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夏の海の星月夜

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夏の海の星月夜

32 - 第五章音楽の秋の冬音色

♥

24

2021年08月01日

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佐山翔

はぁ…

結局竹井の薦めで

オーディションを受けた

佐山翔

はは、受かるなんてな

帰りのホームルームはもう終わって

放課後の雰囲気がながれ

学校にはまだ強い西日がさしている

佐山翔

眩しいなあ

サッカー部のかけ声が聞こえる

佐山翔

(早く荷物まとめて部活にいこう)

佐山翔

(ユニフォーム持ってきたっけ)

先輩

もう!!

先輩

し!静かに!

先輩

誰かに見られちゃうだろ?

手と手が繋がっている

あれが初々しいと言うだろう

先輩

そ、そうだけど…

佐山翔

(げっ!!)

佐山翔

(先輩たちじゃん…)

佐山翔

あっちの階段からおりよう

と方向転換して階段に近づいたとき

佐山翔

あっ!

夏風莉帆

あっ!

夏風莉帆

班t…

夏風莉帆

っじゃなくて佐山先輩

佐山翔

お、おう

佐山翔

お前もオーディション?

夏風莉帆

うん

夏風莉帆

まあ、私のクラス一人なので多分受かります笑

佐山翔

俺は受かったよ

佐山翔

莉帆のやつに近い感じで

夏風莉帆

あ、そうなんですね

莉帆が笑顔になる

佐山翔

(か、可愛い…)

夏風莉帆

おめでとうございます!

夏風莉帆

私も頑張らなきゃ!!

佐山翔

何弾くの?

夏風莉帆

威風堂々です

楽譜をみせてくる

佐山翔

あ、あれか

夏風莉帆

はい

佐山翔

合唱曲じゃなくていいのか?

夏風莉帆

実は…落ちる気だった…んです

佐山翔

そうなのか

夏風莉帆

まあ、とある人がオーディション受けるって知ったので

佐山翔

(?!)

佐山翔

(誰だろう)

夏風莉帆

先生に確認をとったら

夏風莉帆

OKがでたんです

佐山翔

なるほど

佐山翔

よかったな

夏風莉帆

はい!

夏風莉帆

じゃあまた……

佐山翔

あ、あのさ

思わず止めてしまった

佐山翔

また公民館で…弾ける?

佐山翔

あの曲

夏風莉帆

え?

佐山翔

(何言ってるんだ俺…)

夏風莉帆

いいですよ!!

佐山翔

!!

夏風莉帆

また小学生のとき以上の

夏風莉帆

アレンジを入れてやります!!

佐山翔

あぁ!

佐山翔

ありがとう!!

クルッと回ってこっちを見る

夏風莉帆

楽しみです!

佐山翔

よし!きまった!!

本日15本目のアタック

すべて決まっている

小早川冬貴

うわぁぁぁ

小早川冬貴

今日佐山先輩調子が良すぎる!!

部活内対抗

3vs3

井上一真

ナイス!!

井上一真

佐山くん!

佐山翔

一真もナイストス!!

ハイタッチする

小早川冬貴

ううう

井上一真

なんだよ冬貴

小早川冬貴

いつも先輩がセッターなのに

小早川冬貴

なんでお前が今日セッターなんだよ…

井上一真

佐山君のアタックがチーム一早いのに

井上一真

なんでセッターやってるかっていうと

井上一真

トスが完璧だから

井上一真

でもこのアタックを活かすためには

井上一真

セッターにはなっちゃいけない

井上一真

ので俺がセッターをやって

井上一真

田中先輩はリベロだからそれを活かす

井上一真

そういう作戦さ

佐山翔

(すごい分析力)

小早川冬貴

ぐぬぬ

小早川冬貴

先生!タイムアウトとります!!

学校から帰って自室

佐山翔

うん

佐山翔

うん

佐山翔

そうなんだ

佐山翔

分かった

佐山翔

いえいえ

佐山翔

じゃあな

ピッ

竹井から電話がかかってきた

佐山翔

(バスケ部のメンバーばんばん言われても)

佐山翔

(わからん…)

いつ公民館に行こうか

そう、期待をふくらませる

佐山翔

(誘ったはいいけど)

佐山翔

(どうやって莉帆に日時を伝えれば…)

佐山翔

いいんだ!

