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ロードライトガーネット アイビーの部屋

アイビーはナイトメア海賊団にて囚われていた女性を自室へと連れ込む。

アイビー

あまり綺麗な部屋でなくて申し訳ないが、中へ。

人質だった女性

他の船員の方々も同じような部屋ですか?

アイビー

まぁ、そうだな。
私は立場が上だからと部屋に格差を付けるのはあまり好ましくなくてね。
皆が皆ある程度は対等であることが信頼関係をより良く築けると思ってのことだ。

人質だった女性

優しいんですね。

レッド・バッカニアでは皆が対等な関係を築いていることを話す。

アイビー

でも一応だが、部下というものも存在はするが、私はそんな部下たちも一人一人を家族のようなものだと思っている。

人質だった女性

私もそんな家族のような存在になれるでしょうか?
何もできない私が‥‥

アイビー

君は大いに期待出来ると私は思っている。
後は意識をすることだろう。
その意識を高めれば大きく化けるのは間違いない。

するとアイビーは上着を脱ぎ、女性を抱き始める。

人質だった女性

え‥‥あ、あの。

アイビー

君は美しい。
私は男女を問わない主義なものでね。

やがて女性の方もアイビーを受け入れ始める。

アイビー

時期に力が君自身に宿り、理想の自分を手に入れることができる筈。

人質だった女性

せ、船長さん‥‥

二人は素肌のまま口付けを交わし、熱い一時が始まる。

アイビー

君の名前、教えてくれるかな?

人質だった女性

私は‥‥

午後20時のこと。

ユナ

彼女の経歴、どういうわけか抹消されてる。
記憶の方も欠損が確認出来たわ。
どうやらナイトメア海賊団は連れ去った人間の記録や経歴、そして記憶すらも消して捜索できないようにしているっぽい。

ハジャー

あくどい奴等だ。

ナイトメア海賊団は連れ去った人間の捜索を出来ないようにする為、経歴を削除してから殺すという事実が判明。 救出した女性も経歴に削除した痕跡があるとのこと、つまり彼女の詳しい身元や生い立ち等は探る事が困難ということになる。 それだけに留まらず、当人の記憶まで消す邪悪とも言うべき所業に出ることもわかった。

ジム

でもまだ、彼女には人としての感情が残ってるから良かったと思うよ。
ボクは‥‥幼少期に家族を殺されて、その後は暗殺旅団の道具(エージェント)として調教されたから。

カオリ

そうね、ここに来てすぐの貴方
感情も無ければ表情も作らない大凡人とは思えなかったものね‥‥

ジム

お母さんのお陰。
お母さんの身体、凄く温かくて、嬉しかったから。

ハジャー

お母さんね‥
確かにお前にとってはそうなのかもしれないな。

ジム

あの子ももうすぐ生まれ変わるよ。
強くて勇ましい姿になって。

4人は船の甲板の上で談笑すると奥の扉が開き出す。

???

待たせたわね‥

甲板で4人が談笑していた頃、二人は

人質だった女性

船長さん‥‥凄く温かいです。

アイビー

君の身体はすごく冷たいな。
でも、大丈夫。
君はこれで誰にでも誇れる存在に変わるのだから。

アイビーは女性を優しく抱きしめる。

アイビー

君は強い女性となり、前線に立てる程に勇ましく敵無しの存在になるだろう。
そして溶岩の様な熱いエネルギーを司り、降り掛かる脅威を溶かし尽くす刃へと変貌する。

互いに身体を抱き、口付けを交わしていくと女性は姿を変えていく。 まるで進化するように。

人質だった女性

せ、船長‥‥さん。
私‥‥もう。

アイビー

ジェーン=ドゥ‥‥
ここでの新たな君の名だ。

女性は赤い光に包まれ、か細かった姿からより健康的かつ戦うには万全な姿に変貌した。 短かった髪は長く伸び、銀色に変色している。

人質だった女性

そっ‥‥か。
これが、私。

アイビー

ようこそ、こちらの世界へ。
ジェーン=ドゥ‥‥

扉の奥から女性と思しきシルエットがこちらに向かってくる。 黄色く光る目が夜の甲板を照らすように近付いてくる。

ユナ

来た来た。

ジェーン=ドゥ

すご、煮え滾るマグマみたいに力が溢れてくる。

ジェーン=ドゥ、それが私。
ここに帰還するわ。

ハジャー

ジェーン=ドゥ‥‥
経歴を抹消されて身元がわからなくなってるという意味合いでは、相応しい名前なのかもな。

ジェーンの後からアイビーもこちらへと向かってくる。

アイビー

彼女は溶岩を司り、この船団の最前線に立つ役割を担うことになる。
赤いチェーンソーは無尽蔵に地面から生やすことも可能だ。
そしてそのチェーンソーは斬れば斬るほど威力を増す。

カオリ

へぇ、あたしと少し似た能力ね。
そのチェーンソーあたしにも見せてくれないかしら?

