短編夢小説

ファーストキス

きっかけは些細なことだった

たまたま席が隣になった事からだった

始めの印象は不良だからと言うのもあって少し怖かった

でも

場地くんは思ってたよりも優しい人だった

日数を重ねる事に段々と親しくなって言った

それに場地くんは面白い

そんな彼に惹かれていった

私は初めて恋というものを知った

この気持ちをどうにかしたくて私はつい告白してしまった

だけど場地くんは私の告白に応えてくれた

私達は幸せだった

場地くんと呼んでいた私もいつしか圭介くんと呼ぶようになった

デートだってしたし、手も繋いだ

付き合った日にハグだってした

でも、そんな幸せを崩したのは

圭介くん

私は何度も圭介くんに縋り着いた

でも彼は深い理由は言ってくれなかった

私はとうとう泣き出してしまった

だから優しい圭介くんは私の元へ戻ってきてくれた

暖かい優しい手で私の涙を拭ってくれた

圭介くんは正直に話してくれた

当然私は圭介くんが大好きだから

そう言った

ファーストキスの約束もした

だけどその約束を破ったのも圭介くん

ある日圭介くんは刺された

私は抗争が気になって圭介くんに内緒で抗争に来た

だけどその時にはもう圭介くんの口からは真っ赤な血が溢れ出ていた

ボロボロ涙を流す私を何も言わずに撫でてくれた圭介くん

それが彼の最後の言葉だった

名前を呼んでもあの頃のように返事を返してくれない

私は圭介くんの顔に近づき

ﾁｭｯ

そっと冷たくなった圭介くんの唇にキスを落とした