メールも知らない

佐山翔

大事すぎることを忘れていた…

佐山翔

あ、そういえばあの楽譜…

本棚の奥の方にひっそりと隠しておいた

楽譜を取り出す

不格好にネームペンてファイルに

星月夜

と書いてある

佐山翔

これこれ

佐山翔

(これは俺のだけでは不完全)

莉帆のを合わせると

完璧になる

佐山翔

懐かしいなぁ…

頭の中に流れ出すメロディ

あの頃の輝かしい夕日が脳裏にうかぶ

夏風莉帆

佐山君はなんでいつも一人なの?

小学4年の春の下校途中

一人で歩いていたら

声をかけられた

佐山翔

君も一人じゃないか

夏風莉帆

私は途中まで友達がいる

佐山翔

……本当に友達かよ

夏風莉帆

!?

佐山翔

いじめられてるんだろ

夏風莉帆

いいや、あれは友達の中の

夏風莉帆

嫌がらせというか

佐山翔

へぇ

佐山翔

本気でそう思ってるの?

佐山翔

やり返ししないのかよ

夏風莉帆

しない…

佐山翔

なんで

佐山翔

できないとかっていうのかな?

夏風莉帆

そうだよ!!

夏風莉帆

私には…無理

夏風莉帆

というか、あの子達にそういう感じで

夏風莉帆

仕返しは違う気がする

夏風莉帆

私がもっと幸せになれば見返させる

佐山翔

へぇ…

佐山翔

友達やめて

佐山翔

俺とこい

夏風莉帆

なんで、貴方とはまだ友達ではない

佐山翔

嫌がらせしてくるやつは友達にするのに

佐山翔

優しくするやつは友だちじゃないってか

佐山翔

まあ俺は別にいいけど

夏風莉帆

!!

夏風莉帆

待って!!

夏風莉帆

私は夏風莉帆

佐山翔

!!

夏風莉帆

貴方は?

佐山翔

佐山翔

佐山翔

ぼっち同士

佐山翔

仲間だな

夏風莉帆

…!!

夏風莉帆

うん!

夏風莉帆

よろしくお願いします!

俺はこうして出会った

莉帆に

星月夜は俺らが書いたわけではない

有名な歌手が書いたわけでもない

とある独身のおじいさんだった

おじいさんと出会ったのは

莉帆と趣味があったところから始まる

俺が小学6年、莉帆が小学5年

夏風莉帆

佐山君って特技何かあるの?

佐山翔

うーん……

佐山翔

誰にも言わない?

夏風莉帆

うん!

佐山翔

本当に?

夏風莉帆

うん!

佐山翔

じゃあ1回しか言わないから

佐山翔

ちゃんと聞いとけよ

佐山翔

ピアノ…

夏風莉帆

ピアノ?!

夏風莉帆

本当に?!

夏風莉帆

私もだよ!

佐山翔

え?

佐山翔

そうなのか?

夏風莉帆

ねえねえ!

夏風莉帆

一緒に連弾しようよ!

佐山翔

え?どこで…

夏風莉帆

私のとっておきの場所があるの

佐山翔

夏風莉帆

佐山君は引っ越して知らないと思うけど…

夏風莉帆

公民館にいこう!

そう言って腕を引っ張られた

佐山翔

な、なんじゃここ!!

夏風莉帆

公民館だよ

夏風莉帆

なんかね

夏風莉帆

超古い建物をずっと使ってるから

夏風莉帆

なんか豪華とかなんとか

夏風莉帆

って言ってた

夏風莉帆

あ、ほらほらあそこ!

夏風莉帆

グランドピアノ

佐山翔

!!

西日の強い光に照らされて

輝く鍵盤

「ご自由に引いてください」

佐山翔

夏風莉帆

ここ全然人来ないから

夏風莉帆

ずっと弾ける

佐山翔

勝負しよう

佐山翔

どっちが上手いか

夏風莉帆

お!いいよ!

夏風莉帆

曲は?

佐山翔

うーん…

佐山翔

貴婦人の乗馬知ってる?

夏風莉帆

うーんと…

夏風莉帆

乗馬のことかな、

夏風莉帆

あの

夏風莉帆

ジャン ジャン ジャン ジャン♪

夏風莉帆

ジャッタラー ジャージャン♪

佐山翔

あ、そうそう

夏風莉帆

OK

夏風莉帆

暗譜うまくできてるかわからないけど

佐山翔

いいよ

佐山翔

俺が勝つだけだから

夏風莉帆

え!

夏風莉帆

それは駄目!

謎のおじいさん

き、君たち

佐山翔

ん?

夏風莉帆

ん?

謎のおじいさん

ピアノが弾けるのか!!

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