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カエデ

しかい、しゃ?

げぇむますたー!

ええ…♪

げぇむますたー!

あなたはこのげぇむの司会者です♪

げぇむますたー!

あいつらを殺すのはあくまでも機械。

げぇむますたー!

もしくは人形♪

げぇむますたー!

あなたはげぇむの進行役です。

げぇむますたー!

そこにマイクが見えますね?

げぇむますたー!

それに向かって声をかけると、皆さんのいるお部屋に声が届きます♪

げぇむますたー!

もちろん、あなたの正体がバレないように、変声機付きの親切仕様♪

げぇむますたー!

さぁ、始めるのです、げぇむ!

げぇむますたー!

はなしかけるのですよぉ、マイク!

カエデ

ちょっとまって、何話せばいいか分からないんだけど…

げぇむますたー!

あぁ、置いてあります、台本。

げぇむますたー!

基本はその通りで大じょーぶ♪

げぇむますたー!

さぁ、始めましょ?

げぇむますたー!

皆さん、割と危険な状況にありますよぉ?

げぇむますたー!

下手したら勝手に死ぬかも♪

カエデ

え!?

げぇむますたー!

あなたがたをここに連れてきてから、実に7時間。

げぇむますたー!

あなたはともかく、別部屋にいらっしゃる皆様は~

げぇむますたー!

水も食料もありません♪

げぇむますたー!

扉も部屋にはないので…

げぇむますたー!

下手したら水分不足か食糧不足で餓死不可避♪

げぇむますたー!

早く始めてあげないと、全滅ですヨ?全滅ですネ?

カエデ

…わかった

げぇむますたー!

マイクの電源はそこです♪ポチッと押したら始まりますよぉ

......................................................

カエデ

…だいほん…

『やぁ皆さん、お目覚めですか?』

『突然ですが、これからゲームを始めます』

カエデ

…よし

気乗りはしないが、マイクのスイッチをつける。

台本を見ながら、マイクに声をかけた。

......................................................

カエデ

やぁみなさん、お目覚めですか?

ヘリウムガスを吸ったみたいに、キンキンと高いヘリウム声が流れる。

隣のモニターを確認して、

カエデ

…え

絶句した。

......................................................

あやね

誰!?

ことね

早くここから出して!

さくら

変な声…変えてるの…?

みずき

私たちをどうするつもり!?

さな

こわい…

まいか

ここどこ…?

......................................................

カエデ

…なんで

思わずマイクを切り、後ろを振り返る。

少女は依然ニコニコとしていて、悪びれた様子はない。

カエデ

ねぇこれどういうこと!?なんでみずき達まで…!?

げぇむますたー!

えー?賢いあなたならお察しかなって…

げぇむますたー!

その上であやねさん選択だと思ってたんデスケド…

げぇむますたー!

違うんです?

カエデ

違う!ていうか聞いてない、みずき達までいるなんて!騙したの!?

げぇむますたー!

騙したなんて大袈裟ですねぇ

げぇむますたー!

私は"げぇむに参加する人たちの中から"選べって、ちゃんと言いましたよぉ?

げぇむますたー!

三人だなんて言ってないから、私シランアルネ

カエデ

ふざけないで…!もう1回選ばせて!

げぇむますたー!

ダメです♡

カエデ

…え

げぇむますたー!

私いいましたよぉ?

げぇむますたー!

選び直しは無効だ、って♪

げぇむますたー!

さぁほら、席にお戻りください、司会者さん?

げぇむますたー!

げぇむが進みませんよぉ?

カエデ

そんな…

げぇむますたー!

…もし駄々をこねるなら

げぇむますたー!

今から全員殺してもいいんですけどねぇ

カエデ

げぇむますたー!

あぁ、全員って言うのは…

げぇむますたー!

あなたも含めて、ですけれど♪

カエデ

は!?

げぇむますたー!

私、言いましたよねぇ

げぇむますたー!

