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あれからどれくらいの時が経ったのか

私の時間は完全に止まってしまったのだ

この前までやってたはずのニュースも気がついたら消えている

あの日から何も記憶できなくなって…

自分の年齢すら…思い出せなくなった

思い出せばそこには笑顔の双子の兄がいるから…思い出したくない

月影百合

…もう…疲れたな…

月影百合

(なんで私だけ…こんな思いをしないといけないの…)

色んな人の幸せそうな顔が見たくなかった

自分は苦しいのに笑ってる人たちを見たくなかった

多分何日か経ったその日はずっと雨だったような気がする

ベンチに腰掛けずぶ濡れになってる自分を皆が避けていく

変な人だと思われているのだろう

どれくらいそうしていたのだろうか…

気がついたら雨が当たらなくなり顔を上げるとそこには紫の髪を2つに縛った緑の瞳の女の子が立っていた

それも私に雨が当たらないように私に傘をほとんど傾けていた

天鷲燈莉

お姉さん、ずぶ濡れになってるじゃん…

天鷲燈莉

風邪引いちゃうから帰った方がいいよ?

天鷲燈莉

傘ならあげるから、俺は折り畳み傘もあるからさ

月影百合

……帰る家なんて、ありません

天鷲燈莉

あ、お兄さんだった…綺麗だから間違えちゃってごめんなさい…

月影百合

いえ…そのことは…気にしてません…

天鷲燈莉

でもずっとここにいたらお兄さん風邪引いちゃうし…

天鷲燈莉

(スマホで何かを調べてる

天鷲燈莉

あ、お兄さんさ…ちょっとだけ付き合ってくれない?

天鷲燈莉

ここよりはマシだからさ

天鷲燈莉

おっ、ちゃんとにベッド2つある!

天鷲燈莉

お兄さんさシャワー浴びてきたら?温かいよ?

そう言って私にお風呂に入るように促してきた

私がシャワー浴びてる間に彼女はいなくなったりしないか不安を抱えたまま手早くシャワーを済ませた

バスローブに着替えて出ると彼女はベッドに座りスマホをいじっていた

月影百合

あの…上がりました…

天鷲燈莉

やっぱりお風呂って心の洗濯だよね、気持ちがスッとして軽くなるみたいな?

天鷲燈莉

それに緊張がほぐれて話をしやすくなるかなって…無理に話せとは言わないけどさお兄さんがあそこにいたこと聞かせてもらえる?

