〇〇
行ってきます。
西畑くん
行ってらっしゃい!
最近、
西畑くんが駿佑に似てきてる。
どんどん過保護になっていく。
それが最近一番"嫌"で
またああなりそうで
怯える日々になっている。
大西くん
……佐藤さん。
〇〇
ん?
大西くん
前仕事中に喋ってたあの男の人。
大西くん
彼氏ですか?
〇〇
違うよ。
〇〇
同居人。それだけ
大西くん
そう、ですか。
〇〇
どうしたの?
大西くん
いや、流石に入りたてでなんか話してたので
大西くん
店長に言おうか悩んだなっていうのを
大西くん
思い出して。
〇〇
そう。
大西くん
……好き、なんですか。あの人のこと
〇〇
……………
〇〇
どうだろ。"好き"ではないかな。
大西くん
じゃあなんで
〇〇
私、一応彼氏いるから。
大西くん
え、あの人じゃない…
〇〇
うんそう。
〇〇
家出したけど。
大西くん
家出…
〇〇
うん。私の彼氏、狂愛で
〇〇
狂っているんだ。
〇〇
だから5年間、外に出られなくなって
これには大西さんも驚いていた。
まぁそうだよね。私も、
今でもびっくりだよ。
大西くん
そんな事が…
〇〇
うん。
〇〇
てか、大西さんは?
〇〇
そこら辺どうなの?
大西くん
僕は………
大西くん
います。
〇〇
そうなんだ。どう?充実してる?
大西くん
いえ、思い出すたび辛いです。
〇〇
?
大西くん
……佐藤さん。このことあまり言わないで下さいね。
〇〇
うん、それって秘密?
大西くん
はい。
大西くん
僕の彼女は……何年か前に他界しました。
大西くん
彼女は、優しさの塊で。
大西くん
大学で一人だった俺に話しかけてきました。
〇〇
一人…
大西くん
はい。俺、見た目が女子級なので
大西くん
男子からは「キモい」。
大西くん
女子からは「見てるだけで消えたくなる」と言われ、
大西くん
孤立していました、
〇〇
そ、うだったんだ。
大西くん
彼女は優しいんです。
大西くん
とても、とてつもなく。
大西くん
だから、自分よりも他の人を優先してしまって
大西くん
他界しました。
〇〇
………そっか。
〇〇
優しい…か。
大西くん
誰か周りに優しい人いますか?
〇〇
………いる。
〇〇
同居人は、優しい。
〇〇
私の意志を尊重してくれるから、
たとえ過保護でも
駿佑とは違う。
過保護でも、
意志は尊重してくれるから。
大西くん
………そうですか。
大西くん
佐藤さん。
〇〇
ん?
大西くん
どうしてこの世界は
大西くん
優しい人ばかり、早くいなくなってしまうんでしょう。