このげぇむに置いて、一番偉い立ち位置にいるのが

げぇむますたー!

わたしだ、って♪

げぇむますたー!

あなたはあくまでも2番目です♪

げぇむますたー!

ね?死ぬのは嫌でしょう?

げぇむますたー!

それならほら♪

げぇむますたー!

座るのですよ、椅子。

そう言ってにこりと無邪気に笑う少女の顔は、

どこまでも狂気に満ちていて。

背筋がぞくりと凍った。

ロボットのようにガクガクとした動きで椅子まで戻る。

台本を手にして、マイクのスイッチをつけた。

......................................................

さくら

ねぇ、さっきの挨拶してから随分時間が経ったけど…

さな

あれから音沙汰なしって、気味悪いね…

まいか

ていうか、出口見つかんない…お腹空いた

みずき

私喉乾いた…

ことね

そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!?

あやね

ここから出る方法探さなきゃ…!

カエデ

突然ですが、ゲームを始めます。

さくら

うわっ!?

まいか

ほんと突然…

さな

びっくりした…

あやね

ゲームって何よ!?ふざけないで、早くここから出しなさいよ!

ことね

そうだよ!こんなことして、タダで済むと思ってんの!?

カエデ

これから始めるのは、殺戮ゲームです。

みずき

ちょっと、勝手に話進めな…は?

さな

…さつ、りく?

まいか

って、なぁに?

カエデ

血で血を洗う殺し合い。

カエデ

最後に生き残った人が勝ちです。

あやね

何言ってんのこいつ…頭おかしいんじゃないの?

ことね

異常者だよ!

さくら

け、警察に電話しなきゃ…

さな

だめ、圏外…

まいか

殺し合い?ないでしょ〜ドッキリじゃないのぉ?

カエデ

これからゲームの説明を行います。

あやね

ドッキリって…それにしても手が混みすぎじゃ

カエデ

あなたがたの中から1人、殺す人を選んでもらいます。

みずき

はぁ!?

さな

選ぶ…?投票みたいな…?

さくら

この中から誰かを…?

カエデ

決まったら画面に向かって名前を言ってください。

あやね

ちょっと待ちなさいよ、そんなのゲームでもなんでも…っ

ブツっ。

マイクが切れる音が部屋に響いて、あやねは黙り込む。

さくら

ね、ねぇ、どうしよ、どうしようあやねちゃん…っ

あやね

知らないわよ!誰か決めるったって…っ

ことね

選ばなきゃいけないって、こんなんじゃ殺す人をまともに決められるわけない…!

みずき

と、とにかく落ち着いてよ!誰か決めなきゃなんだから…!

さな

ねぇさくら、ほんとに電話とか無理かなぁ…っ?

周りが混乱しているにも関わらず、一人だけ、その様子をぼーっと眺めている少女が1人。

まいか

何みんな怖がってんの〜?

さな

だ、だって…

まいか

さつりく?とかさぁ、あるわけないじゃんかぁ、ドッキリだよ。

まいか

どーせ殺す人決めたらそこでプシャーって煙とか出る程度でしょ~

まいか

さっさと決めて帰ろー?私お腹空いたー!

ことね

ちょっとまいか、いくらなんでも楽観的すぎ…

みずき

でも確かに、こんな所に6人も攫ってくるなんて現実的じゃないよね

まいか

でっしょお?やっぱドッキリだってぇ。

さくら

…なら、まいかちゃんにしたらいいんじゃないかな

まいか

…え?

さくら

け、煙とかが出るだけなら、まいかちゃんを選んだらいいんじゃないかなぁ!

まいか

ちょ、ちょっとそれは…

さな

た、確かに!それがいいと、思う…

みずき

…まぁ、まいかが自分で言ったことだし…?

ことね

そ、そうね!

あやね

じゃあそうしましょ!はい決定!

カエデ

う、うそ…!