ジェーン=ドゥ

止めといた方がいいわ。
溶岩と同じぐらいの超高熱だから私以外の人間は触ると火傷じゃ済まなくなるわよ?

ジェーンが担いでいるチェーンソーはよく見ると刃の部分が熱を帯びて赤く光っており、湯気も立っている。

カオリ

こわ‥‥

ハジャー

敵だったら末恐ろしい存在だな。

ジェーン=ドゥ 推定年齢18〜20歳 ナイトメア海賊団により拉致され、一歩遅ければ殺されていたところをジムに救出され生まれ変わり、レッド・バッカニアの一員となる。 大柄なチェーンソーで前線に立つ役割を任されている。 マグマを操る力を持つ他、無尽蔵に地面からチェーンソーを生やす能力も備わっている。 人一倍気高いが、根は優しい。

ジェーン=ドゥ

ママ、ありがと。
凄く嬉しい。こんなに煮え滾る様な力が私に備わって。

ハジャー

マ、ママ‥‥?

ユナ

あら、キャプテン。
2児の母親になったのかしら?

アイビー

フッ、ママか‥‥
そうだな、君にとって私は母親も同然なのだろう。
否定する気はない。

ジム

お母さん、ジェーンはボクの妹ってことでいいのかな?

アイビー

どうだろうな‥
私の見たところでは彼女の方が歳が少し上に見えるが、今日生まれ変わったという意味では妹なのかもしれないな。

ジェーン=ドゥ

ジム、貴方のお陰で今の私がいるの。
貴方は立派な私のお兄ちゃん。

ジムが少し恥ずかしそうに照れだす。 その顔は少し嬉しそうにも見えた。

カオリ

何だか賑やかになってきたわね。

アイビー

賑やかぐらいが丁度いい。

‥‥さぁ、これより我々は海から空へと高度を上げる。
船員は直ちに備えろ。

ユナ

了解。

カオリ

わかったわ。

ハジャー

承知した。

ジム

はーい。

ジェーン=ドゥ

わかった。

レッド・バッカニア配下

ラジャー!!

アイビーの号令によりロードライトガーネットは海から空へと上昇していく。

遥か上空。 ロードライトガーネットは海と空を駆ける巨大な海賊船。 空は今、星が見える静かな夜。 時刻は23時。

ジェーン=ドゥ

ねぇ、ジムとママはどういう出会いなの?
改めて詳しく聞きたいのだけれど、良いかしら?

ジム

ボクは元々暗殺旅団の道具(エージェント)の一つだった。

ジェーン=ドゥ

道具?

ジム

ボクは人間として扱われなかった。
初めてボクを一人の人間として扱ってくれたのがお母さん。

ジェーン=ドゥ

お母さん?

カオリ

あ〜、ジム君も貴方と同じでキャプテンのことお母さんって呼んでるの。

 ジムは自分の過去を話し始める。

ジムの過去

暗殺旅団リーダー

J-081、仕事の時間だ。

無感情の少年

了解です。

暗殺旅団のリーダーは目から生気を感じない少年を呼び出す。 その少年は顔立ちだけなら少女のようにも見える可愛らしい顔立ちだが、目の下は隈が出来ており、表情も一切ない。 髪も過剰なストレスによるものなのか、白髪混じりの黒髪で、若さとは相反するものだった。

暗殺旅団リーダー

お前は最も有能な道具(エージェント)故にこの仕事をお前に託すことにした。
失敗は許されないと思え。
もし失敗したら、どうなるかわかっているな?

