いらっしゃいませ、 ホテル「リゾート・プラザ鳴神」へようこそおいでくださいました。
今日はお客様お一人でございますか?
ご予約なしということで承知いたしました。 突然の雨で大変だったことでしょう、 幸い部屋は一室だけ空いておりますのでご安心ください。
来客
最近は飛び込みのお客様も多いようで... リゾート地として鳴神市は歴史も浅いですから、 この天候の変化に戸惑うようですね。
来客
来客
ここはネットでも大々的に宣伝している訳ではないため、 穴場として利用される方も多いそうです。
来客
来客
ありがとうございます。 それではお部屋にご案内いたしますので、 お手持ちの荷物を係りの者にお渡しくださいませ。
従業員
来客
従業員
急な天候の変化によりゴルフ仲間はほとんど帰ってしまったが、私だけ一人でホテルを探すことにした。 慌てて探したけど、雰囲気のよいホテルが見つかって幸運だったな。
ただ...
このホテルまで来た道のりがまったく思い出せない。 車で来たのは覚えているが、運転した記憶がないのだ。 疲れているのかもしれないな、部屋に入ったらゆっくり休もう。
従業員
来客
従業員
来客
従業員
従業員は私に荷物を手渡すと、軽く一礼してその場を去った。 もう少しホテルにある施設のことを聞こうかとも思ったが、疲れていたのですぐに部屋に入りたい気分だった。
泊まる部屋の印象は悪くない。
こんな田舎にあるホテルなので大して期待はしていなかったが、落ち着いた雰囲気の部屋だったので、ここなら家族と来ても申し分ないと思ったほどだ。 雨でゴルフが中止になりふて腐れていたが、このホテルに泊まれたのは収穫だったかもしれない。
...ただ、私には悪い癖があった。
それは泊まるホテルでは必ず部屋に飾っている絵の額の裏側を確認すること。
いい歳して困った話だが、私は小さい頃から幽霊が怖かった。 時々、ホテルの部屋には額の裏側に「お札」を貼っているところがある。 そういうホテルは幽霊が出る確率が高く、夢で出たり、金縛りにあったり、シャワーを浴びている時に出たりする。
私は早速、額の裏側を調べてみることにした。
来客
来客
事情をフロントに聞くため、私は受話器を手に取った。
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