まずい。

ここであやねを選んでくれないと、まいかが死ぬことになる。

ドッキリだなんて小馬鹿にしていたまいかも、もう後には引けないらしい。

まいか

ま、まぁ、別に…ど、ドッキリ、だし…?

そう言いながらも青ざめているのは、モニターごしでもよく分かる。

いやだ。

自分が司会者、つまりゲームの主催者である私のせいで、誰かが死ぬのは嫌だ。

たとえそれが私をいじめていた相手でも。

自分のせいで誰かが死ぬのは嫌だ、そんなところ見たくない!

私は思わずマイクの電源をつけた。

カエデ

あやねを選んで!そしたら誰も死なないっ!

思いっきり叫んで、モニターを見る。

カエデ

…あれ…?

あやねたちの様子に変わりはない。

キンキンと高いヘリウム声も聞こえてこなかった。

げぇむますたー!

だめですよぉ。

カエデ

げぇむますたー!

ネタばらしなんてしちゃ、面白くないじゃないですかぁ…

げぇむますたー!

主催者側がげぇむ潰しだなんて笑えない。

げぇむますたー!

サプライズもエンターテインメントの醍醐味ですけれど…

げぇむますたー!

ちょこっと自重してもらわないと、ねぇ?

カエデ

…っ

げぇむますたー!

さぁ、司会者さん?

げぇむますたー!

殺す人が決まったご様子ですよぉ?

げぇむますたー!

ちゃんとげぇむを取り仕切ってくださいねぇ♡

......................................................

あやね

殺す人が決まったわ!まいかよ!

ゴクリと唾を飲み込む。

プツリとつけたマイクの音が、やけに大きく聞こえた。

このマイク、さっきみたいに声が聞こえなくなればいいのに。

そんな願いも虚しく、私の声は高い声に変わって、まいか達の部屋へ届く。

カエデ

まいかさんで、よろしいんですね?

あやね

ええ、それでいいわ!

カエデ

…でしたら、まいかさんは奥のベッドに寝てください。

台本に書かれた通り読み上げる。

殺戮の内容までは、そこには書かれていなかった。

まいか

まいかは恐る恐ると言った様子で、ベッドへと寝転んだ。

次の瞬間。

まいか

うわっ!?

急にベッドから現れた硬そうな輪状の拘束具が、まいかの手足を固定する。

それでもまいかは、強がりなのか、平静を保つためなのか、半笑いのまま言った。

まいか

うっわぁ、ほ、ホンカクテキ、だね?

しかし、そんな彼女の虚勢も、次の瞬間、消え去った。

ベッドの上の天井が小さく割れて、

そこから、大きな刃が固定された処刑器具が現れた。

要はギロチンみたいなもので、その刃はちょうど、落ちればまいかの首が切れる位置にある。

カエデ

…っ

彼女のその後が容易に想像出来て、身震いした。

当のまいかの顔は、青を通り越して真っ白になっていた。

まいか

う、うそ、だよねぇ?

まいか

さすがにドッキリでしょ!?ねぇ!

まいか

わ、わかった!みんなグルなんでしょ!私をはめようとしてるんでしょ!?ねぇ!ねえってぇ!

ギギギギギ。

そんな音を立てながら、ゆっくりと刃は降りていく。

まいか

ねぇちょっと、嘘でしょう…!?

まいか

誰か助けてよ!ねぇ!

まいか

この刃止めて!誰かぁあ!

刃はあと数メートルでまいかの首を切り落とす。

拘束された手足を、ガチャガチャと動かしてもがく。

まいか

嫌だァァああ!!

まいか

誰か助けてよぉ!

まいか

ねぇさくら!あんたがいいだしたんでしょ!ねぇ!?

まいか

助けてよ、助けろ!!

さくら

わ、わたし…っ、知らなっ…

まいか

お前のせいだ!お前のせいでっ!!

私とは違う、機械のアナウンスが流れた。

『あと5秒でギロちゃんが降ります。』

まいか

いや!いやだぁああっ!!

『5』

まいか

たすけて!おねがいだからぁっ!!

