久遠
…罰を刻まれるのはお前の方だ、錨九葉
九葉
ですから、それは白銀彩葉を殺すためのナイフですよ?
九葉
物分かりの悪い子ですね
彩葉
…黙って聞いていれば…
彩葉
あんた…!!
ガチャッ
牡丹
彩葉
彩葉
…お父さん…
牡丹
ごめんな、彩葉
牡丹
でも…俺らは本当の親子じゃない
牡丹
いつか、こうなる日が来るのはわかっていた
彩葉
なんで…
彩葉
なんでよ…
現実はどこまでも残酷で、例え相手が誰であっても容赦はしない
白銀だって、もう限界だろう
母親を失って
父親は偽物で
本当の父親は、恨んでいる奴で
彩葉
…ひどいよ、お父さん…
牡丹
ごめんな
牡丹
そして俺は、お前の友達を殺す
牡丹
弓張久遠、弓張六花、鈴掛咲希
彩葉
…お父さん…
彩葉
そっか
彩葉
本当の家族じゃ…ないんだもんね
彩葉
もう私に家族なんていないようなもんだよね
彩葉
わかった
彩葉
お父さん、私も、お父さんを殺す
久遠
おい、白銀…
彩葉
ごめんね、久遠くん
彩葉
もう戻れないんだ
お父さんだと思っていたものは、お父さんではなかった
何故か、裏切られた気持ちではあるけど、驚きはなかった
お父さんは、私ではない何かを見ていたから
九葉
牡丹には、娘がいたんです
九葉
でも、トラックに撥ねられて死んだ
九葉
白銀さん、あなたを娘に重ねて見ていたんですよ
九葉
別にあなたに興味はなかった
全部わかってる
ごめんね、久遠くん
私はもう、白にはなれない
久遠
おい、白銀!!
例え久遠くんに手を引かれても
戻れない
ごめんね、久遠くん
お父さんだったものに跨り、ナイフを振り上げる
息が詰まる
視界が揺れる
久遠
白銀!!
止めないで、久遠くん
牡丹
そうだ、彩葉
牡丹
俺を殺せ
牡丹
親子共々、地獄の道だ
久遠
やめろ、白銀!
お願いだから、邪魔しないで
私は結局、もう真っ黒なの
久遠くんは、私の手を汚したくないって言ってたけど
私の手は最初から、汚れていたんだ
九葉
駄目ですよ、久遠くん
九葉
彼女の意思を止めてはいけませんよ
久遠
退け!!
九葉
それとも、僕がお相手しましょうか?
久遠
白銀、もうやめろ!!
もう駄目だ
白銀に、俺の声は届いてない
…早く着いてくれ、頼む…
六花
彩葉ちゃん、お兄ちゃん
彩葉
…六花ちゃん…
九葉
…おや、六花さん
六花
…あんた、誰?
九葉
あなたのお父さんですよ
六花
…ああ!
六花
九葉さん
久遠
…?
六花が、何か違う
母さんの面影を感じる
六花
あなた、私のこと捨てたのに、今更何の用?
六花
関係を取り戻そう?
六花
無理だよ
九葉
…才華…?
六花
さあ?
六花
…で、どうしたの?
六花
久遠と彩葉ちゃんに何かした?
九葉
才華…才華!
九葉
僕が間違ってた
九葉
あんな女より、才華の方がずっとよかった
六花
…へえ
才華
失った命は戻らないって、あなた知ってるでしょ?
九葉
才華…
六花
何言ってるの?
六花
お母さんは死んじゃったじゃない
六花
10年前、あなたの所為で
六花
お兄ちゃんや彩葉ちゃんの人生を狂わせて、自分だけ人生を取り戻そうなんて、そううまくいくわけない
六花
…悪いけど、私にとって、あなたはもう過去なんだ
六花
あなたに六花と久遠の父親を名乗る資格はない
六花
私は過去は振り返らないから
六花
あなたはもう他人
六花
…あははっ






