ザワザワと少し騒がしい教室は教師と私が入ったあと直ぐ静かになり担任が「転校生を紹介する」と言われ私は教卓の前に立たされた
担任
転校生の音桜だ、家庭内事情の為余り深く聞かないように
音桜(ねお)
…どうも、○○県から引っ越してきた音桜です
ペコッと頭を下げ無気力な顔を見せると金髪の女の子が「お前、俺と同じ顔してんな」と一言放った
音桜(ねお)
(同じ顔…?比喩か?それとも…そういう意味か…)
少し気になったが…担任に座る席を教えられ窓際の席に座った
隣には「俺翠羽!よろしくな!」と凄い明るい笑顔を見せて来た
音桜(ねお)
…(そんな事よりも私は母さんが心配なんだけどな…)
頬杖をついて私は今から始まる授業を聞く
授業の合間の休み時間に話し掛けてくる人はもちろん居た、でも…1番話しかけて来た人は…海鈴って人と魁斗って人と翠羽って人
結構……と、言うか大分というか…まぁ相当無愛想な返事を返しているのだがそれでも一日に10回ぐらいは話しかけられた…
音桜(ねお)
……(お昼休みでも普通に話し掛けてくるしこの様子だと下校中でも話し掛けられそうだな…)
今はお昼休み…先程の3人がいない間のつかの間の休息である
つかの間の休息中に急いでご飯を食べ逃げようと思っている時、とある2人に声をかけられた
鈴
ねぇ、音桜ちゃん…だっけ、あの3人の面倒大変でしょ?
音桜(ねお)
んぇ…っと……
戸惑っていると2人は軽い自己紹介をしてくれた
鈴
私は鈴、魁斗達とは知り合いなんだ、中学からのね
莉愛
同じく莉愛、あの馬鹿どもの保護者(ダチ)
音桜(ねお)
ん……よろしく…
そう返事をしてからあの3人から逃げるために席を立とうとしたら2人に腕を捕まれ中庭らしき場所まで引き摺られた
莉愛
ここら辺ならいいな…あいつら運動神経は良いが勘は悪いからな
音桜(ねお)
えっと…
戸惑っていると2人は私の腕から手を離し「なんかあってこっち来たんだろ?」と莉愛が話題を振ってきた
音桜(ねお)
……何か知ってるみたいに言うけど…その確証はどこから来てるの?
莉愛
さっき言っただろ、俺もそうなんだ
音桜(ねお)
…もしかして……誰かが死んだ?
鈴
そう、だからその顔…その生気のない目を見た時ぱっと気づいたんだ
音桜(ねお)
…なら、察して、こっちに来た理由は……母親の記憶が戻らないようにするため
莉愛
お前だけ話させんのもなんかわりぃしよ、俺らのも話してやるよ
鈴
あたしは虐待のせいで中学の時に親元離れて施設に入ったんだ
莉愛
私は両親がヤク中でな、結構酷いことされてこいつ同様施設に入ったんだ、施設に入った時にこいつとは知り合ったんだ
音桜(ねお)
……私は…父親が去年死んだんだ、交通事故でな……そのショックで母親は記憶を失って…たまたま母親がその道を通った時に記憶が戻って殴って来たんだ
鈴
記憶が戻らないように音桜ちゃんの独断でこっちに?お母さんも一緒なの?
音桜(ねお)
まぁ、ね…私のことも忘れて今は「拾った子供」として扱われてるよ
なんて話しているとあの3人が私をみつけて二階の窓から飛び降りて来た
音桜(ねお)
ゲッ…