今世
○○
...もうこのまま死のうかな
学校では幽霊扱いされて
家でも見向きもされない
私の人生は心底退屈なものだ
○○
...カタ
私は手すりに登った
○○
こんなクソみたいな人生、いらないよ!
そう言って飛び降りようとした時
万次郎
ねぇ、
○○
...!
どこか懐かしいような
少年が立っていた
○○
君は...
万次郎
大昔に
○○
?
万次郎
ここで若い少年とお姫様が出会ったんだ
不思議な少年は少し寂しいような顔で話し出した
万次郎
その2人は会う度に互いに惹かれて、
万次郎
付き合うことにしたんだ
○○
...
万次郎
だけど、
そう言った少年は私と目を合わせた
万次郎
その2人の愛は許されなかった
○○
っ、
なぜだか苦しくなった
万次郎
そして追い詰められた2人は...
万次郎
“心中”をすることを選んだ
ドクン
心中、その言葉に鼓動が大きくなる
○○
...それがなんですか、
万次郎
酷いよな、互いに愛し合ってるのに
万次郎
許されないなんて
そう言った少年は酷く悲しそうだった
万次郎
ねぇ、死ぬんだったら俺と心中する?
真っ黒な瞳でそう問いかけてきた少年
○○
何言って...
万次郎
ああ、でも
少年は私の言葉を遮り
万次郎
昔の約束したんだった
万次郎
必ず迎えに行くって、ね
万次郎
“お姫さん”
そう少年が言った
ドクン
ドクン
○○
ぁ、...
その瞬間私の脳内で遥か昔の記憶が駆け回った
万次郎さん!
私は貴方を愛しております!
心中するか?
私は何処までもついて行きます
来世、必ず迎えに行く
○○
万、次郎さん...?ポロポロ
思い出した
貴方は...
万次郎
やっと思い出した?
万次郎
俺のお姫さん
私の愛する人
○○
っ...万次郎さん!
万次郎
今度こそ、2人で幸せになろう
○○
はいっ、
“愛してる”