無感情の少年

‥はい。

暗殺旅団リーダー

まぁ、お前の事だ。
そんな失敗することはないだろうが‥‥

さて、向かってもらおうか。

少年はリーダーの支持により、任務を遂行する。 場所は廃屋と思われる場所。

無感情の少年

目標索敵中‥

廃屋内部は薄暗く、僅かな隙間から陽の光が入ってくるのみ。 ライトが無ければまともに探索できないレベルだった。

無感情の少年

目標確認‥‥

暗殺旅団リーダー

よし、背後から狙って息の根を止めろ。

目標は真っ赤な装甲を身に纏ったアンドロイドと思しき者。 少年よりも一回りも高い身長で、長い爪と背中にミサイルランチャーのような物が装備されている。 何故こんな廃屋に潜伏しているのかはわからない。

無感情の少年

穿つ‥‥

物凄いスピードでアンドロイドに向かってナイフを突き立てる しかし‥‥

無感情の少年

ウッ‥‥

アンドロイドの回し蹴りがクリーンヒットする。

赤いアンドロイド

‥‥

アンドロイドは何も発することなく少年へ反撃を開始する。

手も足も出ず、少年は一方的に痛めつけられる。

無感情の少年

クッ‥‥

赤いアンドロイド

‥‥脆い

暗殺旅団リーダー

おい、どうした。
何が起きている!?

暗殺旅団のリーダーも動揺を見せ始める。 少年は完膚なきまでに痛めつけられ、気絶してしまう。

それから大凡12時間後のこと、少年は両腕を鎖で繋がれて身動き出来ない状態になっていた。

暗殺旅団リーダー

お前程の道具がまさか、失敗するとはな‥‥

暗殺旅団リーダー

言わなかったか?失敗は許されないと‥‥

無感情の少年

‥‥

リーダーはおもむろに鉈を取り出す。

暗殺旅団リーダー

まぁ残念だがここでお前は死ぬ。

鉈を少年の首に突きつける。 すると‥‥

ズドンッ!! 壁が破壊される。

赤いアンドロイド

目標確認。排除する。

あのアンドロイドが現れた。 アンドロイドは暗殺旅団のリーダーに狙いを定めている様子だ。

暗殺旅団リーダー

クソっ、俺達の存在に気付いたのか。
あのクソ野郎‥‥

赤いアンドロイド

排除開始。

そのままアンドロイドは爪で暗殺旅団のリーダーを切り裂き、至近距離からミサイルランチャーを発射し、爆散する。

アンドロイドの攻撃により周囲はボロボロになる。 空いた壁の穴から一人の女性がこちらへ向かってくる。

アイビー

暗殺旅団もこれでおしまいか‥‥
案外呆気ないもの‥‥

アイビーが姿を現した。

アイビー

船内に戻れ。
後は私が何とかする。

赤いアンドロイド

了解。

あのアンドロイドはレッド・バッカニアの専属機体の様だった。 周囲を見渡すアイビーは壁の角付近で横たわる少年に気付く。

アイビー

酷い状態だ‥‥
だが、もう恐れることはない。

無感情の少年

‥‥

アイビー

相当酷い扱いをされたのだろうな‥‥
体が衰弱している。

アイビーは少年を抱き抱えてロードライトガーネットへと戻る。

アイビーは少年を自分の部屋へ連れ込む。

アイビー

何をしたらここまでの状態になるのか、不思議なほど君からは生気を感じられないな。

無感情の少年

‥‥

アイビー

名前、あれば教えてもらいないだろうか?

無感情の少年

‥‥J-081

アイビー

名前‥‥というより
コードナンバーのような印象だな。
奴等の道具或いは体のいい駒のような扱いを受けていた、これで合ってるかな?

