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凍てつく街のレアル

第77話 - @77 足枷由香の話③

2025年06月19日

#ファンタジー

#コメディ

#ドラマ

#バトル

榎本くもり(旧きなこ)

ご当地アイドル｢キュート♡デコレーション｣

その活動方針

足枷由香

……(よし)

足枷由香

(メモの準備バッチリ)

足枷由香

(大事な話なんだから)

足枷由香

(ちゃんと聞かないと……！)

中年男性

まずデフォルトの衣装の発表……

足枷由香

！

デフォルトの衣装

それはアイドルのメインビジュアル

普段どんな格好をしてライブをするのか

その為の衣装だ

中年男性

水着だ

足枷由香

……え？

少女A

……

少女B

……

少女C

……

少女D

……

足枷由香

……す、すみません

足枷由香

どうして水着なんですか？

中年男性

！

少女A

……！
ちょっとあなた……！

中年男性

逆に

中年男性

水着以外に何があるの？

少女A

……っ

足枷由香

……え？

足枷由香

だってそりゃ、アイドルたるものフリフリの衣装着たいんですけど……！

中年男性

露出の多い衣装に

何の価値があるの？

足枷由香

……

足枷由香

……

足枷由香

そんなの……！

中年男性

君たちはまだなんの価値もないんだ

中年男性

だから価値を見出す

中年男性

大体エロい格好しておけばファンは一定数つく

中年男性

だから水着だ

中年男性

それ以外はありえない

足枷由香

……

足枷由香

……そ

足枷由香

そんな、の

こんなの

違う

私がなりたかったアイドルじゃない

中年男性

アイドルで食っていきたいんでしょ？

足枷由香

！

中年男性

ここにいる子達はみんな、
何をしてでもアイドルになりたいんだよ

足枷由香

……！

少女A

……

少女B

……

少女C

……

少女D

……

中年男性

君も

中年男性

何がなんでもアイドルになりたいんだろ？

中年男性

だから誘ってあげたんだよ？

中年男性

だから水着衣装を提供してあげてるんだよ？

足枷由香

……

足枷由香

……ぁ、、、、、あ……

中年男性

もしかして

嫌なの？

中年男性

アイドルなりたくないの？

足枷由香

違います……！

足枷由香

な、なりたいです……、

足枷由香

全然

足枷由香

そういう訳じゃないです、、！、

足枷由香

あ、あはは、

足枷由香

あは、……

中年男性

……なーんだ！びっくりしたー！

中年男性

あ、

中年男性

君たちのスマホに自動的にGPSを登録させて貰ったから

中年男性

これから先逃げることはできないからね？

足枷由香

！

少女A

！

少女B

！

少女C

！

少女D

！

中年男性

ただ

中年男性

アイドルとして王手企業からスカウトされた時は別だ

中年男性

万が一嫌になっちゃったら、
王手企業に認めて貰えるように頑張るしかないから、よろしくねー！

少女A

はい

少女B

はい

少女C

はい

少女D

はい

足枷由香

……っ

足枷由香

はい

ごめんなさい

お父さん

お母さん

足枷由香

(私もう)

足枷由香

(戻れなくなっちゃった)

@77 足枷由香の話③

少女A

由香

少女A

今日はおつかれ

足枷由香

……！

地下室から出てきた少女Aと由香

ほかのメンバーはもう解散していた

足枷由香

……あ、えっと

足枷由香

あなたは

少女A

名前なんて次会う時でいいよ

足枷由香

……

足枷由香

……っ

足枷由香

……その！、、ごめんなさい、

足枷由香

止めようとしてくれてたのに……

足枷由香

私さっき……！

少女A

いや、いいわよ

少女A

まぁ流石に、健全な普通のアイドルだと思って来てたのは衝撃だったけど

少女A

水着で歌って踊るなんて

少女A

……冷静に死ぬほど気持ち悪いわよ

足枷由香

……

足枷由香

私

足枷由香

どうしよう

少女A

……え？

足枷由香

お母さんに言っちゃったの

足枷由香

ここでスカウトされたんだよって

足枷由香

アイドルとしてやっと

足枷由香

私も一歩進めるんだよって……！

少女A

……っ！

足枷由香

ねぇどうしよう

足枷由香

どうしよう……！

足枷由香

こんな場所だったなんて全然知らなかったし

足枷由香

……あの時ちゃんと

足枷由香

お父さんの言うこと聞いてれば……！

少女A

まだ大丈夫！

足枷由香

……え？

少女A

まだ大丈夫

少女A

一歩進めてるのは事実だから。

足枷由香

……どういうこと？

少女A

確かに、
ご当地アイドルの詳細はもうこれ以上親御さんに言わない方がいいと思う

少女A

私の場合は全部隠してる

少女A

……確かに最低最悪の環境だと思う
だけど

少女A

ファンを増やせば、
王手企業からスカウトされる可能性だってある

少女A

その可能性は、
前よりも絶対高くなってるはずなのよ

足枷由香

……

少女A

……

少女A

だからさっさと王手企業に行きましょう

少女A

こんな汚いアイドルから抜け出そう

少女A

一緒に……！

足枷由香

……っ、、、うん、、、、！

足枷由香

……そ、それなら、

足枷由香

お母さんとお父さんには……

少女A

そうね、まだ内緒にしておきましょう

少女A

適当なことだけ言っておいて、
ライブも絶対行かせないように

足枷由香

……うん、分かった

足枷由香

本当に……っ

足枷由香

本当にありがとうね……！

少女A

お互い様よ！

少女A

私もアンタみたいな子に会えて良かった

少女A

それだけで後悔してないんだから

ガチャ

足枷由香

……ただいまー！

お母さん

あらおかえりー

お母さん

ちょっと遅かったじゃない

お母さん

まぁアイドルデビューしたしお忙しいもんか！うふふふ！

足枷由香

…………

足枷由香

……

足枷由香

(……)

隠さなきゃ

何がなんでも

絶対に

足枷由香

デビューしちゃったからねーん！

足枷由香

あははは！

足枷由香

ねぇお母さん

足枷由香

今日の夜ご飯なになに？

お母さん

今日はねー

お母さん

お祝い記念に由香の好きな

お母さん

ハヤシライスなのよー？

足枷由香

……っ

足枷由香

やったー！

足枷由香

お母さんほんとありがとう！

お父さん

おい由香

お母さん

……！

足枷由香

……

足枷由香

お父さん

足枷由香

どうしたの？

お父さん

アイドル名なんていうんだ

お父さん

変なグループじゃないか調べないとな

ドクン……

お母さん

もーうあなたってば

お母さん

やっと娘のやりたいことを受け入れてくれたと思いきや

お母さん

すぐ疑ったりするんだから〜

お父さん

だとしても気になるだろ

お父さん

なぁ

お父さん

なんて名前なんだ

足枷由香

あ……っ

足枷由香

えっと、

足枷由香

その……

お母さん

……由香？

お父さん

恥ずかしくて言えないのか？

お父さん

それなら名刺を見せろ

足枷由香

……

足枷由香

……まだ

お母さん

！

お父さん

……

足枷由香

これから結成する感じらしくて

足枷由香

グループ名はまだ決まってないの

足枷由香

ごめんね……！

お父さん

……

お父さん

……失礼

お父さん

そうだったのか

足枷由香

……

この言い訳は

何日持つかな

足枷由香

……

足枷由香

(さっさと)

足枷由香

(王手企業に行かないと)

あれから5年後

由香はまだ

｢キュート♡デコレーション｣に所属していた

次話 6月26日更新！

凍てつく街のレアル

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