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私は美桜との電話の後、幸人と空に電話して誘拐の件を伝えた
空
え、なんで誘拐したのは美桜の弟なのに瑠莉ん家の宝石箱が身代金の代わりなんだ？
瑠莉
…私もそこがよくわかんないよ
瑠莉
優人もなんだそれって言ってたし
空
それが分かれば犯人に1歩近づける気がするんだけどなあ
瑠莉
そこでね、私、次美桜のところに犯人から電話がかかってきたら、私に転送してもらおうと思ってるの
空
転送してもらってどうするんだよ
瑠莉
なんか実際に犯人と電話ででも接触出来たら何かつかめるかもって思って
空
え、そんなに上手くいくかな
空
幸人はなんて言ってたんだ？
瑠莉
幸人はいったん電話を待つしかないって
空
そうか…
空
でも、犯人から電話がなかったらどうする？
瑠莉
まだ犯人は宝石箱を渡す日時を指定してない
絶対かけてくると思う
絶対かけてくると思う
空
そうなんだ
空
俺は颯太のケータイから位置情報が分からないか試してみるよ
空はコンピュータの操作がずば抜けてできる
瑠莉
じゃあ、そっちは頼んだ
空
了解
空
探偵団作ってから1番大きな事件だな
瑠莉
めげてる場合じゃないね
空
今美桜は精神的にきついだろうから俺ら3人で動こう
瑠莉
そうね
瑠莉
また連絡する
今は犯人からの電話を待つしかない
美緒
姉の私が…しっかりしなきゃいけないのに…
美緒
うぅ、こんなことになるなら迎えに行けばよかった…
美緒は自責の念に駆られていた
美緒
だいたいなんでうちのものじゃなくて瑠莉ん家のものなのよ…
トゥルルルルルルル
美緒
もし…もし
犯人
小川家の宝石箱は手に入ったか？
受話器を持つ手が震える 転送しなきゃ、転送しなきゃ…
犯人
まあ、無理だろうな
ハハハハハ
ハハハハハ
犯人
小川家は一家総出で呑気に別荘にいるもんなあ
犯人
親友ってのは頼りにならないものだな
…こいつ、意外と間抜けだわ いや、そう見せ掛けたいのか…？
瑠莉
あの…颯太の…颯太の声を聞かせてください
犯人
聞いてどうするんだ、お別れでも言うのか？
犯人
冷たい姉ちゃんだな、弟を救う気はないのか
犯人
ハハハハハハ
犯人
それは出来ないね
瑠莉
ちょっとでいいんです…
瑠莉
少しだけ…声を聞かせてください
瑠莉
聞けるだけでいいんです…
犯人
できないものはできないね
そこで私はあることに気がついた
瑠莉
…分かりました
美緒から私に転送されても気づかなかった
感情のこもってない、機会のような声
犯人は…私たちに声を聞かれたらいけない
瑠莉
なんとなく、見えてきたようね
犯人はあの調子だと、私が別荘から帰る前に宝石箱を要求するつもりだろう
瑠莉
そうはさせないんだからねっ
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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