モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
モブ
クラスの中心にいる陽キャたちの話し声や笑い声。
それを少し離れた自席で聞いている俺。別に盗み聞きをしているわけじゃない。ただ彼らの声がでかすぎて嫌でも聞こえてきてしまう
ポケカメン
そうつぶやくと前の席に座っている男に声をかけられる
まいたけ
この男はまいたけ。さっき女子が言っていたこの学園の少数のイケメンのうちの一人だ
まいたけもさっきの彼らと同じく陽キャの部類の人間だがなぜかそれよりも俺と話したい、と周りを気にかけず陰キャの俺と関わってくれる極少ない俺の友達
ポケカメン
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
正直陽キャはあまり好きじゃない。俺が陰キャで元々たくさん喋るタイプじゃないこともあってクラスの中心でワイワイ騒いでいる陽キャは少々苦手で関わりを持ちたくない。できれば同じ部類の人間が来てくれたらいいんだけど
モブ
モブ
モブ
モブ
まいたけ
モブ
モブ
まいたけ
先生
先生が教室に入ってきてさっきまで騒いでいた陽キャ達も自席に戻り教室が一気に静寂になる
先生
モブ
モブ
モブ
先生
モブ
モブ
先生
モブ
モブ
またザワザワとしだした生徒達を気にせず教室の外にいる転校生へと先生が声をかけるとドアが開いて男の子が黒板の前へと歩いていく
歩く度に揺れ動くサラサラとした綺麗な紫色の髪の毛に飾られた黄色と青色の星型のヘアピン、窓の光に照らされて光る澄んだ水色の瞳とモデルのようにすらっとした体型にこの世のものとは思えないほど整った顔。全てが完璧でまさに理想のイケメンだ
歩く姿すらも絵になっていて黒板の前へと歩く姿はスローモーションをしたかのようにゆっくりに見えた
そして彼の第一声
ゆぺくん☆★
ゆぺくん☆★
そうニコッと笑いかけると教室内は女子達の甲高い叫び声で埋め尽くされた。なかには耳を塞いでいる男子や大人しめの女子もいて正直めちゃくちゃうるさい。まいたけもそうだったようで耳を塞いでいる後ろ姿が見える、もちろん俺もそのうちの一人だ
モブ
モブ
モブ
モブ
うるさい
きっと教室内の騒いでない人達みんなが思っていることだと思う
先生早くとめてよぉぉ…などと思っていたら静かに、と声をかけてくれて一度落ち着いたがまだずっと小声でなにか喋っているらしく内容は聞こえないがコソコソと声が聞こえる
一つ気になったのはあんなにうるさい教室内に一切動じずずっと笑顔を絶やさない彼、転校生のゆぺくんが少し不気味に見えた
染めている髪の毛にカラーコンタクト、ピアスまで空いていてまさに絵に書いたような陽キャだ
先生
ポケカメン
まいたけ
モブ
モブ
先生
モブ
こっちとしてもあの女子の隣に行ってほしい。正直陽キャと関わりは持ちたくない。それを知ってかまいたけも先生を説得しようとしてくれたが理由が的当たっていてそうせざるおえないのかとみんな諦めてしまった
教室がしんとするとゆぺくんが俺の方へ近寄ってきてそのまま隣の席に座る
よろしく、と先程のように笑いかけられるが俺は苦笑いで生返事しかできなかった
まいたけ
まいたけがこっちみているような気がしたのはきっと気のせいだ
昼休み、案の定ゆぺくんの周りには沢山の女子が群がり始めて隣の席なせいで女子の波に飲み込まれそうになる
ポケカメン
女子に体を押されて思わず転びそうになった所をまいたけに腕を引っ張られてそのまま胸の中に飛び込むような形になった
まいたけ
ポケカメン
モブ
モブ
まいたけ
モブ
まいたけ
モブ
ポケカメン
まいたけ
モブ
モブ
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
そのまま二人で教室を後にした
ゆぺくん☆★
ゆぺくんが転校してきてから約数ヶ月 相変わらず女子からの人気がすごくて休み時間の度に隣の席である俺にも被害が及ぶのをほんとにどうにかしてほしい
ポケカメン
なんて呟きながら一人廊下を歩いていると空き教室の扉が開いていて中に誰か入ってるのかと近寄ろうとすると中から息切れをしているような声が聞こえて体が固まる
一瞬幽霊かと思ったが確かに一定のリズムで頑張って息を吸って吐いてを繰り返している呼吸音が聞こえ誰かが倒れているのかと思い心配になって思い切って扉を開くと床に座り込み壁に背を預けているゆぺくんがいた
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
顔色は悪く息も荒い。熱があるのかと思い近寄ろうとすると来るなと半ば叫ぶように怒鳴られてしまった
ポケカメン
ゆぺくん☆★
心做しかいつもと口調が違うような気がするがきっと体調が悪くて気がたっているのかと思いそんな気にしなかった
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
この時ゆぺくんの忠告をしっかりと聞いていればよかったと後悔するのは未来の俺
ゆぺくんに近寄るとグイッと腕を引っ張られて足を伸ばして座っていたゆぺくんの太ももに座らされワイシャツの第三ボタンまではだけられた
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
耳元で囁かれた聞いた事のないゆぺくんの圧のある低い声に体がビクッとなり固まった
すると口に狐を描いてはだけられた俺の首元へ顔を寄せたと思えばプチッと音がして首元に痛みが走った
ポケカメン
ちゅー、と体から血液を吸われて体が震える 歯で開けた肌から血を吸ったり鎖骨にこぼれかけた血を舐めとったり首元を好き勝手されてくすぐったさから嬌声ような声がでてきてしまう
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ようやく口が離れたと思えば最後にペロッとひと舐めされまた声が溢れる
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ニヤッと笑った彼の歯には二つの八重歯がついていた
アニメや漫画で聞いた事のある生き物、ヴァンパイア。人間の血液を吸う怪物だ まさか現実世界に存在するとは思っていなかった
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ゆぺくん☆★
顔を近づけられグッと固定され動かせなくなる。そのまま唇が触れ合いそうになった瞬間
まいたけ
ポケカメン
まいたけ
ゆぺくん☆★
まいたけ
ゆぺくん☆★
まいたけ
まいたけ
ゆぺくん☆★
ゆぺくん☆★
ゆぺくん☆★
まいたけ
ポケカメン
ゆぺくん☆★
ポケカメン
ポケカメン
まいたけ
ゆぺくん☆★
ポケカメン
治そっか、と一声かけられまた首をペロッと舐められた。今度はまいたけだって見てるのにまた声を出してしまって恥ずかしさで顔が熱くなる
ゆぺくん☆★
ゆぺくん☆★
ポケカメン
まいたけ
ポケカメン
突然後ろから腕を引かれて嗅ぎなれた香りに包まれる。瞬時にまいたけに抱きしめられていることに気がつき少しホッとした
まいたけ
まいたけ
ゆぺくん☆★
次の日から二人の壮大な奪い合いが始まるのはこの時の俺はまだ知らない