/s/[storyId]/_components/heading/assets/back_arrow_icon.4081080bcaba67b8.svg){kind=icon}
/s/[storyId]/_containers/report-container/assets/more-icon.20cfac1b79e24f56.svg){kind=icon}
先生
大原、お前だけだぞ
先生
進路相談、白紙で提出なの
大原 夢美
……
先生
先生
大原、なんかもっとないのか？
先生
なんでもいいんだ
先生
なりたいものとか
大原 夢美
ないです
先生
即答だなァ😅
先生
大原、お前は先生の昔に似てるよ
大原 夢美
……昔？
先生
先生も、昔はやりたいものなんてなかったさ
先生
でも今はこうして先生してる
先生
大原、お前は文系の成績が非常に良い
先生
何かに活かせると思わないか……？
屋上
大原 夢美
……そんなこと言われたって
大原 夢美
正直に言っても……
更木 蒼介
更木 蒼介
何かあるの？夢
大原 夢美
……あなたは誰？
更木 蒼介
あぁ、ごめんごめん、俺は更木蒼介
更木 蒼介
お前は？
大原 夢美
お、大原夢美
更木 蒼介
夢美か、いい名前だな
大原 夢美
……あ、ありがとう
更木 蒼介
お前も進路相談、白紙提出？
大原 夢美
お前も……ってことは
更木 蒼介
俺もだよ〜✌️😊
大原 夢美
え、でも先生、お前だけって
更木 蒼介
先生はみんなそういうんだよ
大原 夢美
そうなの……
更木 蒼介
で、夢って何？
大原 夢美
……小説家
大原 夢美
に、なりたい
更木 蒼介
小説家……
更木 蒼介
いいじゃん
更木 蒼介
俺も一緒だよ
大原 夢美
え……
更木 蒼介
って言っても、漫画家か小説家、迷ってるんだ
大原 夢美
……
大原 夢美
そうなんだ
更木 蒼介
でも、夢美は一つに絞れてるんだろ？
更木 蒼介
ならどうして…
大原 夢美
バカにするんだもん
大原 夢美
みんなみんな
大原 夢美
小説家になんて、なれっこないって
大原 夢美
家族も、友達も、先生だって
大原 夢美
小説家になるなんて、大変なことなんだぞって
更木 蒼介
……俺も
更木 蒼介
確かにそんなことわかりきってる
更木 蒼介
わかった上で、俺はこれをやりたいってのを見つけた
更木 蒼介
なら、夢美もそれでいいんじゃない
大原 夢美
……それで、いい
更木 蒼介
俺は、どっちになりたいか、まだわからない
更木 蒼介
でも、夢美は決まってる
更木 蒼介
その道を、突き進んでいけばいいと思う
大原 夢美
…ありがとう
大原 夢美
私、ちょっと頑張ってみようかな
更木 蒼介
おう
大原 夢美
あ、そろそろ教室に戻らなきゃ
更木 蒼介
あ、俺毎回授業サボってっから
大原 夢美
ダメだよ、そんなこと
更木 蒼介
うーん
更木 蒼介
でもやっぱりここが落ち着くし
更木 蒼介
ま、寂しくなったらまたここに来いよ
大原 夢美
……わ、わかったよ
教室
クラスメイト
あ、大原さん
クラスメイト
進路相談どうだった？
クラスメイト
先生の話長かったでしょー
大原 夢美
う、うん
大原 夢美
まあね
クラスメイト
にしてもすごく時間かかったね
大原 夢美
あぁ、ちょっと屋上行ってて
クラスメイト
……え？
クラスメイト
屋上って、ついこの前閉鎖になったんじゃなかった？
クラスメイト
なんでも男の子の幽霊が出るとかで生徒が大騒ぎして……
大原 夢美
……男の子の、幽霊……？
大原 夢美
！！
そのあと、屋上に続く階段に向かっても、そこには
立ち入り禁止の文字しかなかった
大原 夢美
…どうして
大原 夢美
……
その年の冬の小説コンクールで、ひとりの作家が受賞した
小説家、更木夢美の誕生だった
生徒
ねぇ、あれでしょ？
生徒
小説家の……
生徒
もう雰囲気からして違うよね
大原 夢美
……
生徒
デビュー作は確か
生徒
「屋上で出会った…」
生徒
だよね
生徒
屋上で出会った男の子の幽霊に、夢を応援される
生徒
すごくいい話だったね
大原 夢美
あのあと、屋上は開くことがなかった
大原 夢美
でも、私はとっても感謝してる
大原 夢美
夢は、諦めたら終わりだよね……
大原 夢美
ありがとう
大原 夢美
更木蒼介くん
大原 夢美
みんなも、自分の夢を
大原 夢美
追いかけて
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。
