そらる
……は?

そらる
ちょ、まふまふ、これって……

トウマ
一々騒ぐな、視界はすぐ戻る。

トウマ
……で、エイカ?

エイカ
っ……ほんっと、あんたのことはいつまで経っても分からないわ……

さっきの焦ったような表情から、
呆れたような顔になっていたエイカ
トウマ
分からなくていい。俺も“そっちの”お前のことなんか分かりたくねぇよ

エイカ
はぁ……ま、そうでしょうね。私がエイカじゃ、あんた達とはまるで話にならなかった

トウマ
…………どうだかな

エイカ
え? なんか言った?

トウマ
何でもない。ほら、さっさと帰れよ。もうここに仕事は無くなっただろ?

エイカ
……そーだね。あんたのおかげで見事に取られちゃったよ、それの魂

エイカ
じゃあね。“人外”さん達

そう言って、来た時と同じように、
忽然と姿を消したエイカ
そらる
人外……?

そらる
まふまふ、人外ってどういうこと?

トウマ
そのままの意味だよ。さっきの契約で、俺とお前は天使とヒトじゃなくなった

トウマ
さっきの“天魔の契り”で、俺とお前の魂が結び付いた。

トウマ
これで俺らは“天使”でも“ヒト”でもなくなって、死神達同様、この世の理から外れた“特異の存在”になったんだよ

そらる
(天使でも人間でもない……世の理から外れた、特異の存在……?)

じゃあ、さっき視界が
青くなったのもそれの影響……?
そらる
(いつの間にか、戻ってるけど……)

トウマ
この契りは、“天使の血をヒトが飲むこと”がトリガーになる。

トウマ
別に、普段の生活ではどうってことねぇよ。お前は生死の概念がある“ヒトもどき”で、俺は不老不死の“天使もどき”だ。

トウマ
ただ、お前が何度輪廻転生を繰り返して、新しい人生を歩んでも、俺とは絶対どこかで逢うことになる。

トウマ
お前が何者になっても、例え前世の記憶が無くても、俺達がその後どんな関係になったとしても、これは絶対。

トウマ
それが、今俺達が交わした、“天魔の契り”だ

そらる
……!

トウマ
これを結べば、その天使とヒトは“掟”の対象外になって、死神も手出しできなくなる。

トウマ
ただ、それを天使が結ぶことなんてほとんど例がないけどな。

トウマ
いくら気に入ってるヤツだからって、永遠に続く自分の未来を、たった1人に左右されたくなんてない

そらる
そんな、俺を助ける為に、そこまでしなくたって……

トウマ
……そこまでする価値があるって俺が判断したんだ。死人寸前がグチグチ文句言うな

そらる
……さっきのあれ、何気にファーストだったんけど?

少しからかってみたくなって、
逆らって文句を言ってみる
トウマ
は? ちょ、そういうのはもっと早く言えよ!! つか、俺だってお前となんかっ……!

そらる
何焦ってんだよ

トウマ
焦ってねぇよっ!

やっぱりこいつはこいつだなと
思って、ふはっと笑う
トウマ
なっ、笑うな! ヒト如きがっ!

そらる
悪かったって。えーっと……トウマだっけ?

トウマ
っ……まふまふでも真冬でも、何でもいい。元々ここでは“そっち”でやってきたんだ

恨めしそうな視線を感じるけど、
今は無視しておくことにする
そらる
じゃあまふまふで。これから永遠によろしくな

まふまふ
……はぁ、よろしく

手を差し出すと、呆れ半分、諦め半分
と言うように、手を握ってくれた
これから俺には、
どんな“死”が待っているんだろう