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今日はこの前の村の騒動もあって、僕と出雲だけではなく眞琴と八橋も事務所にいた。
宮田 眞琴
月見 晴翔
出雲 治
あんなに、というのは引き摺り回されたことで擦り傷が多かったことだろう。
月見 晴翔
出雲 治
ぐうの音も出ないらしい出雲は、ふいとそっぽを向いてしまった。
月見 晴翔
八橋 渉
八橋 渉
月見 晴翔
どうやら僕が早めに呼んでおいた警察が良く働いてくれたようだった。
主犯格も捕まえられて、犯罪の隅々まで明るみにされた、と警察から連絡が入ったのは今日の朝のことだ。
月見 晴翔
出雲 治
宮田 眞琴
出雲 治
宮田 眞琴
やいやいと言い合う2人を横目に、僕と八橋は顔を合わせて苦笑いをした。
月見 晴翔
八橋 渉
宮田 眞琴
宮田 眞琴
月見 晴翔
出雲 治
出雲 治
八橋 渉
出雲 治
眞琴のひょんな一言で出雲と八橋が言い争いを始めてしまった。
正直、僕としてはこういう仕事が増えたとて問題は無いのだが__今それを口にしたとて、出雲は聞いてくれなさそうだ。
宮田 眞琴
月見 晴翔
月見 晴翔
リリリン、リリン。
出雲 治
出雲 治
出雲 治
出雲 治
出雲 治
出雲 治
出雲 治
出雲 治
月見 晴翔
出雲 治
月見 晴翔
八橋 渉
宮田 眞琴
一連のやり取りを見て目を丸くする雑誌編集者組。
だが、こんなことはこの事務所では日常茶飯事であるし、そもそも処理速度が速くないとなかなか困る話でもある。
何せ2人で回しているものだから、時間も惜しいのだ。
月見 晴翔
宮田 眞琴
宮田 眞琴
月見 晴翔
出雲 治
出雲 治
月見 晴翔
宮田 眞琴
八橋 渉
八橋 渉
月見 晴翔
八橋 渉
神妙な顔をしてそう呟いた八橋に疑問を持って問いかけてみても、はぐらかされるばかり。
先程の依頼の内容を聞いてだろうか、しかし内容と言っても比較的平和なものだったし聞こえていなかったのではないか。
それともS区についてなのか、確かに僕らは行ったことのない地区だし、実は治安が悪かったりするのかもしれない。
出雲 治
八橋 渉
八橋 渉
曖昧な返答に首を傾げるが、八橋はこれ以上口を割ってはくれなそうだった。
結局そのまま2人は帰っていってしまった。
月見 晴翔
出雲 治
なんの疑いもなくスマホを差し出してくるところには少々驚くが、口にはせず出雲のスマホを淡々と弄った。
出雲 治
月見 晴翔
月見 晴翔
出雲 治
うんうんとスマホを弄りながら首を捻る出雲は、どうやらどこが変わったのかまだ気付いていないらしい。
ま、普通に教えなくても出雲なら自分で分かってくれるだろ__そう思って、彼からは聞かれもしなかったので何も言わなかった。
まだ朝早い時間に車を出して田舎道を走る。
少し戻れば僕らのいた街なのに、ここはどうも農村らしく人気も少ない。
道の両端には田んぼが広がっている。
出雲 治
月見 晴翔
出雲 治
出雲 治
月見 晴翔
出雲 治
ぼうっと外の方を見ながらぽつぽつと言葉を紡ぐ出雲。
前方後方どちらからも車は来ていないことだからとスピードを緩めて彼と同じく外を見てみる。
月見 晴翔
出雲 治
同じ方向を見てみるとそこには、田んぼの中心でくねくねと蠢く白いナニカがいた。
__見ちゃいけない。
そう直感した。
出雲 治
そう言ってじっと外を見つめる出雲。
僕は彼の問いには答えずに、やはり車は1つとてなかったからアクセルを踏み込んだ。
月見 晴翔
出雲 治
出雲 治
月見 晴翔
僕が声を荒らげたからか、彼は肩を跳ねさせてそのまま俯いてしまった。
田舎道を抜けて山道に入るまでは沈黙が続いた。
しかし彼も落ち着いたか、思い出したかのように口を開いた。
出雲 治
月見 晴翔
月見 晴翔
月見 晴翔
月見 晴翔
出雲 治
僕らがそう言うのは、出雲の兄__出雲雅が図書館司書をしていて、更には"そういうもの"の研究らしいことをしていたからだ。
偶に雅のフィールドワークに付き合わされたこともあったが、流石雅というのか危険もあまりなく、あったとしても彼には宛があるのでこうして生きている。
それなりに凄いやつなのだ。
月見 晴翔
ぽつり、呟いてS区に行くべくT字路を右手に曲がった。
出雲 治
今日ここS区まで呼ばれたにも関わらず、依頼は数時間で終わってしまう程度のものだった。
そのため、現在の時刻は正午を過ぎたばかりだ。
月見 晴翔
出雲 治
僕らが今いる場所はS区で最も大きな商店街通りで、丁度お昼時のためそこらのレストランには行列ができている店もある。
どうせなら、ということでS区の美味しいレストランを検索しようとスマホを取り出した。
刹那、晴翔さんと俺の後方から甲高い女性の叫び声が聞こえた。
女性
その後、助けてという言葉も加わった。
月見 晴翔
おそらく俺の考えを読み取ってか、晴翔さんにひったくり犯を捕まえに行くように促された。
こうも人の多い場所ではぐれては困るが、今は俺の隣をするりと抜けて走っていったひったくり犯を捕まえることを優先しようと走り出した。
女性
出雲 治
無事に犯人を捕らえ、犯人は警察に連行された。
タイミングよく警察が来たのはおそらく、晴翔さんが通報していたからだろう。
女性に一頻り感謝を述べられてから、先まで晴翔さんといた方へ向かう。
こういう時の彼ははぐれた場所から動かないタイプだ。
多分そこらの店の影になっているところにいるんだろうな__と思いつつ、彼からのメッセージがないかスマホを弄る。
出雲 治
メッセージもなければ、電話を掛けてみても出ない。
不思議に思って彼のいそうな場所を探していると、見覚えのあるスマホが落ちていた。
出雲 治
慌てて拾い上げて画面を見ると、メモアプリが開かれていてそこにはただ一言だけ。
「位置情報」
本当にただその一言だけだったが、そういえばと昨日彼が俺のスマホを弄っていたことを思い出す。
最悪の事態は想像したくなかったが、自分のスマホの位置情報アプリには彼と俺のスマホともうひとつ、名前のないGPS発信機が車に乗っているかのスピードで別の場所へ行くことが確認された。
出雲 治
帰りは俺が運転する、と車の鍵は預かっていた。
一刻も早く彼を連れ戻すため、俺は彼のスマホをぎゅうと握り締めて車を停めている方へと走り出した。
__[7.奇妙な宗派の地区 ㊦]に続く