月影百合

私、前から人の隠してることがわかるって両親やクラスメイトからずっと避けられていて

月影百合

私には双子の兄がいてお互い話し相手でとても優しくてなんでも話せる存在でした

月影百合

私がドラムの演奏をすると兄は毎回褒めてくれて私は色んなバンドの手伝いとして呼ばれるようになって兄もすごく喜んでくれて

月影百合

有名になった頃、家とか特定されないために変装した方がいいと兄が言って私は女装を始めたんです、多分ですが冗談だったと思います

月影百合

けれどその後しばらくして父が死んで母はお金をおいて家を出ていき多分愛人の家に行ってしまったのかと

月影百合

それから私は兄としばらく2人で生活していて確かに幸せでした…でもその幸せも長くは続きませんでした

月影百合

ある日のドラムの演奏練習の帰り道、その日は確か音楽祭をやってた日でした

月影百合

兄が行きたがってから家に戻ったら外で聞こうって誘うつもりで少し早歩きで家に帰ったのですが…

月影百合

いつもなら閉まっている家の鍵が空いていて最初は兄が閉め忘れただけと思いましたが床には赤い液体が垂れていて最悪の事態が頭をよぎりました

月影百合

そしてリビングに行ったら既に息絶えた兄だけが残されていて最後の覚えてる記憶はそこまでです

月影百合

ただ兄を殺した犯人は私のストーカーだったということが判明していて…でも思い出せない…いや思い出したくないんです

何故だろう、彼女にはすらすらと事情を話せていることに内心驚いた

天鷲燈莉

もう言わなくていいよ、大体は把握できたから…

月影百合

幸せそうな人を見てると嫌になるんです…私はこんなに苦しいのにって

天鷲燈莉

幸せは誰かの犠牲の上に成り立つ、誰かの受けるはずだった幸せが犠牲によって失われる、その分誰かが受けるはずだった犠牲が幸せに塗り変わる

天鷲燈莉

まぁ、不公平といえば不公平だし犠牲にするのもされるのもごめんだよな

月影百合

幸せって何なんですかね…

天鷲燈莉

俺だったら…アイスを食べること、ホットミルクを飲む、パンケーキを食べる、ケーキを食べる、マフィンとか…

天鷲燈莉

ありゃ…食べることしか発言してねぇわ…

月影百合

……ふふっ

あまりの可愛らしさに思わず笑ってしまっていた

天鷲燈莉

幸せな人=笑顔な人だと俺は思う

天鷲燈莉

俺のちょっとしたドジのおかげでお兄さんの受けるはずだった犠牲が俺のものになって俺の幸せがお兄さんの方にいった

月影百合

あ、すみません…

天鷲燈莉

お兄さん、何か勘違いしてると思うけどだからと言って誰かからもそれをもらえる訳じゃないよ?

天鷲燈莉

知らない人の幸せをもらうけどそれが送られる先は本当にランダム、いつその幸せが訪れるかはわからない

天鷲燈莉

そんでさっきお兄さんさ俺に謝ったけど俺はお兄さんを笑わせるためにドジやったから笑顔になってくれて幸せだったけど?

月影百合

ぇ?

天鷲燈莉

俺はね幸せの定義ってこうだと思ってるんだよね

"全く知らない他人を犠牲にして知ってる知人とかには幸せを繋げていく"

月影百合

知ってる人には幸せを繋げていく…

月影百合

じゃあ兄さんも…幸せだったのかな…

天鷲燈莉

ドラムを演奏をすると兄は毎回褒めてくれてた…それが何よりもの証拠じゃん

天鷲燈莉

バンドの手伝いとして呼ばれるようになりそれを喜んでくれたのなら繋がってるじゃん

天鷲燈莉

形は違えど愛とか幸せは繋がってるんだよ

天鷲燈莉

お兄さん、もし誰を犠牲にしたらいいかわからなかったら俺をいくらだって犠牲にしたらいい

天鷲燈莉

お兄さんが笑ってくれるならいくらだって犠牲になってあげるからさ!

兄以外の人にこんなことを言われたのは初めてだった

昔から私に幸せになる権利とかあるのかと悩んでいたから

皆から嫌われる自分が幸せになるのはおかしいんじゃないかって…

月影百合

本当に私が幸せになってもいいんですか?

天鷲燈莉

幸せになる権利は皆が持ってるんだから…誰かによって制限されたりするものじゃねぇよ?

天鷲燈莉

お兄さんの幸せに俺が灯りをともしてあげるから少しずつ幸せになっていこう

そう言われた時『カチッ』と時計の針が動き出す音が聞こえた気がした

そしてわかった…再び私の止まっていた時が動き出したんだと

月影百合

私は月影百合、私をあなたの所へ連れていってください

天鷲燈莉

俺は天鷲燈莉、これからよろしくな、月影さん

月影百合

そしてここに来たという感じですね

赫月真依

一難去ってまた一難ってことですよね

流星乃愛

年齢不明って聞いたときはびっくりだったけど…

水野るな

そんな過去だと思い出すの辛いし忘れたくなるのわかるな

佐々木カイ

知らない他人を犠牲にして知ってる人には幸せを繋げていく…

菰桃瑠緒

なんか温かくてすっごい綺麗な言葉だね

天鷲燈莉

俺も何度も救われた言葉だからいつか誰かに言ってあげたかったから言えてよかった

月影百合

天鷲さんのおかげで幸せが何なのか少しだけわかってきました

月影百合

ありがとうございます

 

天鷲燈莉

過去話が終わったし次は音楽の業界に入ったきっかけについて話すぞ

天鷲燈莉

長くなるから覚悟しておけ

全員が頷く

天鷲燈莉

あれは月影さんがここに来て1週間経つか経たないかぐらいのときだな
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