『4』

まいか

おねがい…っおねがっ…

『3』

まいか

もうっ…!

『2』

まいか

もしこれで死んだら!さくら!あんただけはゆるさないぃいぃ!!

さくら

ぁ…うあぁ…っ

『1』

まいか

たとえ死んでもお前だけは!おまえだけはぁああっ!!

『0』

まいか

い"や"ぁあああぁぁっ…

ジャキン。

ゴロ、ゴロン。

ボーリングの玉が転がるみたいな重い音。

伏せた目をゆっくりと開けた。

カエデ

…ぁ…

ギロちゃんは、

まいかの体に、落とされた。

落ちたまいかの首、頭の表情は。

恐ろしさのあまり見開く目は、真っ赤に血走っていて。

その恐怖全てを叫んで伝えたことを表すように、口は大きく空いている。

今にもまた、あの悲鳴が聞こえてきそうな程に、

まいかの顔は、その殺戮の凄惨さを物語っていた。

さくら

ぁ…あああ…っ

さくらは目を見開き、その場にへたりと座り込んだ。

体をガクガクと震わせ、自分の体を抱きしめている。

あやね

ほ、ほんとう、に…

さな

だめ…だめだ、これ、に、にげな、いと…!

みずき

これから全員、ああやって死んでくの…?

ことね

やめてよ縁起でもない!

......................................................

カエデ

ぁ、あっ…

死んだ。

殺した。

私が。

私がゲームを進めたせいだ。

もっと方法はあったはずだ。

どうにかしてあやねを選ぶように誘導できたはずなんだ。

でも出来なかった。

結果的にまいかが死んだ。

私のせいだ。

げぇむますたー!

大丈夫ですよぉ

げぇむますたー!

あなたは何も悪くない。

優しい声色で語りかけてくる。

この言葉は耳に毒だ。

分かっていても遮れない。

げぇむますたー!

選択を誤ったのはあちらです。

げぇむますたー!

すごいじゃないですかぁ、嫌いな人のために、あなたを殺すかもしれない私の前で答えを叫んだりして。

げぇむますたー!

まぁ邪魔しましたけど。

げぇむますたー!

それでも凄い勇気ですよぉ?

げぇむますたー!

あなたにやれることはやりましたし、

げぇむますたー!

それにほら、良く考えて。

げぇむますたー!

早くげぇむを進めて、早く正解を出してもらわないと

げぇむますたー!

あのまま全滅なんですよぉ?

げぇむますたー!

そうならないために、あなたはげぇむを早く進めてあげようとしてるだけ。

げぇむますたー!

あのゴミ共に死なないための逃げ道まで作ってあげたんです。

げぇむますたー!

あなたは悪くないどころか、仏様のような方ですよ〜?

げぇむますたー!

やれる事はやってます。

げぇむますたー!

あとは正解するのを待って、げぇむを進めてあげるだけ。

げぇむますたー!

げぇむを進めるのは残酷な行為じゃない。

げぇむますたー!

げぇむが進まなきゃ出ることすら叶わないから

げぇむますたー!

早く出してあげるために進めるんですよ?

げぇむますたー!

ね、ほら、大丈夫。

大丈夫。

悪くない。

人は責任から逃れたい時、

たとえそれが誰の言葉であっても

許しを与えてくれる言葉であれば

どんなものでも救いに思えてしまう。

カエデ

そう、そうだよ、ね。うん…

カエデ

早く、出してあげるため…

げぇむますたー!

そうですそうです♪

げぇむますたー!

それに、あんなの1人くらい、死んだっていいじゃないですかぁ。

げぇむますたー!

あの人だって、あなたの大切なもの、たくさん盗ってきましたよねぇ

げぇむますたー!

万引きの冤罪をかけられたりもしたはずですよ?

げぇむますたー!

そんなくずに遠慮は無用。

げぇむますたー!

さぁ、司会者さん

げぇむますたー!

そろそろ仕事の時間です…♪

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