ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
雲ばかりの空が視界を覆い尽くす。 気分が悪い。とても憂鬱だ。 何故こうなっているのかは分からないけれど、少なくともあの上司のせいだろう。 元はと言えば、あの会社に入社したのが間違いだった。 中卒の俺が必死に入社しようとして入った会社。 そこでは高卒や大学卒業の奴もいて、俺が中卒だと知ると馬鹿にしてきた。その馬鹿にしてきた奴等のなかでも、あの上司は嫌がらせや自分の仕事を押しつける等してきた。 そのおかげで定時まで帰れない日々が続いている。
お兄さん
更には祖母が亡くなり、祖母が住んでいた家を俺が引き取る事になった。 俺は祖母の家が嫌いだ。 昔から何かがいて、気味が悪かった。それが何かかは知らない。けれど、幽霊とかじゃなかった。 小さくて丸い…饅頭みたいな気味の悪い奴。俺が食事中も奴等の声は聞こえた。 変に調子の狂った歌、叫び声、餓鬼の様なおどつかない声…嫌いだった。それを聞くだけで虫酸が走った。いや、怖かったんだ。 あまりにも現実味が無かったから。
お兄さん
築100年近くの家。 ボロボロで素人が作った様な和風の家。石垣から縁側が見え、俺はそこに座った。 鍵は持っている為、縁側の窓の鍵は開いている。 少し休んだ後に俺は玄関の鍵を開け、埃っぽい部屋に入った。
予想通り、家具は埃を被っていて、生活をしている様子は無かった。 次に居間へ行くと、そこも同じだった。 階段を登り、使われていない子供部屋へ行くと、そこも同じだったが、屋根裏部屋を発見した。 案の定、何故か屋根裏部屋は埃を被っていなかった。 ただ、真っ暗で懐中電灯が必要だと思い、降りようとしたのだが、その屋根裏部屋の奥で、か細い声が聞こえた。 それは寝言の様だった。
ゆうう…ゆっ…あまあまさん…。
お兄さん
意味不明な言葉の主を見つけると、俺はソイツを屋根裏部屋に続く梯子からボロボロの布団に投げてしまった。 ソイツは饅頭みたいなのに髪に顔に変なリボンを着けていた。 しかも、ソイツは喋った。 俺はあまりの現実味の無さに梯子から転げ落ち、ソイツの隣に倒れた。 ソイツは未だに寝ていて寝言を言っている。 恐怖で動けずにいるとソイツは起きて喋った。
ゆ?人間さん、ゆっくりしていってね❗
お兄さん
何だ、何だコイツ!? 怖い、怖い、怖い!
お兄さん
???
お兄さん
???
お兄さん
???
お兄さん
???
なんだよ、コイツ!? れいむって言ってるし、ただの一人称なのかよ!?
???
お兄さん
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
ゼル
コメント
2件
短いねぇ…。