@手術室-新海side.-
緋山先生
おめでとうございます。
可愛い女の子ですよー。
可愛い女の子ですよー。
緋山が患者に声をかける。 その目をとても優しくて慈愛に 満ちている。
緋山先生
お母さん、今度はお母さんの治療しましょう。大丈夫ですよ。
少し眠くなりますけど、目が覚めたら赤ちゃん待ってますからね。
少し眠くなりますけど、目が覚めたら赤ちゃん待ってますからね。
緋山がそう言うと、患者は安心したように笑みを浮かべ目を閉じた。 しばらくして、
緋山先生
縫合終わったから。
あとはよろしく。
あとはよろしく。
藍沢先生
あぁ。
新海先生
ありがとうございます。
藍沢と新海は答え、オペを進めた。 摘出も無事終わり、もう縫合だけだから、たワイもない雑談が始まる。
新海先生
面白いな、彼女。
新海が笑みを含んだ声で話すと
藍沢先生
珍獣だ。
と、藍沢がポツリと呟く。
新海先生
珍獣って、お前ひどいな。
で、その珍獣には飼育係入るのか?
で、その珍獣には飼育係入るのか?
藍沢先生
いや、扱えるやつはいないだろ。
新海先生
なんだ、野良か。
いい女なのにもったいない。
藍沢先生
懐かせてみるか?
新海先生
どうするかな?
新海がニヤリと笑った。
藍沢先生
かなり手こずると思うけどな。
お前でも。
お前でも。
新海先生
へえ。
『おもしろい。』と、新海が笑う。
藍沢先生
酒
新海先生
は?
藍沢先生
酒を飲ませとけばご機嫌だ。
緋山が聞いたら、 『人のことを呑兵衛みたいに 言ってるんじゃないわよ!』と、 怒りそうなことをさらりと藍沢は 言った。
新海先生
心に留めておくよ。
新海が笑って、縫合を進める。 パチンと縫合糸を切り、 カチャリとクーパーを置くと、 新海は、ふぅと息を吐いた。
新海先生
よし。完璧だ。
明日には赤ちゃんに会えるな。
明日には赤ちゃんに会えるな。
藍沢先生
あぁ。
二人は頷きオペ室を出た。