無感情の少年

ん‥‥

少年はゆっくりと頷くとアイビーは少年を優しく抱き始める。

アイビー

君程の若い少年を死なせるのは私自身も許すことができない。
相当つらかったのだろう‥でも、もう大丈夫。
私が君を強くする。
そして、道具でなく一人の人間にする。

そのままアイビーは上着を脱ぎ出し、優しく少年に口付けをする。

少年の身に付けていた護身用の防具も脱ぎ外す。 少年とアイビーはそのまま抱き合い始める。

アイビー

君は少年でありながら、少女のような可愛らしい顔立ちをしているな。
凄く大切にしたくなる程に‥‥

アイビーは少年を素肌で優しく抱きしめる。

アイビー

凄く冷たい身体‥‥
だが、私はいつでも君のそばにいる。
もう恐れるものはこの先無くなる。

少年の素肌を指でなぞっていく。 そして、少年の指とアイビーの指が絡み合う。

無感情の少年

っ‥‥

アイビー

もう道具ではない。
君は、私と生きる一人の人間。そして家族の一人だ。
時期に氷の如く冷えた身体も温かくなる。

すると少年の血色の悪かった肌が本来あるべき肌色に変わっていく。

無感情の少年

お‥‥母‥さん。

それまで殆ど表情を殺していた少年の目から初めて涙がツーっと頬を伝って垂れる。

アイビー

君には私がそう見えるか。
なら、私が君の母親となろう。

アイビー

そして、もう君はJ-081ではない。
「ジム」、それが君の名だ。
勇ましく、逞しい人間に生まれ変わる君にはその名が相応しい。

少年は仰向けの状態でシーツを掴む。 次第に少年を赤い光が包み込み、白髪混じりの黒髪が美しい銀色へと変わっていく。 光を通さない黒い瞳も同じく銀色に変わり出す。

アイビー

さぁ、もう君はこれで誇り高き人間だ。
私と共に‥‥

ユナ

カオリ、あの子どう思った?

カオリ

女の子かな〜って思ったけど、男の子なんだよね。
何というか‥‥生きた人間には見えなかったかな。

ユナ

あ〜やっぱそっか。
あの子、データを調べるとそもそも所属してた暗殺旅団によって家族も殺されてるみたいね。

ハジャー

道具として調教するにあたっては心の拠り所たる家族を殺しておく、極悪組織の意地汚い典型的なやり方だな‥‥

カオリ

信じられない。
あんなに若い子にそんなこと‥‥

4人が会話をしていると奥からこちらへ向かってくる人影が。

ユナ

来たみたいね。

ジム

あっはは!ねぇ、今ボク凄く気分がいいんだ。
嘘みたいに身体が軽くて力が湧いてくる。

ハジャー

ほう‥‥凄い様変わりだな。

カオリ

いつ見てもキャプテンの力って底知れないわ。

ジムの後からアイビーもこちらへ向かってくる。

アイビー

彼は陽動や潜入といった工作員としての立場に立ってもらうことになる。
二本の剣はあらゆる物体を斬ることができる。
高い跳躍力とスピード、そして氷の如く冷たい剣撃が鍵となる。

ハジャー

えらくキャプテンにべったりだな‥‥

ジム

だって、凄く気分がいいんだもん。
お母さん大好き。

ハジャー

お、お母さん?

ユナ

キャプテン、1児の母親にでもなったのかしら?

アイビー

彼がそう呼ぶのだから、そうなのだろう。
否定するつもりもない。

ジムはアイビーに抱きついて離れない。

カオリ

キャプテンにべったりなところ水を差すようだけど、貴方の名前は?

ジム

ん?ボクの名前?
ジムって呼んで。もうJ-081じゃないよ。

カオリ

そ、ジム君ね。
よろしくね。

ユナ

にしても、キャプテンのこと相当好きみたいね。あの子‥‥

アイビーにべったりと抱きついてジムは離れようとない。 アイビー自身も特に気にしている様子もないようだ。

ジム

お母さん、凄く温かい。

アイビー

今日は気の済むまでそうしているといい。

ジェーン=ドゥ

‥‥改めて壮絶な過去を持ってたのね。貴方。

ジム

うん、でも大丈夫だよ。
お母さんがいるし、皆もいる。
もう寂しくないよ。
君もこの内の一人だよ。

ジェーン=ドゥ

ジム、優しいのね。

ジムの優しさにジェーンの目から涙が頬を伝っていく。

ハジャー

ジムだけじゃない。
俺達も同じ気持ちだ。

ユナ

ここにいる皆、全員家族よ。
そして、ここは私達のお家。

アイビー

さぁ、次の目的地はもうすぐだ。

カオリ

で、どこに向かってるのかしら?

アイビー

天空に浮遊する謎多き廃城がこの先にある。
そこに抑止力に関するものがあるとされている。
そこへ向かう。

アイビー

何か未知なる存在とも対峙するやもしれない。
全員覚悟と準備は万全にするように。

この空のその先の廃城とは一体何なのか。 そしてそこにある抑止力に関するものとは一体‥‥

Buccaneer Hearts ⸺バッカニア ハーツ⸺

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