コメント
5件
更新ありがとうございます! 今回の大会は、双方成長が見られて、孫を見るような暖かい目で小説を読んでいました。よく頑張ってくれた!!!!💮 全然関係無くて申し訳ないのですが、顧問の先生がすごく好きです。 スポーツ系の先生は、厳しかったり酷かったりとあまり良い例が無かったので、だいぶ印象変わりました……
全日本選手権当日。
私とえまちゃんは ウォームアップエリアで 迫り来る本番に備えていた。
前日の抽選会でえまちゃんは 第2グループの1番最初、 私はその後に滑ることが決まった。
第2グループはみんな 私たちと同じ、 県ブロックで勝ち抜いた人達で
それぞれが縄跳びをしたり、走ったり、ストレッチをしたりしていた。
芽依
顧問
芽依
顧問
スーツ姿の先生に後ろから話しかけれ私はびくりと肩を震わせた。
芽依
顧問
顧問
芽依
芽依
芽依
顧問
顧問
顧問
ぎゅっ、(先生が芽依の手を握る)
芽依
顧問
顧問
顧問
芽依
顧問
顧問
芽依
芽依
芽依
えま
えま
芽依
芽依
えま
えま
顧問
顧問
えま
えま
えま
ぎゅっ、(先生が芽依の手を握る)
えま
芽依
芽依
えま
えま
芽依
芽依
芽依
芽依
芽依
芽依
えま
顧問
顧問
顧問
顧問
数分後
芽依
芽依
アナウンスがえまちゃんを呼んだのと 同時にえまちゃんが 氷の真ん中へ移動する。
会場には沢山の人がいて、 見ているだけでも 熱気と選手への圧が伝わってきた。
自分の番が近づいてるのに、 ギリギリまで おまじないをかけてくれた 言ってくれたえまちゃん。
私は手をギュッと握って全ての神様に彼女の成功をお祈りした。
実況
実況
えま
えまちゃんはミントグリーンの綺麗な衣装を着ていた。
胸元にある銀色の装飾が 若葉にかかる水滴みたいにキラキラと 輝いている。
音楽が流れると、えまちゃんは 小さく微笑んで演技を始めた。
首が、指先が、頭が、脚が 曲に 引っ張られているみたいに くるくると動いて、
ワルツのリズムが しっかりと取れているのがわかる。
実況
芽依
シュッ!
カツンッ!
実況
解説
芽依
着氷が決まった瞬間、 私は思わず飛び跳ねてしまった。
えまちゃんは涼しい顔で 次のジャンプも決めていく
実況
実況
解説
ざわつく会場を横目に、 えまちゃんの表情は晴れやかだった。
難度の高い技を成功させ 曲の中に入り込んでいく。
高さのある3回転は華やかで 迫力があって 炎のような熱い気迫が見えた。
真っ赤なえまちゃんの闘志が 花火のように大きく弾けて、 観客から歓声が漏れる。
失敗しそうな雰囲気は 微塵も感じられない。
会場も私も 鮮やかな彼女の舞の 虜になっていた。
そして、なんとなく悟った。
これがえまちゃんにとっての 始まりになるんだと。
芽依
芽依
実況
解説
実況
実況
えま
ノーミスのまま、えまちゃんは 最後の決めポーズをとり ショートプログラムを終えた。
終わった瞬間、雨のように 花束が落ち会場の人たちは スタンディングオーバーション。
一気に会場がゲームセンターのように うるさくなった。
えま
顧問
えま
えま
顧問
顧問
えま
えま
芽依
えま
えま
芽依
今度は私の番だ。
そう思って私は勢いよく氷に 足を踏み入れる。
芽依
芽依
実況
実況
実況
実況
実況
実況
えま
えま
えま
えま
えま
えま
えま
顧問
えま
えま
えま
顧問
顧問
えま
えま
えま
えま
えま
顧問
えま
えま
顧問
アナウンスによって 会場の熱気が一旦収まり、 観客の視線が私に向けられる。
お母さんが作ってくれた 真っ白の白鳥の衣装を着た私は、 氷の真ん中で1人、 曲が来るのを待っていた。
まるで、夜が来るのを待つ 白鳥の姫のように。
実況
実況
えま
芽依
音楽が流れ始めた。
バイオリンの薄い波と共にオーボエの有名なメロディが流れ出す。
やっと始まった私の時間。
芽依
芽依
芽依
芽依
えま
芽依
えま
シュッ!
実況
えま
芽依
芽依
実況
えま
えま
顧問
えま
芽依
芽依
頭の中で白鳥になりきって 私は持ち味のステップに 取り掛かった。
自分の唯一得意といえるステップ。
たくさん研究して、 射手田さんがやってるのを 参考にしつつ考えた 大好きなステップ。
…えまちゃんが褒めてくれた、 大切なステップ。
芽依
実況
しなやかに、柔らかく それでいて芯は無くさず
動きの一つ一つを湖の上に漂う 白鳥の羽のように ゆっくりと、丁寧に落とし込む。
それを何度も意識して、 儚くも美しい白鳥の世界観を 作り出していく
芽依
顧問
解説
実況
実況
実況
顔が真っ赤になりながら私は 最後のポーズへと足を動かした。
芽依
芽依
最後の音の粒が、 銀盤の上で消えていく。
すると、自分の息がひゅっ、と鳴って 会場から沢山の拍手が鳴り響いた。
芽依
芽依
芽依
顧問
芽依
芽依
顧問
顧問
実況
芽依
芽依
芽依
顧問
顧問
顧問
顧問
顧問
顧問
芽依
芽依
芽依
顧問
芽依
芽依
芽依
顧問
顧問
顧問
顧問
『せ、せせ…せんせ! き、緊張して…お、お腹が!』
「えぇっ!?集合時間まで あと10分だよ!」
『ご、ごごご…ごめんなさい…!!』
顧問
顧問
芽依
顧問
顧問
芽依
芽依
その後、全ての選手が滑り終え。 ショートの滑走順が決まった。
私は10位。えまちゃんは なんと3位とメダル圏内に入った。
ネット内では 「謎の女子高生が異次元級の高さの トリプルアクセルを披露した」と、 えまちゃんのことで大盛り上がり。
そして、この結果はのちに…
???
翌日のフリーで ある事件を 巻き起こすことになる。