遥香
これからはお姉ちゃんと一緒に2人で暮らそうね
爽太
うん
遥香
いつでもお姉ちゃんを頼っていいからね
爽太
うん
お母さんとお父さんが亡くなった
僕は別に寂しくも悲しくも無かった
亡くなったのは小さい頃だったし、
元々共働きでお姉ちゃんと2人っきりの時間のほうが
多かったからだ
お姉ちゃんは、誰からも頼られていて
本当にしっかりしていた
爽太
お姉ちゃん!
爽太
新しく公園ができたんだって!
爽太
広くてね、遊具もたっくさんあるんだって!
爽太
一緒に遊びに行こうよー!
遥香
爽くん、ごめんね
遥香
このマンションの管理人さんに挨拶しに行かないといけないの
爽太
………そっか
爽太
そうだよね!
爽太
お姉ちゃん、僕のために頑張ってくれてるんだもんね!
遥香
本当にごめんね、爽くん…
爽太
いいって!大丈夫!
遥香
じゃあ、友達と行って来たらどう?
爽太
爽太
友達………なんて…いない
遥香
それなら、爽くんがお姉ちゃんに誘ってくれたみたいに
遥香
誘ってみれば、きっと友達になってくれるわ
爽太
………じゃあ、外行ってくるね!
お姉ちゃんは、何もわかって無い
僕が誘ったのは、お姉ちゃんなのに…
男子
あれ、君最近引っ越してきた子だよね?
男子
一緒に遊ばない?
爽太
あ、うん
男子
君親いないんでしょ?
男子
お母さん言ってたよ
男子
弟の面倒も見ないといけないからかわいそうって
爽太
爽太
かわいそうなんかじゃない!
爽太
勝手に決めないでよ!
男子
はあ?
男子
お母さんが言ってたんだぞ!
男子
おまえのせいでおまえの姉ちゃんが辛い思いしてんだぞ!
ズキッ
何故か胸が痛くて
涙が出てきて
ただ走って帰って来た
遥香
爽くん?
遥香
おかえり
爽太
ただいま