狛治が働き始めて約2週間
店主
なー狛治くん
店主
そういえば、どうして君は働こうと思ったんだ?
狛治
!
狛治
...大切な人に、かんざしを贈りたいからです
店主
へぇ、大切な人かー。もしかして、想い人とか?
狛治
、は...!?
思わず声が出て、狛治は慌てて口を抑える
狛治
そ、そんなんじゃないですよ...
狛治
その人は、師範の娘って...だけで......
店主
へぇー?笑
狛治
...も、もう終わりにしましょう、この話
狛治
そろそろお客さんも来るし
店主
そうだな
狛治
お待たせしました、昼食セットです
女性の客
ありがとうございます!
狛治
(はぁ、、ヤバい、仕事に集中できない)
狛治
(○○さんは......俺にとって、師範の娘だ)
狛治
(それ以上は、何も......、)
狛治
(なのに、何でこんなに...胸がザワつくんだ、)
女性の客
...って、お兄さん聞いてます?
狛治
!は、はい...?
女性の客
だーかーら、彼女いますか?って聞いてるんです!
狛治
...え?
狛治
あ、いや、いませんけど...
女性の客
え、いないんですか!?
女性の客
えーじゃあよかったら、この後甘味処行きません?
狛治
(何...言ってるんだ、この人)
狛治
すみません。俺、仕事終わったらすぐ道場に戻らないと...
女性の客
そうですかー、、じゃあ、道場見学させてもらえません!?
狛治
ぇ
狛治
(ちょっとしつこいな...)
狛治
すみません、結構です
○○
(あ...今日は熱ないかも、)
(襖が開く
○○
!
○○
狛治さん...、!?
○○
今日は戻ってくるの早い...
狛治が○○の肩に顔を預ける
○○
は、狛治さん...?⸝⸝
狛治
...すみません、、少し、このまま...
しばらくすると、寝息が聞こえてきた
○○
.........、、⸝⸝
○○がそっと狛治の頭を撫でる
○○
(いつもより疲れてる...どうしたんだろう)
○○
(前まで、稽古ではそんなに疲れてなかったのに...)
○○
.........あれ?
○○が狛治が着ている服を見る
○○
(何で......今日は、道場着を着てないの?)
○○は狛治をそっと離し、少しふらつく足で慶蔵の元へ向かう
○○
...こほっ、こほ、、っ、
慶蔵
!
慶蔵
○○!?
慶蔵は○○を見ると急いで駆け寄る
慶蔵
どうして布団から出たんだ...大丈夫なのか?
○○
うん、、
○○
あ、あのね、お父さん...
○○
聞きたいことあるんだけど...
慶蔵
?
○○
狛治さん...本当に、稽古してるの...?
慶蔵
!!
慶蔵
な、何でそんな事...
○○
狛治さん、最近家を出てばっかりだし......
○○
その、今日は道場着を着てなかったから、
慶蔵
!
狛治
.........、ん、
狛治
!!
狛治
(俺、寝てたのか...?)
狛治
あれ、、○○さんは...?
狛治は自分の着ている服を見て青ざめる
狛治
(ヤバ...疲れてたから、道場着に着替えずに...!)







