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こうすけ
両親が自殺したんだ
ハナ
………
ハナ
そ、そっかぁ
こうすけ
あんま驚かないなぁ
ハナ
驚いてるよ？
ハナ
驚いてるんだけどね……
こうすけ
？？
ハナ
………
ハナ
実はうちの親も交通事故で死んじゃって
こうすけ
そうだったのか
こうすけ
ごめんな思い出させちゃった
ハナ
いいの
ハナ
私もあんたに思い出させたもんだから
こうすけ
……辛かったな
ハナ
あんたもね
ハナ
でもさ……
ハナ
あっでもなんでもない
こうすけ
えっ？何
こうすけ
超気になるやつやん
ハナ
いやでもあんま突っ込まない方がいいかなって
こうすけ
いや別にいいよ
こうすけ
あれからもう19年経ってんだ
ハナ
そんなに経つんか
ハナ
……え
ハナ
じゃぁほんとに聞いていいの？
こうすけ
どうぞ？
ハナ
そのご両親はなんでそんな自殺なんか……
こうすけ
あっーそれか
こうすけ
うちの親、会社持ってたんだよな
こうすけ
でもその会社が倒産しちまって橋から飛び降りたんだって
こうすけ
そんでそのあとなんか調べるのにポケットの中あさってたらそこには空っぽの財布と多額の請求書が入ってたんだって
こうすけ
それ聞いた時はほんとに…もう言葉にならないほどのショックを受けたよな
ハナ
……
こうすけ
それからだよ
こうすけ
俺がばぁちゃん子になったのは
ハナ
そう…だったんだ
ハナ
ごめん
ハナ
やっぱ言わない方が良かったね
こうすけ
いいんだ
こうすけ
お前がそんな思いつめることじゃねぇよ
ハナ
ありがとう
こうすけ
礼を言われるようなことじゃないよ
こうすけ
今となっては別にそんな気にならないんだから
ハナ
そっか
ハナ
これもおばあさまのお陰？
こうすけ
そうだな
こうすけ
ばぁちゃんは俺のためにいろんなことをしてくれた
こうすけ
俺が腹空かしてる時はいつでもうまいもん食わしてくれた
こうすけ
たとえ家が貧乏だとしてもいつも俺のことを考えてくれて
こうすけ
疲れていても俺の相手をしてくれたり休日は俺を連れて散歩に行ってくれた
こうすけ
ほんとに大好きなばぁちゃんだったんだ
こうすけ
ほんとに……大好きだった……
こうすけ
なのに…なのに！
こうすけ
なんでなんだよ！
こうすけ
なんでみんな…俺から離れて行っちゃうんだよ…
こうすけ
なんなんだよ！俺は幸せになっちゃいけないのか！
こうすけ
くそっ！
ハナ
落ち着いて
ハナ
ごめんね
ハナ
そんなつもりはなかったの
ハナ
話したくなかったら話さなくていいよ
こうすけ
悪い
こうすけ
でもそろそろ乗り越えないとこれから先やっていけないからさ
ハナ
大丈夫なの？無理はしない方がいいよ
こうすけ
大丈夫ありがと
こうすけ
……じゃぁ続きから
ハナ
うん…
こうすけ
俺たちはとても幸せな日々を送っていた
こうすけ
でもさ俺生まれつき心臓が弱くって
こうすけ
8歳の時に遂に心臓病が発症しちゃったんだ。医者にはもう助からないかもって言われたらしい
こうすけ
それを聞いてばぁちゃんは一生懸命俺の看病したり神社にお願いしに行ったりしたんだって
こうすけ
そしたら死にかけてたのになんと急に意識が戻ったらしい
こうすけ
これには医者たちも驚いたらしい。まったく不思議な話だよな
こうすけ
でも意識を取り戻したのと同時に俺はばぁちゃんの姿がないことに気づいた
こうすけ
周りの人はきっと神社にお願いしに行ってくれてるんだよって言ってた
こうすけ
でもばぁちゃんは何日経っても帰ってこなかった
こうすけ
そしてその数日後ばぁちゃんの靴らしきものが海に浮いて見つかったんだって
こうすけ
その靴はたしかにばぁちゃんのドリアン柄の靴だった
こうすけ
その時俺は現実を受け止めることができなかった
こうすけ
そりゃそうだよなだってずっと一緒だった人が急にそれもなんも言わずに消えちゃったんだ
こうすけ
俺は人生のどん底に落とされた気がしたよ
こうすけ
だから俺は何度も自殺しようとした。ここから飛び降りたらばぁちゃんに会えるかなとも考えた
こうすけ
その度に周りの人が止めてくれた
こうすけ
周りの人たちには迷惑かけたよ。それは反省してるんだ。
こうすけ
でもそれくらい俺にとってばぁちゃんは大切な大事な存在だったんだ
ハナ
……ごめん、ごめんなさい
ハナ
あなたがそんなに悲しむとは思って…なかった…
こうすけ
えっ？なんでハナが泣くんだよ
こうすけ
それにそんな謝る必要ないって！なんでそんな謝るんだよ
ハナ
えっ？あっあれなんで…私…
こうすけ
ちょっお前の方が落ち着いた方がいいんじゃねぇか？
ハナ
私は落ち着いてるよ
ハナ
落ち着いてるんだけどね
こうすけ
……
こうすけ
一回この話から離れるか
ハナ
えっ？
こうすけ
違う話題に変えよ！
こうすけ
あっそーだお前に伝えないといけないことあるんだった
ハナ
えっなに？
こうすけ
あのな俺今日1日お前といてやっと気付いたんだ
ハナ
なにに？
こうすけ
それは……
ハナ
ん？
こうすけ
それは
こうすけ
俺お前のこときっと好きなんだなって
こうすけ
だから付き合ってください！
電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
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