれない
そらるさん、ボクは ずっと貴方のことが…
まふまふ、俺はまふまふの事が ずっと、ずっと…
大好きだよ
曲パロ『彗星列車のベルが鳴る』
エピローグへ続く
コメント
4件
あああ…めちゃくちゃ素敵でした。 そうだったのか…確かに夢は覚めたら どんどん忘れて薄れていく……それなら ずっとその幸せな夢を見ていたいよね… でも帰らなきゃ行けない… 覚めなきゃいけないんだよね…… またいつかふたりが出会えますように… また2人で笑い会えますように…… エピローグ楽しみに待ってます✨
そっか…ループしてるように見えたのは、まふくんがこの夢をずっと見ていたかったから… もしかして、そらるさんは現実ではもう死んじゃってるのかな…? それでも、夢でこうして会えて、泣いちゃったけど、最後は笑顔で見送れて……素敵な夢だったなぁ…… いつか2人がまた会えますように…! エピローグ楽しみにしています!