彼が俺を溺愛する

颯side

和音との一件の翌日。 俺のクラスに転入生が 来た。

夏休み1ヶ月前の転入生に 微妙だなぁ〜という空気が 教室に流れている。

　担任の紹介と共に 男子生徒が入って来た。

顔が整ったいわゆる イケメン系。

女子たちの噂話が あちこちから聞こえる。

　そっけない挨拶に 教室が静まり返る。

担任の言葉にムッとするものの 転入生だからというお人好しが 発動する。

俺は親しみやすく 話しかけたつもりだった。

　が､武川くんは俺の顔を 見るなり嫌悪感を露わにした。

それからキッと俺を 睨むと顔を逸らした。

　まるで狼が牙を剥くように。

お昼休みです！

昼休み､和音が俺を 訪ねて来た。

前日の告白が嘘のように 和音は元気そうだった。

ぼーっとしていると 桃に声をかけられる

桃の言うことに 恐怖を覚える。

桃はポンと俺の頭に手を 置いて自席に戻っていった。

俺は弁当を食べ､机に突っ伏し 昼休みが終わるのを待った。