その差、0距離

昼休みの教室

私はこいつの机に、

落ちていた消しゴムを置いた

そうしたら、冷たい声で即答

小さく睨むが完全スルー

ノールックでイヤホンを耳に突っ込んだ

だったのに＿＿＿＿

おっと？？

今、ちょっとだけ口角が上がったの

見逃してないからな？！

それからだった。

アイツの事ばっか考えるようになったのは。

言い合いはいつも通り

でも、ほかの男子とは違う

特別な感覚。

ｻﾞｻﾞｻﾞｰ☔️

ムカつく言い方

それでも、

最初はただのウザい奴でしか無かった

でも今は＿＿＿＿

普通の顔してそんなこと言ってても

ちょっとだけ、耳が赤かったの

見逃してないからね

ちょっと、期待しちゃってもいいの？

いつも通りトゲのある声

でも視線はちゃんと私を捉えてくれた

一瞬だけ、彼の手が止まった

でもすぐに何事も無かったかのように

ボールペンはカリカリと音を立てて動き始める

言い切った瞬間、

自分の鼓動の音がうるさくてたまらなかった

でも逃げずに、彼の目を見ていた

そうしたら、彼が静かに呟いた

目が合った

でも、いつもの冷たい視線じゃない

皮肉や強がりなんて、一欠片もない目だった

手が震えていた。

それでも私は、はっきり思いを伝えた

少しの沈黙の後、彼が口にした言葉は

私の心を強く揺さぶった

静まり返る教室

夕焼けのオレンジが私たちを明るく照らす

小さく笑ったその顔が

私だけに見せてくれる顔だってわかってる

そう言って教室を出る時

彼が小さく｢誰が彼氏くんだよ｣ って呟いたのが聞こえた

でも、その声は少し笑っていた

多分、今の私、ちょっとニヤけてる

これからちゃんと時間かけて

もっともっと惚れさせてやるんだからっ＿＿＿＿

読み切り／その差、0距離　𝑒𝑛𝑑

#美蘭コンクール第2回 #HQ　#月島蛍

恋愛部門

美蘭ちゃんへ😘 ここの後書きみたいなの書き忘れてました 参加させてくれてありがとう💋 楽しみに結果発表待ってまーす‼️